文化が融合する蠱惑的な街グラナダ【サクロモンテ・アルバイシン観光】アンダルシア地方

本記事ではアンダルシア地方グラナダの観光情報をご紹介します。

南スペインのアンダルシア地方に位置するグラナダは、多様な文化が融合する独特の空気感が蠱惑的な唯一無二の街。






レコンキスタ以前スペインに置けるイスラム王朝の首都であったグラナダには、イスラム文化が色濃く残っています。

その代表と言えるのが世界遺産アルハンブラ宮殿

またスペインを代表する芸能であるフラメンコの本場でもあり、ヒターノのコミューンがある街でもあります。

キリスト文化、イスラム文化、ヒターノ文化と3つの文化が混ざり合うグラナダは、不思議な化学反応が起きたような魅力的な色を持つ街。

グラナダならではの魅力的な空気感に惹かれる旅人は後を立たず、ヒッピーや旅人、自由な行き方を選ぶ人々が好んで滞在する街でもあります。



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スペインの91都町村を訪れた私も、もっとも魅了された街がグラナダでした







文化が融合する街グラナダってどんなところ?

南スペイン、アンダルシア地方の内陸に位置するグラナダGranada

ウィンタースポーツが盛んなシエラネバダ山を望み、スペイン南部にありながら冬は寒く夏は暑い四季がはっきりしている街です。

グラナダの街の特徴は複数の文化や人が融合していること。

多様な文化や人々が古くから混ざり合ってきた地の魅力的で蠱惑的な空気感のある街です。






グラナダの街は大きく分けて3つのエリアに分けることができます。

グラナダのエリア
・アルバイシン地区

グラナダ最古の地区である旧市街。アルバイシン地区内にはジプシー地区とも呼ばれるサクロモンテ地区があり、本場フラメンコの中心地でもある。

・セントロ地区

現代的な店の多い中心地。新市街。

・アルハンブラ宮殿地区

世界遺産アルハンブラ宮殿のある地区。

スペインがまだキリスト教徒とイスラム教徒で分かれていたレコンキスタ以前、グラナダはイスラム王朝の首都でした。

アルバイシン地区はイスラム王朝時代にできたグラナダ最古の地区として知られ、世界遺産にも登録されています。

現在では、芸術家、音楽家、クリエイターや自由で奔放な生き方を選ぶ人々が集まる地区になっています。





アルバイシン地区の中ある有名な地区がサクロモンテ地区。

サクロモンテ地区はジプシー地区とも呼ばれ、スペインではヒターノと呼ばれるジプシーたちが住むエリアで、フラメンコの本場でもあります。

海外からのフラメンコに魅了された人々も好んで住んでおり、丘の上や細路地でバスキングを楽しんでいる人々の姿も見られます。


本記事では、アルハンブラ宮殿地区、そして最もグラナダらしさを感じられるアルバイシン地区とサクロモンテ地区を詳しくご紹介します。




【グラナダ最古の地区】自由奔放な芸術家や音楽家が集うアルバイシン地区

グラナダの北側に位置するアルバイシン地区Albaicínは、スペインにおけるイスラムの首都であったイスラム王朝時代にできたグラナダ最古の地区で世界遺産に登録されています。

