【スペイン4つのエリアの違い】地域ごとの特徴まとめ

本記事ではスペインの北部、南部、東部、中部の特徴と各地域の観光都市をご紹介します。

いきなりですが、スペインと聞いて何を思い浮かべますか?

  • 闘牛
  • 情熱的
  • パエリア
  • フラメンコ
  • 陽気な国民性



coco

こんな言葉が思い浮かぶのではないでしょうか?



実は、このイメージにぴったりなのはスペイン南部やスペイン東部の文化や人柄です。

スペイン北部や中部では、 「 スペイン 」から連想されるイメージとは違った文化や人柄があります。





日本でも北海道や東北と、沖縄や九州では異なる文化や魅力があるように、スペインもまた地域によって異なる文化や生活があります。


この記事を書いている私はスペインを1000km歩いて旅したり、スペインの17州のうち12の州を訪れました。

今日は実体験をもとにスペインの南部、北部、東部、中部の特徴と主な観光都市をご紹介します。





スペインの4つのエリア【南部・北部・東部・中部】

日本とほぼ同じ国土を持つスペイン。

ざっくりとエリアを分類すると4つの地域に分けられます。

  • スペイン南部
  • スペイン北部
  • スペイン東部
  • スペイン中部



日本人に人気のスペインの旅行先は、スペイン中部の首都マドリードや、スペイン東部の第2の都市バルセロナ。

スペインのイメージにぴったりのスペイン南部はリピーターに人気のエリアです。





スペイン南部の特徴と観光都市

スペイン南部はアンダルシア州を指します。

スペイン南部は私たちがよくイメージするスペインそのまま。

スペイン南部の特徴
  • 闘牛
  • 情熱的
  • 陽気な人々
  • フラメンコ



などのワードがあげられます。



スペイン南部の特徴①フラメンコの本場

スペイン南部はフラメンコの本場で発祥の地

ヘレス・デ・ラ・フロンテーラはフラメンコ発祥の地として知られ、南スペインを代表する都市セビーリャやグラナダでは本場のフラメンコを楽しめます。

音楽あるところ人が集まり、歌ったり踊ったり陽気な人々が多いのもスペイン南部ならでは。

人と人との距離が近く、電車やバスの中ではいつの間にか他人同士の会話が始まっていたり、カフェに行くとスタッフが見知らぬお客さんに挨拶として、マイ・ハート、私の愛しい人を意味する ” Mi corazon ” と声をかけたりします。

人と人の間の境界が薄い感じはスペイン南部ならではの文化ですよ。





スペイン南部の特徴②白い家

スペインと聞いて思い浮かぶ「 白い家 」もスペイン南部の建築です。

南スペインは、スペインの中でも特に日差しが強く真夏には40度ほどになることも。

壁を白く塗ることで太陽の日差しを反射し室内の温度を上がりにくくする効果があります。

青い空の下に輝く白い家々はとても美しく、爽やかな雰囲気漂う街並みです。




スペイン南部の特徴③イスラム文化の融合

スペイン南部の最も大きな特徴は、イスラム文化との融合

イスラム文化との融合こそ南スペインらしさと言えるほど、イスラム建築はスペイン南部によくみられます。

レコンキスタ以前は、時のイスラム王朝の首都がスペイン南部にありました。

当時のイスラム建築様式の建物が残るばかりでなく、画期的なイスラム建築をスペインの建築に取り入れたり、イスラム様式とキリスト様式を融合したムハデル様式という建築スタイルも生まれています。

