ア・コルーニャからのイギリス人の道を歩いてみて

次はどの道を歩こうか。

そう考えているときにイギリス人の道がふと思いついて、青々とした空の下に流れる川、その両脇にはガリシアの豊かな自然とオレンジ色の屋根が並んでいる写真にとてもワクワクした。

実際に目にしたその場所は、写真よりずっと美しくて目の前の世界を見られていることに喜びが溢れてくる。

イギリス人の道のもう一つのハイライトは、ガリシア地方の農村部の風景。

のんびりとした農村部をのんびりと歩き、農作物か実り、育ち、豊かさを感じる。

私にとって今回のイギリス人の道は4つ目の巡礼路。

ガリシア地方に位置しているサンティアゴ・デ・コンポステーラへと続くカミーノは、どの巡礼路を歩いても必ずガリシア地方を通る。

すでに親しみ深い、何度も歩いたガリシア地方ですが、イギリス人の道ではまだ知らないガリシア地方をこれでもかと味わうことができた。

ガリシア地方の豊かさや農村部の美しさをこれでもかと感じられた。

これまでのカミーノでは、ガリシア地方に入るとおとぎ話の森の中のような、どこかミステリアスで、底知れない怪しさみたいなものをどこか感じていた。

きっとそれは海沿いを歩くことが多かった道とのコントラストでそう見えていたのかも知れないし、ガリシア地方に入りもうすぐカミーノが終わることで、ガリシア地方の美しさを捉えきれていなかったのかも知れない。

イギリス人の道では、スタート地点からサンティアゴ・デ・コンポステーラまでガリシア地方しか歩かない。

私が今回歩いたア・コルーニャからのカミーノも、もう一つの出発地点であるフェロールもサンティアゴ・デ・コンポステーラより北に位置していて、ガリシア地方もこのエリアを歩くことができるのはイギリス人の道だけだ。

イギリス人の道で見たガリシア地方はとても豊かで美しかった。

田舎道にポツポツと顔を見せる家、どこまでも広がっているような青空の下、農作物が実るる。

それは北の道で見たようなどこまでも続く草原とは違って、どこか懐かしいような生活の中の美しさで。

ガリシア地方に住む人々の息遣いを感じるような心地よい、着実で安定的な美しさ。

あるカフェに入ると、何年もここで店を構えているだろうおばちゃんが、ほら食べな食べなってパンとハモンをカフェのみんなに配ってくれる。

テラス席でくつろいでいると、ほら疲れたやろ、ここに足のせいと、パイプ椅子を持ってきてくれる。

長いカミーノとは違った、ガリシア地方に溶け込めるようなイギリス人の道。

短いからこそかも知れないけれど、一日一日を大切に過ごしたくて、一瞬一瞬を味わいたくて、くつろぎながら歩いた。

それは日常の一部のように心地よくて、愛おしい72kmだった。


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