【美しき世界遺産の街セゴビア観光】ローマの水道橋からディズニーのモデルの城まで

本記事ではスペインのカスティーリャ・イ・レオン地方に位置する世界遺産の街セゴビアの観光情報をご紹介します。

セゴビアは古代ローマの水道橋と旧市街全体が世界遺産に登録されている美しい街。

マドリードからは鉄道でたった２７分でアクセスでき、マドリード近郊の観光都市として人気の街です。


今日はセゴビア観光のメインとなる世界遺産、そしてちょっとマニアックなユダヤ人街やセゴビアの名物料理まで、セゴビアを楽しめる観光情報を詳しくご紹介します。

【マドリードから３０分！】世界遺産の街セゴビア

スペイン中部、カスティーリャ・イ・レオン地方に位置するセゴビアSegovia 。

古代から人が住んでいる土地で、紀元前１世紀頃に作られた古代ローマの水道橋とセゴビアの旧市街は世界遺産に登録されています。

世界遺産「セゴビアの旧市街」を構成する建造物には、ディズニー白雪姫のお城のモデルとなった王宮アルカサルや中世のセゴビア大聖堂などがあります。

セゴビアの魅力といえば美しい旧市街などの世界遺産ですが、セゴビア旧市街の周辺には優美な発展を遂げた街とは正反対の「 赤い大地 」と呼ばれる原風景が残ります。

カスティーリャ・イ・レオン地方ならではの風景である赤い大地を見ることができるのも、セゴビアの隠れた魅力のひとつです。

セゴビアの見どころ①【世界遺産】古代ローマの水道橋

セゴビアを代表する建造物が古代ローマの水道橋 Acueducto de Segovia。

世界遺産に登録されている水道橋はなんと紀元前１世紀に作られたもの。



水道橋とは、人の生活に欠かせない水を運ぶ水路のこと。

水路を引いたことにより街に水を運ぶことが容易になり、セゴビアの街に発展をもたらした重要な水道橋です。

古代ローマ時代に造られた水道橋は１６７のアーチで構成され全長は７２８m、高さ３０mにもなります。

セゴビアの水道橋が高さ３０mに造られたのはセゴビアの旧市街が丘の上にあるため。

丘の高さと同じ位置に水路を作り、遠く１８kmも先にあるフリオ川から水を引くことによって水の供給を可能にし街に発展をもたらしました。

驚きなのはその技術。

古代ローマ人の優れた土木技術によって造られた水道橋は釘や接着剤などつなぎ合わせるものは一切使われておらず力を均等にする設計で水道橋を造り上げました。

イスラム勢力により１１世紀に一部破壊があり、１５世紀末に修復が行われた過程を経て、古代ローマ時代から１９世紀末までの、とてつもなく長い間使われセゴビアに水を運び続けていました。