南スペインのイスラム建築を代表するのが、グラナダにあるアルハンブラ宮殿

アルハンブラ宮殿は、「 スペインにおけるイスラム建築の最高傑作 」とまで称される優美で豪華な宮殿です。






スペイン南部の都市①セビーリャ

セビーリャはスペイン南部で最も大きな都市。

スペイン全土でもマドリード、バルセロナ、バレンシアに次ぐ大都市でスペイン第4の都市です。

闘牛とフラメンコの本場でもあり、「 世界三大大聖堂 」に数えられるセビリア大聖堂など、文化鑑賞や観光名所にあふれた都市。

南スペインを代表する都市であり、南スペイン各地にアクセスできる主要都市なので、はじめてスペイン南部を訪れる方におすすめの都市です。





スペイン南部の都市②グラナダ

グラナダはかつてイスラム王朝の首都であった都市。

イスラムの香り漂う路地が多く、イスラム文化との調和を色濃く感じられる街です。

先述した「 スペインにおけるイスラム建築の最高傑作 」と言われる世界遺産アルハンブラ宮殿があるのもグラナダです。

またフラメンコの生みの親であるスペイン語でヒターノ、いわゆるジプシー/ロマと呼ばれる方達が多く住む街でもあり、家として使用されていた洞窟の中で、本場のフラメンコを楽しむことができます。

芸術家や音楽家、旅人に好まれる自由奔放な街で、エキゾチックで魅惑的な雰囲気の漂う街です。







スペイン北部の特徴と観光都市

スペイン北部はバスク州カンタブリア州アストゥリアス州ガリシア州を指します。





スペイン北部の特徴①緑のスペイン

スペインといえば、赤茶色の乾いた大地をイメージする方も少なくないのではないでしょうか。

赤茶色の大地が多く見られるのはスペイン中部やスペイン南部で、スペイン北部では豊かな緑色の大自然が広がります。


スペインの中でも降水量が多いスペイン北部は、雨の恵みによってもたらされた緑が多く、スペイン北部は 「 緑のスペイン 」と言れるほど緑豊かな地域です。

そのため、酪農が盛んでチーズはスペイン北部の名物として知られています。





スペイン北部の特徴②オレンジ色の屋根

スペイン南部に白い家が多く見られるのに対し、スペイン北部ではオレンジ色の屋根の建物が多くあります。

旧市街など歴史ある街ではオレンジの屋根が眼下いっぱいに広がりとても美しい情景です。

オレンジ屋根の街並みが美しいと有名なのがガリシア州に位置するオーレンセ。

温泉の街としても知られるオーレンセは、スペイン語でテルマと呼ばれる温泉があちこちにあり、街中の温泉はもちろん、川沿いの自然いっぱいの温泉も楽しむことができますよ。



スペイン北部の特徴③温厚な人柄

スペイン北部の人々は、

  • 堅実
  • 穏やか
  • 落ち着いている


といった方が多く、もちろん個人個人で人柄は違いますが、スペインの陽気なイメージとは真逆かもしれません。

スペイン北部で見たライブでも、座って軽く体を揺らしたりしている人が多く、踊ったりしている人はほとんどいませんでした。

温厚で親切な人が多く、私がスペイン巡礼でスペイン北部を歩いて横断した際には、とても多くの人が親身になって助けてくれましたよ。




スペイン北部の都市①サンセバスチャン

サンセバスチャンは、スペイン北部の中でもフランスとの国境沿いにあるバスク州に位置する街。

「 美食の街 」として知られ、ミシュラン星付きのレストランや美食クラブがある食通に名の知らぬ者はいない、グルメの街です。

食のレベルが総合的に高い街で手軽なグルメももちろん楽しむことができます。

バスク州の名物である一口サイズのアペタイザー「 ピンチョス 」をバルで味わいながらのバル巡りはサンセバスチャンの定番の楽しみ方。

また美しいビーチが有名なリゾートタウンでもあり、サンセバスチャンの街並みはまるで映画のワンシーンを切り取ったような優美で美しい街。

北スペインの中でも人気の街で、テレビでも度々取り上げられることのある、スペイン北部を代表する街です。




スペイン北部の都市②【聖地】サンティアゴ・デ・コンポステーラ

スペイン北部で最も有名な都市が、ガリシア州にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラ

世界的に有名な都市で、エルサレム、バチカンに並ぶ「 キリスト教三代聖地 」のひとつです。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの旧市街は世界遺産に登録されており、オレンジ屋根と土色のレンガ作りの趣のある美しい街並みを楽しめます。