イスラム王朝時代、要塞都市として発展したアルバイシン地区は細い路地が何本も入り組んでいます。

アルバイシン地区に並ぶ家々は白一色に外壁が塗られ、まるで白の迷宮に迷い込んだかのよう。

グラナダの夏は暑く、気温は40度を超えることも。

白の外壁は夏の暑い日差しを反射して室内の温度を上がりにくくする効果があります。







【イスラム文化の香り漂うアルバイシン地区のストリート】カルデレリア・ヌエバ通り

アルバイシン地区の端にあるイスラム文化を色濃く感じるストリートがカルデレリア・ヌエバ通りCalderería Nueva

わかりやすくイスラム文化を感じられる通りで、細い路地の両隣にはアクセサリーや靴や鞄を売る土産屋、シーシャ屋、モロッコレストランなどが軒を連ねます。






色鮮やかな色彩が目を奪い、スパイスの香りが心を惑わせる異国情緒溢れるストリート。

観光客向けの店が多く、誰でも気軽に入れる雰囲気の店が多く軒を連ねています。






モロッコにルーツを持つ人が多いため、モロッコレストランやカフェも軒を連ねミントティーやタジンなどモロッコの定番料理を気軽に楽しむことができます。

イスラム教において飲酒は禁止されているため、イスラム系のレストランではアルコールの提供はありません。

グラナダを形成する大事なピースであるイスラムカフェでゆったりとしたひと時を過ごしてみるのもおすすめですよ。









【グラナダを一望する展望台】サン・ニコラス広場

アルバイシン地区の小高い丘の上にあるサン・ニコラス広場Mirador de San Nicolásはグラナダを一望できるビューポイント。

堂々たるアルハンブラ宮殿とグラナダの街並みが美しく、特に夕暮れ時には美しい夕日が見られる場所としてグラナダに住む人々や観光客に人気の場所です。






サン・ニコラス広場のアルバイシン地区に住む芸術家や音楽家たちが集う場所でもあります。

イスラム王朝時代のグラナダ最古の地区であるアルバイシン地区は、レコンキスタ以降だんだんとその時代の社会のレールの上を走らない人々が住むようになっていった地区でもあります。

それは時代と共に変化していき、現在では音楽家や芸術家、クリエイターたちが好んで集まる場所になっていき自由奔放な雰囲気を作っていきます。

その中にはヒターノや海外から訪れたフラメンコに魅了された人々も。

そんな人々が集まるサン・ニコラス広場やアルバイシン地区の路上では、調子の良いフラメンコが鳴り響き、床に布を引いて物を売る人、絵描や独自の才能を披露いている人々が変わるがわるやってきては去っていきます。


サン・ニコラス広場、そして周辺の白い迷宮のような路上はアルバイシン地区に住む人々のエネルギーを肌で感じられる魅惑的な場所です。







ある日には、「 女性を暴力から守る運動 」をしている人々が、パズルのピースに一言書いてくれないか、と声をかけてきました。

声を掛けてきたのは、まだ幼さの残る顔立ちの中に大人びた凛々しさを感じる腰の背丈ほどの子供。

たくさんの子どもたちが積極的に声をかけ、書いてもらったパズルのピースを繋げていき、その表情は楽しみながらも真剣で、当然のことをしているかのような振る舞いは、アルバイシンという地区に住む人々の生き方を垣間見たような瞬間でした。

サン・ニコラス広場をはじめとしたアルバイシン地区はさまざまな生き方が交わって展開していくような、自分の中に答えを見つけ出す人々のエネルギッシュさが溢れる不思議な魅力が漂うエリアです。











【ヒターノの歴史を紡ぐ】フラメンコの本場サクロモンテ地区

アルバイシン地区の中にあるエリアのひとつがサクロモンテ地区Sacromonte

スペインではヒターノと呼ばれるジプシーやロマと言われる人々が暮らすエリアで、ジプシー地区とも呼ばれてた時代もありましたが、近年ではヒターノの人々の他、フラメンコを学ぶ外国人やアーティストなど、多様な人が住んでいます。

サクロモンテの丘を登り切った街から離れた場所には洞窟住居があり、ヒッピーや音楽家など浮世離れな生き方を選択する人々が暮らしています。


スペインのイメージと聞いて真っ先に思い浮かぶのがフラメンコ。

フラメンコはヒターノの芸能であるため、サクロモンテ地区は本場のフラメンコを間近で見ることができる場所でもあります。









洞窟タブラオで体験する本物のフラメンコ

フラメンコの本場であるサクロモンテ地区では、本物のフラメンコを間近で見ることができます。

サクロモンテ地区の中でもトップレベルのフラメンコを見ることができる場所が、1972年にオープンした老舗のタブラオ、ロス・タラントスCuevas Los Tarantos