これほど巨大な水道橋ながら、セゴビアの景観に溶け込み現代の風景にも馴染んでいるのが不思議な水道橋。

スペイン全土を見てもこれほどの水道橋は少なく、イベリア半島を代表する古代ローマの遺産と言われています。

美しい水道橋を間近で見られる展望台

水道橋の近くには展望スポットがあり、高い位置から水道橋を望むことができます。

目の前に堂々とそびえる水道橋の姿は圧巻。その巨大さを体感でき、水道橋としての機能だけでなく芸術美に驚かされます。

水道橋のアーチから望む街並みも美しくフォトジェニックなスポットでもあります。

入場料などはなく完全無料ですよ。

古代ローマの水道橋は夜の美しさも格別

夜にはライトアップされる水道橋が楽しめます。

昼間とは表情を変え暗闇に照らし出される水道橋を見ていると、ついつい古代の暮らしに思いを馳せてしまいます。

展望台からは水道橋のアーチを額縁に、変わりゆく空の色を楽しめるビュースポットですよ。

セゴビアの見どころ②【世界遺産セゴビアの旧市街】大聖堂の貴婦人セゴビア大聖堂

世界遺産セゴビアの旧市街にあるセゴビア大聖堂Catedral de Segoviaは上品で独特の造形を持つ大聖堂。

スカートの裾を広げたような形と気品ある佇まいから、「大聖堂の貴婦人」と呼ばれるようになりました。

１５２０年のコムネロスの反乱の際、戦場と化したセゴビア。国王軍はアルサカスを、市民軍は大聖堂を拠点とし戦いが続き、結果国王軍の勝利に終ります。

戦いに勝った国王軍が壊れた大聖堂の立て直しを命じ、作られたのが現在のセゴビア大聖堂です。

完成まで２００年の時を要したセゴビア大聖堂はルネサンス期の時代にありながらゴシック様式で作られています。

特徴的な小さな無数の尖った塔、太陽の光に当たるとより一層美しく輝く上品なオレンジ色の大聖堂です。

セゴビアの見どころ③【世界遺産セゴビアの旧市街】ディズニー白雪姫のモデルになった王宮アルカサル

セゴビアの旧市街の端にそびえ立つ王宮アルカサルAlcázar de Segovia。

「 ディズニー白雪姫 」に出てくるお城のモデルになったとして有名な王宮です。

特徴的で美しい造形美、そして深く青みががった塔の先端は「 スペインで最も美しい城 」の異名を持つほど。

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まさにディズニーそのものの姿にはちょっと感動

夜にはライトアップされ、一味違った美しさも楽しめますよ。

ディズニー白雪姫に出てくるお城は、美しさはもちろん断崖絶壁に立っているのが印象的ですよね。

モデルとなった王宮アルカサルもまた白雪姫のお城と同じように、１００mほどの断崖絶壁の上に建てられ、城を置くのに立地的にも優れた場所に建てられています。

ローマ時代の要塞を基盤に、カスティリャ王国アルフォンソ6世により１２世紀に改築されました。

【アルカサル周辺】旧市街を一望できる展望の良いおすすめカフェ

アルカサルは旧市街から徒歩１０分ほどと少しだけ離れたところに位置しています。

アルカサルは周辺には飲食店はありませんが、カフェが１件だけあります。

そのカフェからの展望が最高なのでアルカサルを訪れた際はぜひ立ち寄ってみるのもおすすめですよ。

オープンテラス席があり、断崖絶壁を彩る自然と壁に囲まれた美しい旧市街が目の前に広がります。

その高低差に驚きつつ、セゴビア旧市街の橙を帯びた茶色とそれを囲む緑のコントラストはいつまでも見ていられる美しさです。

アルカサルから望む赤い大地

王宮アルカサルから北側を見ると、緑豊かな土地とは対照的に乾いた赤土の大地が広がります。

「 赤い大地 」と言われるこの土地はカスティーリャ・イ・レオン地方ならではの原風景。

荒野的でありながら情緒あるロマンチックな雰囲気もあり、個人的にセゴビアで一番好きな景色でした。

この乾いた大地を見ると水道橋のおかげでセゴビアが繁栄したことが簡単に想像できます。



赤い大地にポツンと建っているのはサンタ・マリア・デル・パラル修道院Monasterio Santa María del Parral 。 

１５世紀に造られたゴシック様式の修道院です。

私は今回訪れることができませんでしたが、内部公開されており午前１１時と午後５時にガイドに案内してもらいながら中を見学することができるそうですよ。 ( 時間は２０２１年時点の情報です )

セゴビアの見どころ④【世界遺産セゴビアの旧市街】ユダヤ人街とシナゴーク

セゴビアの旧市街はセゴビア大聖堂をはじめ、名所と呼べる建造物がたくさん。

とはいえ、セゴビアの旧市街はただ散歩しているだけでも美しい街並みが広がり、あまり観光ガイドには取り上げられない名所もたくさんあります。

そのひとつが、セゴビアの旧ユダヤ人街とシナゴークの跡地。


レコンキスタ以前はキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の人々が共に暮らしていた時代もあるスペイン。

ここセゴビアにも、旧ユダヤ人街やシナゴークの跡地が残っています。

セゴビア大聖堂を起点にアルカサルに向かって歩いていると「 旧ユダヤ人街 」の看板を見つけることができます。日本語でも書かれていましたよ。


コルプス・クリスティ教会Iglesia del Corpus Christi はかつてシナゴークだった場所。現在は教会になっており修道女たちが暮らしていますが、以前シナゴークであった名残を見ることができます。

現在はカトリック教会になっていて、修道女たちが作った伝統的で素朴なお菓子を買うことができます。

お腹いっぱいだったので買いませんでしたが、なかなか買う機会も多くないと思うので試してみるのも良いですよね。

セゴビアの名物料理

セゴビアの名物は「 子豚の丸焼き 」、そしてデザートの「 ポンチェ 」。

どちらもセゴビアでしか味わうことのできない名物です。

【子豚の丸焼き】コチニーリョ

セゴビアを代表する名物料理が「 子豚の丸焼き 」コチニーリョ・アサード Cochinillo asado。

まさにセゴビアでしか食べることのできない伝統料理です。

コチニーリョに使われる子豚には厳格な規定があり、 「 セゴビアの子豚Cochinillo de Segovia 」にふさわしい条件を満たした子豚のみがコチニーリョに使われています。

