【スペインの移動手段を解説】高速鉄道・長距離バス・夜行バス
本記事では、スペインを旅行する際の移動手段、高速鉄道・長距離バス・夜行バスについて詳しくご紹介します。
スペインは、長距離鉄道、長距離バス共にスペイン全土に渡って交通機関が発達して、旅行はもちろん、バックパッカー旅もしやすく、旅行者にとってとても移動しやすい国です。
実体験では、スペインの17州のうち12州を旅し、90ヶ所以上の街や村を訪れました
飛行機は一度も使わず、陸路でスペインのさまざまな土地を訪れてみて、スペイン国内の移動のしやすさは日本と同じくらい簡単だと感じています。
日本の新幹線にあたる高速鉄道AVEや特急電車、長距離バスや夜行バスもあり、ご自身の予算や目的に合わせて自分に合った交通機関を選択できます。
マドリードやバルセロナなどのスペインを代表する都市からの移動はもちろん、郊外の街や地方都市からの移動手段も充実しています。
スペインの移動手段には大きく分けて鉄道とバスがあり、それぞれ特徴や速度が違います。
- ・鉄道
-
- 高速鉄道AVE
- 長距離鉄道
- 私鉄長距離鉄道
- ・バス
-
- 長距離バス
- 夜行バス
今日は、実体験をもとに、スペインの都市間を移動するのに便利な、鉄道での移動手段とバスでの移動手段についてご紹介します。
【スペインの移動手段】長距離鉄道
スペイン国内を移動するのに、便利な交通機関のひとつが鉄道。
スペイン全土を網羅する鉄道は長距離運行をしていて、都市から都市へと移動するのにとても便利な乗り物です。
スペインの長距離鉄道には2種類の鉄道会社があります。
- ・国営鉄道
-
Renfe
- ・私営鉄道
-
OUIGO / IRYO
旅行者にとっての国鉄と私鉄の大きな違いは料金です。
スペインでは鉄道の自由化が行われ、私鉄の長距離鉄道は国鉄のRenfeより価格が安い傾向にあります。
飛行機で例えるとレガシーキャリアであるANAやJALと、LCCのジェットスターのようなもの。
私営の長距離鉄道は、価格が安い分、サービスや座席も料金に見合ったものになっています。
国鉄と私鉄の大きな違いがもうひとつあります。
国営鉄道のRenfeは圧倒的に交通網が充実していて、スペイン全土に渡って運行しています。
比べて私営鉄道はまだ運行している路線が少なく、行くことができる場所が限られています。
なので、基本的には国営鉄道レンフェを使い、私営鉄道が運行していたら選択肢が増えてラッキーくらいな感覚ですよ。
【スペイン旅の強い味方】国鉄Renfeレンフェ
スペインの国鉄レンフェRenfeは、スペイン全土に渡って運行しているとても便利な移動手段。
私鉄の方が安いとご紹介しましたが、日本の鉄道に比べればレンフェは安く乗車できます。
レンフェが運行する長距離鉄道で、とても便利なのが高速鉄道AVE。
日本の新幹線にあたる乗り物で、スペインで最も早い電車です。
高速鉄道AVEも日本の新幹線に比べればずっと安く乗車できますよ。
高速鉄道AVEの他に、特急の長距離電車や部分的に高速で走る電車も運行しており、スペインの都市から都市へと移動するのにとても便利です。
高速鉄道AVEや特急電車はマドリードやバルセロナといったスペインの主要都市はもちろん、スペイン全土に渡って運行しています。
旅行者にとっては、どこをどんな電車が走っているのか把握するのは難しいので、都市から行きたい都市へ運行している電車を、その都度調べてみるのがおすすめです。
スペインの新幹線!高速鉄道AVE
スペインの高速鉄道AVEは、個人的な感覚では日本の新幹線と変わらない乗り心地。
車内は清潔で各座席にはUSBがあり、ワゴンに軽食やドリンクを乗せて売る車内販売があります。
車両がまるまるカフェになっている便もあり、快適に過ごすことができますよ。
スペインといえば、時間にルーズなイメージがある方も多いのではないでしょうか?