会場となる洞窟は、実際に15世紀からヒターノの人々が住んでいた石灰を塗った洞窟住居。

踊り手の息遣いや汗を感じられるほど近くで見ることができ、ゾーンに入っているような圧倒的な動きと、細かな表情の変化は観客を別世界に誘います。

小さな洞窟タブラオの中で披露されるフラメンコは、まさに魂揺さぶる圧巻のパフォーマンスを体験することができますよ。








サクロモンテで味わうヒターノの伝統料理

サクロモンテ地区にあるレストランでは、グラナダの新市街では見かけないヒターノの伝統的な料理を味わうことができます。







サクロモンテに住む人々の伝統料理のひとつがサクロモンテの豆のスープplato caliente habichuelas del sacromonte

3種類の豆と野菜、チョリソーを煮込んだ暖かなスープで、体も心も温まるどこか懐かしいような味わいです。

スープをいただいたレストランCafé Bar Bocadilleria Pibeは、アルハンブラ宮殿を望む景色の良さ、とても優しいオーナーさんと、食事はもちろんたくさんの面で心温まるおすすめのレストランですよ。




12:00~0:00 / 月火定休日






【イスラム建築の最高傑作】世界遺産アルハンブラ宮殿

グラナダで最も有名な観光名所が世界遺産アルハンブラ宮殿La Alhambra

「 スペインにおけるイスラム建築の最高傑作 」と言われる至高の名建築として知られています。

レコンキスタ以前、スペインにおける最後のイスラム王朝であったナスル朝の首都がグラナダでした。

ナスル朝とキリスト教徒の攻防で最後の砦であったグラナダの王宮、アルハンブラ宮殿が要塞を兼ねた豪華絢爛な宮殿です。





アルハンブラ宮殿と一言で言ってもその敷地は、まるでディズニーランドのように広大。

広大な敷地の中に、王の住まいであったナスル朝宮殿や、水の宮殿ヘネラリフェなど、ディズニーランドのアトラクションを巡るようにさまざまな見どころとなる施設があります。

偶像崇拝をせず人物を描くことが禁止されているイスラム教。

アルハンブラ宮殿ではアラベスクと呼ばれる美しい唐草模様や幾何学模様が施され、まるで繊細なレースが壁や柱に施されたような最高傑作の名にふさわしい装飾を見ることができます。






アルハンブラ宮殿内の最大の見どころ「ナスル朝宮殿」を見学するには、時間指定のチケットが必要です。
詳細は以下の記事でご紹介しています。
https://thenewwisdon.com/europe/la-alhambra-granada-spain








【バル巡りも立派なグラナダ観光】ドリンクを頼むと無料でタパスがついてくる!