生後３ヶ月まで、体重４.５〜６.５kgまでなど限定された乳飲み子豚のみが「 セゴビアの子豚 」の認定を受けることができます。

実は、コチニーリョを食べ終えレストランを出るまで、その事実を知りませんでした。

知った時は衝撃を感じましたが、他の生き物の命も同様に有り難く常に感謝していただきたいです。

話が逸れましたが、コチニーリョを食べた感想はとても柔らかく優しい味で美味しいの一言。

その柔らかさを証明するためにナイフを使わずお皿のフチで切り分けるパフォーマンスをする店もあるほど、とても柔やかいお肉でクセのない味ですよ。

今回はセゴビアの中でもトップクラスのコチニーリョの名店でいただきました。レストランについては以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてくださいね。

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【しっとりケーキ】ポンチェ

ポンチェponcheはセゴビアを代表する名物スイーツ。

可愛らしい響きのポンチェはシロップを含ませたスポンジ生地にカスタードを挟んだもの。

アーモンドの風味が口の中に広がり、表面部分はマジパンが使われています。

セゴビアを歩いていると至るところで目にするポンチェ。

店によって味が違うので食べ比べてみるのも楽しいですよ。

しっとりしていて、一度食べたらクセになる味です。

セゴビアのおすすめ宿泊施設

私が今回宿泊したのはセゴビアの旧市街にあるホテルHosteria Natura。

セゴビアで低価格帯のホテルながら世界遺産の旧市街に位置する抜群のロケーション。

水道橋と王宮アルカサルのちょうど中間地点あたりに位置していて、水道橋までは徒歩７分、アルカサルまでは徒歩１３分と観光名所にもアクセスしやすのも嬉しいポイント。

周辺に飲食店が並ぶマヨール広場までは徒歩２分で、ディナーを食べたり夜のセゴビアを観光した後も帰りやすい便利な立地です。

新しい建物が少ないセゴビアでは、宿泊施設も昔ながらの味のあるアンティーク調のホテルが多いのが特徴です。

今回宿泊したホテルも新しい建物ではなくレトロな情緒あるホテルで、清潔で居心地の良い部屋でしたよ。

好ロケーションながら大通りから少しそれたところにあるので夜も静かで快適に眠ることができるホテルです。

Hosteria Natura

• ローマの水道橋まで徒歩７分
• セゴビアの低価価格帯ホテル
• 世界遺産セゴビアの旧市街に位置

マドリードからセゴビアへの行き方

マドリードから、８７km離れた場所に位置するセゴビアはマドリードからの日帰り観光地として人気の場所。

マドリードからセゴビアへは高速鉄道でわずか２７分でアクセスできます。

観光客のみならず、マドリードっ子の小旅行先としても人気のセゴビアは週末になるとマドリードからの観光客で活気に溢れています。

太陽に照らされた昼間のセゴビアはもちろん、夜のセゴビアは情緒ある昼間とは違った美しさを楽しめるので、ぜひ１泊するのもおすすめですよ。

マドリードからセゴビアへの行き方【鉄道またはバス】

マドリードからセゴビアへは鉄道を利用すると２７分と、とても気軽にアクセスできます。

セゴビアの鉄道駅Segovia Guiomarから、セゴビアの市街地までは５.４km離れていますので、市民バスまたはタクシーにて市街地に行くことができます。

鉄道駅から市民バスで移動する場合は乗車時間約２０分で中心地に着きますよ。


マドリードからセゴビアへはバスで行くことも可能です。

セゴビア行きのバスは、便によって降車駅が異なります。

①のバス停は中心地から遠いので、②のEstación de Autobuses Segovia行きのバスを選んでくださいね。

マドリード発のセゴビアツアー

「 より簡単にセゴビアを訪れてみたい！」

「 セゴビアだけでなく、他の都市も一緒に周ってみたい！ 」

そんな方は、マドリード発のセゴビアツアーを利用することも可能です。

セゴビアをじっくり観光できるツアーはもちろん、近隣の世界遺産の街アビラやトレドなどセゴビアに並ぶ有名な街を気軽に観光できるツアーもありますよ。

美しき中世の面影が現代に続く街セゴビア

古代ローマの水道橋にはじまり、ディズニーのモデルとなった王宮アルカサルや大聖堂など世界遺産たっぷりの見どころが多いセゴビア。

観光名所はもちろんのこと、街全体が美しいセゴビアはふらふらと街を歩いているだけでも絵になる風景ばかりで中世の面影をところどころに感じることができます。

大きな都市を除いて、ひとつの街にこんなにも多くの名所が残るのは珍しいくらいセゴビアの街全体が観光名所として成り立っている実に観光し甲斐がある街。

マドリードからたった２７分で行くことができる中世の世界へ訪れてみるのもおすすめですよ。

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