その概念を覆すのが高速鉄道AVE。
AVEは定刻通りを信念に掲げていて、時間に正確な電車として有名です。
しっかりと定刻通りに出発するので、安心感がありますよ。
定刻通りに強いこだわりを感じるのがAVEの返金制度。
AVEでは一定時間遅延すると、乗車料金の半額または全額を返金してもらえます。
返金方法については後述しますが、私も実際に返金してもらったことがありますよ。
スペインの長距離鉄道・高速鉄道AVEのチケット購入方法【窓口・オンライン購入】
スペインの長距離鉄道の切符は、国鉄レンフェも私鉄も駅の窓口またはオンラインにて購入できます。
上記の青い文字をクリックすると、各会社の公式サイトへ移行します。
公式サイトにて、長距離電車のチケットを購入できますよ。
オンラインで購入した場合、チケットはメールにて送られてきます。
とはいえ、私たち旅行者はどの区間をどの会社が運行しているのかわからないので、ひとつひとつ調べるのは少し面倒と感じるかもしれません。
上記の会社全てをまとめて調べたい場合は、スペインの大手鉄道比較サイトTrainlineでまとめて検索することができますよ。
【日時によって価格が変わるスペインの長距離鉄道】安くチケットを購入する方法
スペインの長距離鉄道の面白いところは、同じ行き先でも日付や時間帯によって全く料金が異なります。
乗車率が高い日付や時間は価格が上がり、逆にあまり人が乗らない時は価格が下がります。
同じ日にちで同じ行き先でも、時間によって価格が2倍以上になることもよくありますよ。
価格が一定でないのは、国営鉄道も私営鉄道も同じです。
また、チケットをいつ購入するかによっても料金が変わります。
乗車日に近ければ近いほど価格が上がる傾向にあります。
予算を決めている方は、
- ピークの日時を避ける
- なるべく早い時期に購入する
ことで低価格のチケットを購入できますよ。
料金の確認方法は、先にご紹介した各社の公式サイトや大手比較サイトTrainlineにて、乗車したい日程を入力して検索すると料金が表示されます。
感覚的には、宿泊施設や航空券を予約するときと同じです
決まった値段はなく常に価格が変動していて、年末年始やスペインの休日、間近に予約すると価格が上がる傾向にあります。
高速鉄道AVEは遅延すると返金してもらえる!
時間にルーズなイメージのあるスペインですが、高速鉄道AVEは定刻通りに定評のある、時間を厳守することで有名な電車です。
その信念を強く感じるのがAVEの返金制度。
災害など会社側に要因がない場合を除き、一定時間以上遅延すると乗車料金の半額または全額を返金してもらえます。
- 30分以上の遅延で乗車料金の50%
- 1時間以上の遅延で乗車料金の100%
30分以上の遅延で乗車料金の半額、1時間以上の遅延で全額を返金してもらえます。
定刻運行への熱意を感じる
実体験では、私も高速鉄道AVEの遅延で返金してもらいました。
遅延時間は31分と規定の時間を1分超えただけでしたが、しっかりと乗車料金の半額をいただけましたよ。
遅延したAVEの車内では遅れてもみんな気にせずのんびりとしていました。
定刻の到着時間から20分を過ぎると少しそわそわした雰囲気が漂い、30分になると、
「 あと1分! 」
とみんな浮足だったお祝いムードで、車内は和気藹々。
遅延してこんなに気楽な雰囲気の車内は見たことがなく、印象に残る体験でした。
高速鉄道AVEが遅延した時の返金方法
返金してもらう際は、駅の窓口または高速鉄道AVEを運行している会社レンフェの公式サイトから申請できます。
遅延はシステム上で管理しているので、遅延証明などは一切必要ありません。
遅延したAVEに乗車した時のチケットがあれば返金してもらえますよ。
窓口で購入する紙のチケットはもちろん、オンラインで購入するオンラインチケットでももちん大丈夫です。
窓口では遅延した電車が到着してから24時間後から申請することができます。
24時間後に駅の窓口に行き、遅延した電車に乗っていたので返金してほしい旨を伝え、チケットを提示すると手続きしてくれます。
とはいえ、旅行者の場合は、24時間後に窓口に行けない場合もあるかもしれません。
その場合は公式サイトから返金申請が可能です。
公式サイトでの返金は、窓口または公式サイトにてカード払いで購入した場合のみ申請できるので、AVEのチケットは、比較サイトではなく公式サイトで購入するのがおすすめです。
公式サイトで購入した場合は、窓口でも返金してもらえますよ。
また、公式サイトで購入する場合はもちろん、窓口で購入する場合も、カード決算がおすすめです。
現金で購入すると返金は銀行振込になりますが、旅行者はスペインの銀行口座を持っていません。
カード決算であれば、決算したカードに払い戻しされるので、旅行者でも安心して返金してもらうことができますよ。
高速鉄道AVEと特急電車は手荷物検査があるので早めに駅へ行こう
高速鉄道AVEと特急電車はセキュリティー面もしっかりしていて、手荷物検査があります。
駅のホームに入る前に、検査所が設けられていて荷物はX線検査を通し、人は金属探知機を通過します。
飛行機ように、手荷物の中身を出す必要はありません。液体物の制限もありませんよ。
