【世界遺産の崖の上の街】宙吊りの家だけじゃない!絶景の宝庫クエンカ

本記事ではマドリード近郊の世界遺産の街クエンカの観光情報と見どころを詳しく解説します。

マドリードから鉄道でおよそ1時間。「 魔法にかけられた街 」 「 空中都市 」の異名を持つクエンカは、かつて要塞都市として栄えた世界遺産の街。

当時の面影残るクエンカの旧市街には、まるでRPGの世界にいるような中世の街並みが残っています。

クエンカで最も有名な観光名所は「 宙吊りの家ハンギングハウス 」と呼ばれる崖に迫り出したバルコニーを持つ家。

とはいえ、クエンカの見どころは宙吊りの家だけではありません。





クエンカには見るものを圧倒させる荘厳な大自然、要塞都市の名の通り崖の上に造られた街と絶景の宝庫。

本記事ではぜひ足を運びたいクエンカの魅力をご紹介します。





【1分でわかる!】世界遺産の要塞都市クエンカってどんな街?

時を遡ること9世紀、ムスリムが崖の上に要塞を築いたことからクエンカの歴史は始まります。

後に、要塞から街へと発展を遂げますが、1177年にカスティーリャ王国により奪取されたクエンカはキリスト教化し、王国の主要都市へと成長していきます。

人口が増えるにつれて低地エリアも発展していきますが、宗教的建造物は崖の上に集まっていました。





クエンカの旧市街は切り立つ絶壁のぎりぎりまで家々が立ち並び、高い崖の上にあるその光景は遠くから見ると宙に浮いているように見えることから「 空中都市 」とも呼ばれています。






要塞としての役目を終えた現在のクエンカは、かつて要塞都市として造られた街並みがそのまま残っており、崖の上に立つ美しい街並みはマドリードから気軽に訪れることができる観光名所として人々を魅了しています。




クエンカの見どころは崖の上に立つ旧市街だけではありません。

あまりに美しい旧市街の街並みの印象が大きく、ガイドブックに取り上げられることはありませんが、クエンカのもう一つの魅力は断崖絶壁の壮大な渓谷。

普段山に行かないと見ることのできないような景色がクエンカの旧市街周辺に広がっています。

トレッキングコースもあり、中世の街並みだけでなく大自然を堪能できるのもクエンカの大きな魅力です。





【世界遺産】崖の上に立つ要塞都市クエンカの旧市街

クエンカ観光のメインとなるのがクエンカの旧市街。

世界遺産に「 歴史的城塞都市クエンカ 」として登録されているエリアです。






中世の街並みが残る石造りの家々が立ち並び、風情ある情景が広がりただふらふらと散歩しているだけでも絵葉書のような美しい情景を味わえるエリアです。





旧市街の見どころ①クエンカの代名詞!宙吊りの家

Photo by @Bearfotos, FREEPIC

クエンカの代名詞とも言えるのが、宙吊りの家Hanging Houses

断崖絶壁の一見不安定とも見える場所に建てられた縦長の家々。その奇妙な光景はクエンカの旧市街の異質さを象徴しています。

崖からバルコニーが迫り出す家々は奇妙ながら美しく、人々を魅了するクエンカで最も有名な名所です。

クエンカ旧市街の家はこのような建築が多く、さまざまな断崖絶壁に建てられた家を見ることができます。

その中でも最も有名なのが、そのまま「 宙吊りの家 」という名のレストランが入った建物。またミロなどの有名画家の絵を鑑賞できるスペイン抽象芸術美術館としても活躍しています。