スペイン全土はもちろん、ヨーロッパ各地からサンティアゴ・デ・コンポステーラを目的地として歩くスペイン巡礼という道のゴールでもあり、喜びと歓喜に溢れるエネルギッシュな街です。

私自身もスペイン巡礼で何度かサンティアゴ・デ・コンポステーラを訪れましたが、宗教的に重要な地でこれほど明るい街はないと感じるほど前向きな空気感漂う街。

ちなみに、私は無宗教ですが、宗教的な意味ではなく自分の楽しみのためにスペイン巡礼をする人がとても多いのも特徴です。






スペイン東部の特徴と観光都市

スペイン東部はカタルーニャ州、バレンシア州、ムルシア州を指します。

スペイン第2の都市であるバルセロナはスペイン東部に位置しています。




スペイン東部の特徴①パエリア

スペインを代表するグルメ、パエリアはスペイン東部に位置するバレンシア州の郷土料理。

もちろん、スペイン全土で食べられていますがスペイン東部以外の地域ではそれほどパエリアを日常的に食べません。

スペイン東部では、レストランではもちろん各家庭ならではのパエリアレシピがあり休日の定番料理として愛されています。

スペイン東部では本場のパエリアを味わうことができます。




スペイン東部の特徴②開放的な雰囲気

地中海に面しているスペイン東部は、「 地中海スペイン 」とも呼ばれ地中海沿岸部ならではの開放的な雰囲気があります。

スペイン東部の特徴
  • 開放的
  • リゾート感がある
  • 若者が多い都会的な雰囲気



スペインの大きな都市といえばマドリードとバルセロナが挙げられますが、イメージ的にはマドリードは落ち着いた雰囲気で、バルセロナは開放感と遊び心のあるラフな雰囲気です。

バルセロナがあるスペイン東部は若者に人気の活気と賑わいのあるエリアです。




スペイン東部の都市①バルセロナ

スペイン東部を代表する都市バルセロナは、首都マドリードと並ぶスペインを代表する都市で、スペインで2番目に大きな都市です。

海に面する湾岸都市で、自由でラフな雰囲気が強く、活気溢れる現代的な都市ながら美しい街並みを楽しめる開放感あふれる街。

最も人気の観光名所は世界的に有名な建築家アントニ・ガウディの建造物。

世界遺産サグラダファミリアをはじめ、街の至る所でユニークで特徴的なガウディの建築を見ることができます。

スペインの若者に人気の都市で、スペインのクラブシーンの最先端でもあります。



スペイン東部の都市②ベニドルム

ベニドルムはスペイン東部のバレンシア州に位置するリゾート地。

「 スペインのマンハッタン 」とも呼ばれ、美しい地中海沿いには観光客用の高層アパートメントが立ち並びます。

地中海気候で、海とビーチを存分に楽しめるリゾート地を絵に描いたような街です。

リゾート地であるベニドルムには長期滞在用のアパートメントが多く、オフシーズンには人足が少なくなるため格安でアパートメントが貸し出されます。

アパートメントには1泊から滞在でき、バルコニー付きの海の見える部屋を気軽に楽しめる、長期滞在や暮らすような滞在を楽しみたい方におすすめの街でもあります。







スペイン中部の特徴と観光都市

スペイン中部はマドリード州カスティーリャ・イ・レオン州カスティーリャ・ラ・マンチャ州、エストレマドゥーラ州を指します。

スペイン中部にはスペインの首都であるマドリードがあります。

カスティーリャ・イ・レオン州はスペインで最も大きな州です。



スペイン中部の特徴①中世の街並み

スペイン東部は中世の街並みや建造物が多く残る地域。

観光用に一部部分だけ残されているのではなく、旧市街全体に中世の街並みが残り、まるでタイムスリップしたかのような美しい風景を楽しむことができます。

「 もし1日しかスペインに居られないのなら、迷わずトレドへ行け 」と言われるほど美しい街として知られるトレドや、「 ロマネスク様式の首都 」の異名を持つサモラなど中世の街として知られる都市が多くあります。