グラナダ観光の楽しみ方のひとつがバル巡り。

グラナダのバルにはみんなが笑顔になる独特の文化があります。

バルでドリンクを注文すると無料でタパスtapasという1品料理がついてきます。


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日本の居酒屋の1品料理のスペイン版のようなものです




この文化のすごいところは、1回限りではなくドリンクを頼むごとに毎回無料のタパスがついてきます。

出てくるタパスの種類はさまざまで、その日のおまかせが出ててくる店もあれば、自分で選ぶことができるスタイルの店も。

パエリアだったり、チーズだったり、副菜のようなものだったりバラエティに富んだタパスが出てきます。

店によって出てくるタパスは多種多様。食べ歩き感覚で店の雰囲気やタパスを楽しみながらバルをはしごするのがグラナダスタイルです。






グラナダ観光の所要日数

グラナダは大きな街。グラナダを存分に味わうには少なくとも1泊2日はしたいところです。


グラナダのモデルプラン

1日目:アルバイシン地区とサクロモンテ地区
2日目:アルハンブラ宮殿

1日目の夜には本場のフラメンコを鑑賞するのもおすすめです。

グラナダは居ればいるほど味わい深いような深みのある街。

特別な観光名所ではない日常の風景が、旅に豊かさを感じさせてくれるような雰囲気があります。

気軽な観光なら1泊2日、旅が好きな方なら1週間ほど滞在してみても楽しめる街ですよ。






グラナダの宿泊施設

グラナダの宿泊施設は大きく分けて2つのエリアに集中しています。

グラナダの宿泊施設
セントロ地区

グラナダ大聖堂周辺。安いホステルも多い、現代的な新市街。

アルバイシン地区

フラメンコショーを見ることができるエリア。旧市街。

地区名をクリックするとGoogleMapにてエリアの位置をご確認いただけます。

セントロ地区は、日本でも人気のスペインのブランドZARAなど、ショッピングも楽しめる新市街。

店も多く現代的なエリアで安いホステルはセントロ地区に多いのが特徴です。

アルバイシン地区は世界遺産に登録されている旧市街。

店は少ないですが、音楽家や芸術家が多くゆるりとした雰囲気で、迷宮のように入り組んだ白い小道が多い味わい深いエリア。

ローカル色が強いエリアでもあります。

フラメンコショーを鑑賞できる場所はアルバイシン地区に位置しているので、夜にフラメンコを鑑賞したい方はアルバイシン地区がおすすめですよ。






アルバイシン地区のおすすめ宿泊施設

私が今回宿泊したのは、アルバイシン地区にあるアパートメントCarmen Vistas de la Alhambra

広いキッチンと大きなソファーがあるリビング、ベッドルーム、そしてテラスがあり、グラナダに住んでいるようなゆったりとした時間を過ごすことができるアパートメントです。

テラスからはグラナダの街並みを見ることができ、テラスでいただく朝食は極上の時間。

清掃もしっかりとされていて清潔な室内です。

また本記事でご紹介した、老舗のフラメンコショーを見ることができるタブラオから徒歩2分の場所に位置しているため、ショーが終わった後の夜も安心して帰ることができますよ。

他のタブラオもこの宿泊施設から徒歩約5分以内に集中しているので、夜にフラメンコショーを楽しみたい方におすすめの宿です。

アパートメントタイプですが、もちろん1泊から宿泊できますよ。



  • アパートメント
  • キッチンとテラス付き
  • フラメンコ劇場から5分以内






セビーリャ・マドリードからのグラナダへの行き方

アンダルシア地方を代表する都市セビーリャからグラナダへは最短2時間40分でアクセスできます。

またマドリードからの行き方もご紹介します。


セビーリャからグラナダへの行き方

鉄道バス
料金48ユーロ30ユーロ
所要時間2時間40分3時間
1日の本数4本8本
チケット予約予約はこちら予約はこちら

セビーリャからグラナダへは鉄道とバスではあまり所要時間は変わりません。

鉄道に比べバスの方が料金が安いため、価格を重視する方はバスでのアクセスがおすすめです。







マドリードからグラナダへの行き方

スクロールできます
飛行機鉄道バス
料金48〜75ユーロ36ユーロ22ユーロ
所要時間1時間10分3時間半最短4時間半
1日の本数11便3便9便
チケット予約予約する予約する予約する

バスの場合、便によって所要時間が異なり、最短4時間半で着くものから、5〜6時間かかる便もあります。

とはいえ、スペインの長距離バスが清潔で乗り心地も良いため旅慣れた方であればバスを利用するのもおすすめです。

鉄道の場合、通常は36ユーロでアクセスすることができます。

ホリデーシーズンなど鉄道利用者が多い時期には、時間帯によって料金が異なり、ピーク時には価格が上がる傾向にあります。



飛行機でアクセスしたい方は、Trip.comでのチケット予約がおすすめです。
スカイスキャナーでもほとんどの場合最安値はTrip.comで、安心安全に使えるため、私自身もいつもTrip.comで予約しています。

ちなみにポイントサイトハピタスを経由して予約すると、航空券代の0.5%のキャッシュバックをもらえるので、利用してみるのもおすすめですよ。







多様な文化と人々が混ざり合う街グラナダ

旧市街アルバイシン地区や芸術家や音楽家が集うサクロモンテ地区など、街を歩いているだけでもゆるりとした空気の中にエネルギーを感じる街グラナダ。

さまざまな文化や人々が織りなす色彩豊かな街です。

スペインの中でも独特な空気感を持ち、旅人や自由奔放な人々を魅了してやまないグラナダ。

グラナダ屈指の名所、世界遺産アルハンブラ宮殿はもちろん、ゆったりとグラナダの街を味わってみるのもおすすめですよ。









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