もともと18世紀中頃までは市庁舎として使われていました。

迫り出した家々の中でも保存状態がよく観光客が目にしやすい位置にあるこの家は、迫り出した家々の中でもクエンカを象徴する場所として人気の建物となっています。









旧市街の見どころ②【ゴシック様式聖堂】クエンカ大聖堂

旧市街のマヨール広場に鎮座するのは荘厳な雰囲気溢れるクエンカ大聖堂

1257年頃に建てられたクエンカ大聖堂はスペイン国内のゴシック様式大聖堂として、最も古い部類に入る大聖堂です。

連なるアーチが美しいファザードは20世紀に再建されたもの。




クエンカ大聖堂の目の前にはマヨール広場が広がり、数件の飲食店が並んでいます。

情緒あるマヨール広場のテラス席に腰掛け、美しいクエンカ大聖堂を眺めながら美味しい料理に舌鼓を打つのもおすすめですよ。




内部見学できる時間は日によって異なります。以下のWebサイトでご確認ください。
https://www.catedralcuenca.es/en







【絶景!】要塞都市クエンカを一望できるビューポイント

クエンカをクエンカたらしめる、切り立った崖の上に街が浮かぶ光景は高い位置から見るとその美しさが際立ちます。

そんなクエンカの街を一望できるのがこのビューポイント。

宿泊した宿の女将さんが「 クエンカで一番美しい光景が見られる場所だよ! 」と教えてくれたポイントです。






右手には世界遺産に登録されている崖の上の街クエンカの旧市街、緑豊かな渓谷を挟んだ反対側には16世紀に建てられたゴシック様式のサン・パブロ修道院を改築したパラドールと、クエンカのハイライトを一望できる場所です。

宿の女将さんが言っていた通り、クエンカの全てを一枚の写真に収められる絶景スポット。

クエンカを訪れたらぜひ訪れてみて欲しい場所です。








【旧市街に匹敵する絶景!】大自然を感じるクエンカの渓谷

クエンカの観光名所といえば世界遺産に登録されている旧市街ですが、旧市街に匹敵するほど美しい光景が見られるのがクエンカの渓谷


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個人的には、渓谷により魅了されました!