中世の街並みが当たり前のように見られる風景は、現代に生きながら別の時代に居るような不思議で趣のある街並み。


中世の街並みが残る都市は、マドリードに近郊にありアクセスしやすいのも特徴。

世界遺産に登録されている街も多く見応えがあり、マドリードと合わせて周遊しやすいため、はじめてのスペイン旅行にもおすすめのエリアです。








スペイン中部の特徴②標準的な雰囲気

首都マドリードがあり、地理的にもスペインの中央に位置しているスペイン中部は、文化や言葉、人柄の中間をとったような標準的な雰囲気です。


スペイン中部の特徴
  • 中間的
  • 標準的


日本でも地域によって方言があったり、地域によっては標準語とは全く異なる言葉が話されています。

同じようにスペインでもその地域ならではの言語がありますが、スペイン中部では訛りのない標準語が話されます。

雰囲気も他の地域で色濃い特色が見られるのに比べ、さまざまなものが調和したような中間的な雰囲気がある地域です。




スペイン中部の都市①首都マドリード

スペインの首都マドリードは、スペイン中部のみならずスペインを代表する都市。

ヨーロッパではじめて造られた並木道「 プラド通り」は世界遺産に登録され、美しい景観を楽しめる並木道はマドリードの人気観光名所。

美しい公園が多い街としても知られ、そのひとつであるエル・レティーロ公園はプラド通りと一緒に世界遺産に登録されています。

また文化鑑賞も楽しめる都市で、ピカソの名作ゲルニカのある美術館「 ソフィア王妃芸術センター 」や、歴代のスペイン王室が収集したコレクションを所有しているスペイン屈指の第美術館「 プラド美術館 」があります。

マドリードの文化鑑賞は美術だけでなくミュージカルも盛んです。大通りに劇場が立ち並び大迫力のミュージカルを気軽に楽しむことができますよ。

中心地にはヨーロッパ最大級のLGBTQタウン「 チュエカ地区 」があり、ストリートにはカフェやバルが立ち並びエネルギッシュで活気あるエリアです。








スペイン中部の都市②クエンカ

クエンカは断崖絶壁の上に旧市街がある要塞都市。

切り立った崖の上に立つ街並みは、遠くから見ると空に浮いているように見えることから「 空中都市 」の異名を持つ街です。

世界遺産に登録されている旧市街には中世の街並みがそのまま残されており、時代を超えたような風景を楽しめる素朴で趣のある街。

スペイン中部の大自然を感じられる雄大な渓谷があり、旧市街の美しさと自然の心地よさを同時に楽しめる街です。





地域によって異なる特徴と魅力を楽しめる国スペイン

スペインと聞いて連想するイメージに近いスペイン南部やスペイン東部。

穏やかで緑豊かなスペイン北部や、中世の美しい建造物が残るスペイン中部と、たくさんの表情を持つスペイン。

南部、北部、東部、中部によってその地域ならではの特徴があり、違った魅力に溢れる国です。

日本でも地域によって文化も雰囲気も違うように、スペインもまた地域によってその土地ならではの魅力を楽しむことができますよ。






コメント

コメント一覧 (2件)

  • タイも4つの地域に分けられて、文化、歴史が違うように、スペインも4つの地域に分類され、それぞれ特色があり、魅力的ですね!ポルトガルは国土が小さいのを改めて認識しました。

    • onaga1951さま

      コメントありがとうございます!
      その通りですね^^日本も地方によってさまざまな魅力がありますが、どの国もエリアによって違う魅力があって面白いですね!

コメントする

目次