実体験では、通常は5〜10分ほどで検査を通過できますが、マドリードなどの大きな駅や混雑している場合は、もっと時間がかかる場合があるので、時間に余裕を持って行くことをおすすめします。
【スペインの移動手段】長距離バス・夜行バス
スペインを旅するのに便利なもう一つの交通手段が長距離バスです。
スペインでは長距離バスが発達していて、スペイン全土に渡って交通網があるため、スペイン旅行はもちろんバックパッカー旅も気軽にすることができます。
長距離バスや夜行バスの他、中距離バスもあり、鉄道でアクセスできない場所もほとんどの場合バスで行くことができるので、ローカルな場所に行くときにとても便利な移動手段です。
実体験では、10回以上スペインの長距離バスを利用しています。
日本でも長距離バスや夜行バスを利用することがありますが、日本の長距離バスと同じくらい快適で便利だなという印象です。
スペインの長距離バス会社
スペインの長距離バスを運行している会社は複数あります。
- ALSA
- Avanza
- Socibus
- Damas
アルサALSAはスペイン最大手のバス会社。
スペイン全土で最も多くの路線があり、スペインの長距離バスといえばALSAと言えるほど多くの都市間を運行しています。
ALSAからAvanzaと上記の一覧の番号順にマイナーなバス会社になっており、番号順に路線も少なくなり限られた区間で運行しています。
スペインの長距離バス・夜行バスのチケット購入方法【窓口・オンライン購入】
スペインの長距離バスは、基本的に事前にチケットを購入する必要があり、乗車時に運転手から買うことはできません。
長距離バスのチケットは、バスターミナルの窓口、またはオンラインにて購入できます。
上記の会社名をクリックすると各会社の公式サイトへ移動します。
公式サイトからオンラインチケットを購入することができますよ。
とはいえ、私たち旅行者は行きたい場所までどのバス会社が運行しているのかわかりません。
上記の会社全てをまとめて調べたい場合は、スペインの大手バス比較サイトBusbudでまとめて検索することができますよ。
公式サイトにて調べたい方は、スペインで最も多くも路線を運行している最大手のバス会社ALSAでまず調べてみるのがおすすめです。
次にAvanza、Socibus、Damasの順で調べてみてくださいね。
夜行バスも上記の公式サイトまたは比較サイトにてオンラインにて購入できます。
夜行バスが運行している区間であれば、昼便と一緒に夜行バスも表示されますよ。
夜行バスが出てこない場合は、運行していない区間になります。
日時によって料金が変わるスペインの長距離バス
スペインの長距離バス、夜行バスも前述した長距離鉄道と全く同じように、チケットの価格が変動します。
航空券や宿泊施設のように、決まった価格はなく、同じ行き先でも日付や時間によって料金が変わります。
繰り返しになるのでここでは省略しますが、詳しい情報は、” 【日時によって価格が変わるスペインの長距離鉄道】安くチケットを購入する方法 ” にてご覧いただけますので、参考にしてみてくださいね。
スペインの長距離バス・夜行バスに乗ってみた体験談
スペインの長距離バスは、ものすごく綺麗というわけではありませんが、清潔で快適です。
個人的には、日本の長距離バスと変わらない印象ですよ。
日本の長距離バスと大きく違う点は、音の面で周りに気を使わないこと。
スペインではバスの中で電話することは一般的なため、バスの中でも電話したり、大きめの声で話している人がいることも多いです。
スペインあるあるですが、たまにイヤホンなしで音楽を聴いたり、動画を見ている人もいます。
なので、周囲の会話や音が聴こえるのが苦手な方は長距離バスは避けた方が良いかもしれません。
周りが気にならない方や、旅慣れている方なら十分にくつろげる環境です。
実体験では、一番長い距離でオーレンセからバルセロナまで約15時間の夜行バスに乗ったことがありますが、快適に過ごすことができましたよ。
長距離バスでは、もちろん途中休憩があります。
休憩場所では食事や軽食が販売されていますよ。
スペインの長距離バスの面白いところは、道沿いに突如現れるいかにもなサービスエリアではなく、郊外の街の一般客も立ち寄る普通の飲食店で休憩すること。
海辺の街のフードコートや、小さな田舎町の道端にバスを停めてバルで休憩したりと、観光で立ち寄ることのない名も知らない小さな町で休憩します。
もちろん、途中休憩なので周辺を歩き回る時間はありませんが、知らない町に降り立つ旅好きの心くすぐる体験ができますよ。
移動手段が豊富なスペインは気楽に旅できる国
スペインは移動手段が発達しているため、好きなところに行きやすくとても旅行しやすい国です。
田舎やローカルな地方でも、ほとんどの場合は公共交通機関を使ってアクセスできますよ。
個人的な感覚では街から街への移動のしやすさは、日本と同じくらい快適で簡単だと感じています。
スペインの長距離バスや長距離電車は清潔で乗り心地が良く、安心して乗車できますよ。
ぜひ、ご自身に合った方法でスペインを旅してみてくださいね!
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