クエンカの旧市街からわずか10分ほど歩いた場所に広がるのは、まるで街にいることを忘れてしまうような壮大な渓谷。

まさに絶景と呼ぶにふさわしい大自然を楽しむことができます。

クエンカはフカル川とウエカル川に挟まれ、川の浸食や風化によって独特の断崖絶壁の地形が形成された土地です。

かつて要塞都市として発展した歴史的価値のある旧市街、そしてトレッキングでもしないと見ることのできないような壮大な大自然を同時に楽しめるのはクエンカならでは。

ハイキングコースもあり、クエンカの渓谷を歩きながら楽しむこともできますよ。






渓谷沿いにはクエンカらしい風情ある石造りの建物も見られ、古い建造物と岩肌剥き出しの渓谷は不思議なほど調和しお互いの美しさを引き立たせています。





中にはサイケデリックなペイントが施されたポイントもあり、「 ブラックベリーの目Los Ojos de la Mora 」という名が付けられています。






渓谷沿いにご紹介した全ての景色を見ることができる道が通っていて、通りを歩いていると待っているのは美しい自然。

ハイキングコースではなく、ごくごく普通の道なので気軽に訪れることができますよ。

時を忘れのんびりと味わいたくなるような素晴らしい自然を楽しめるのもクエンカの大きな魅力です。





目の前に渓谷が広がるビューポイント。
このポイントに沿って渓谷沿いに道が通っています。








マドリード・バレンシアからのクエンカへの行き方

クエンカはスペインを代表する大都市であるマドリードとバレンシアのちょうど中間地点に位置しています。

マドリード、バレンシアの両都市から鉄道で約55分でアクセスすることができます。

移動時間が短いことからマドリード、バレンシアからの日帰り観光ができるので気軽に訪れることができますよ。

クエンカは大きな街ではないので、1日あれば十分に観光できる規模の街です。

とはいえ、夜のクエンカもまた昼間とは違ったオレンジ色の街灯が照らす情緒ある風景で一見の価値あり。時間に余裕のある方は一泊するのもおすすめですよ。






マドリードからクエンカへの行き方

料金所要時間1日の便数
バス17ユーロ〜最短2時間6便
鉄道14ユーロ〜最短55分18便


マドリードからクエンカへは鉄道で約1時間でアクセスできます。

バスでも行くことができますが、鉄道の方が速く安いので特別な理由がない限り鉄道でのアクセスがおすすめですよ。



クエンカの鉄道駅「 Cuenca Fernando Zobel 」は街の中心地まで約5キロ離れているため、鉄道を降りたら市街地まではバスで移動します。

バス停は鉄道駅を出るとすぐに見つけることができ、他の乗客もみんなバス停に行くので迷うことはありません。

L1路線に乗り、約20分で街に着きます。料金は乗車時に支払います。

私も鉄道でクエンカに行きましたが、駅を降りると一面茶色の大地。遠くにクエンカの街がポツンと見え、ちょっとSFっぽく違う惑星に降り立ったようで印象深く忘れがたい光景でしたよ。








バレンシアからクエンカへの鉄道での行き方

料金所要時間1日の便数
鉄道13ユーロ〜最短52分12便

バレンシアからクエンカへは直通バスがなく鉄道でアクセスできます。

スペインの鉄道の料金は時間帯によって大きく異なり、ピークの時間帯には20〜25ユーロほどになることもありますが、朝や夜であれば13ユーロ以下で乗車できることもありますよ。

バックパッカーの方などバス移動を好む方は、バレンシア → アリカンテ → クエンカのルートを使うと、バスで行くことも可能ですよ。







マドリード発着クエンカ日帰りツアー

家族旅行や「 より簡単にクエンカへ行きたい 」という方はマドリード発着のクエンカツアーを利用することも可能です。

日本語のガイドさんに案内してもらうことができるので、よりクエンカを詳しく知りながら楽しみたい方におすすめですよ。







【クエンカの宿泊施設】景観重視なら旧市街、価格重視なら新市街がおすすめ

クエンカの宿泊施設は主に旧市街と新市街に集中しています。


旧市街の宿泊施設

「宙吊りの家など観光名所があるエリア」

素晴らしい景観の宿が多いのが特徴。世界遺産の中世の街並みの中に宿泊できたり、渓谷ビューの宿泊施設があったりと、街にいながら、窓を開けたら大自然という最高に気持ちの良い体験ができます。

新市街の宿泊施設

「バスや鉄道が到着するエリア」

お手頃な価格帯の宿が多いのが特徴。クエンカへの玄関口となるエリアなのでロケーションが良く、交通機関へのアクセスが便利です。旧市街までは徒歩15分ほどです。

クエンカで宿泊施設を選ぶときは、雰囲気や景観重視なら旧市街、価格や交通機関へのアクセスの便利さ重視なら新市街がおすすめですよ。





私は今回のクエンカ滞在では新市街のペンションホテルに宿泊しました。

景観重視なら旧市街がおすすめとご紹介しましたが、新市街では崖の上に立つ旧市街を見上げる景観を楽しむことができますよ。





滞在したPosada Tintesは、クエンカでの低価格帯ながら、個室で家族経営のとても可愛らしいペンションホテル。

木で造られた風情あるエントランスをくぐった先の部屋は清潔で落ち着ける空間が待っています。

ペンションの目の前には小川が流れている情緒ある美しい小道が通っていますよ。

旧市街へもアクセスしやすく徒歩で約10分ほど。

ペンションの隣はレストランになっています。

クエンカに飲食店は多くないのでレストラン探しに困った時もとても便利です。

レストランとペンションの建物は分かれているので夜はとても静かで思う存分くつろぐことができましたよ。



  • 清潔
  • クエンカの低価格帯
  • 旧市街まで徒歩10分








クエンカの見どころは旧市街と大自然

空中都市と呼ばれるほど高い崖の上に建つクエンカの旧市街。

旧市街と取り囲むのはごつごつとした岩肌に緑が生い茂る渓谷。

クエンカはスペインの歴史的な街並みと大自然を同時に楽しむことができる、どこを切り取っても美しい街です。

世界遺産に登録されている旧市街はもちろん、そのダイナミックな美しさに魅了されるはず。

ゆるりのんびりとした雰囲気のクエンカはマドリードやバレンシアとは違ったスペインの魅力に出会うことができますよ。








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