
【北の道1日目】絶景が待っているオフィシャルルートがおすすめ【カミーノ】

本記事では、カミーノ北の道の1日目のルートについて解説します。
北の道の1日目はハードでチャレンジングだと言われますが、実はルートは途中で二手に分かれており、ハードなルートか、またはフラットでより歩きやすいルートかを選択できます。
【北の道1日目】絶景が待っているオフィシャルルートがおすすめ【カミーノ】

カミーノ北の道Camino del Norteの1日目は、初日からハードなステージ。
北の道の全ルートの中で最もハードと言っても過言ではないほど、なかなか歩きごたえのある道から北の道は始まります。

北の道の1日目がハードなステージと言われる理由は、ハイスキベル山Mount Jaizkibelを越える山越がため。
ハイスキベル山は標高547メートル。山としてはそれほど高い山ではありませんが、徒歩30分で300メートルまで到達する急な上り坂が続きます。
その後は頂上の547メートル地点まで緩やかな上り坂が続きます。
カミーノの初日ということで、まだ体がカミーノに慣れていない1日目にはなかなかハードなステージですが、ハイスキベル山を登る過程や頂上から見る景色はまさに絶景。

ハードでありながらも登山というよりはトレッキングと呼べる道で、山に登り慣れていない方でも登ることができる程度の道なので、体力に自信のある方にはぜひおすすめしたいルートです。
体力にあまり自信がない、無理せず気軽に歩きたい方は、ハイスキベル山を経由しないオプションルートも存在します。
オプションルートは、距離的にはハイスキベル山ルートより700mほど長くなりますが、フラットな道のため圧倒的に楽に歩くことができるルートです。
ルートの分岐点
ハイスキベル山山頂を経由するルートと、オプションルートは上記の位置で分岐します。
北の道のスタートポイントからおよそ5.3km地点が分岐点です。

分岐点には、写真のように大きな看板があるので見逃すことはありません。
- ・ハイスキベル山ルート
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- 標高547mまで登る
- 北の道のオフィシャルルート
- かなり急な上り坂が続きハード
- ハイスキベル山から見渡す海と街が絶景
- ・オプションルート
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- フラットな道
- 誰でも歩きやすいルート
- イルンの街が見渡せる(Buen Camino情報)
2つの道は小さなのどかな漁村パサイアPasaiaの手前で合流します。
分岐点からパサイアまでは、ハイスキベル山ルートの場合10.9km、オプションルートの場合11.6kmです。

パサイアから7.8kmほど歩くとバスク地方を代表する都市「美食の街」サンセバスチャンに到着します。
パサイア〜サンセバスチャンの区間も急な階段や舗装されていない傾斜のある坂道があり、なかなか体力のいる区間です。
正直なところ、ハイスキベル山ルート自体はハードではあるものの、楽しめる範囲内でもあります。
北の道の1日目がハードだと言われるのは、ハイスキベル山ルートの他、パサイア〜サンセバスチャン区間で1日に二度急な上り坂があるためでもあります。
パサイアにはアルベルゲがあるので、体力に余裕を持って歩きたい方はパサイアで一晩過ごすことも可能です。

私はハイスキベル山を越えるルートを選択し、そのままサンセバスチャンまで歩きました。
かなりハードでしたが、それを忘れるくらい感動する登ってよかったと感じるルートでした。
眼下にはこれから幾度となく目にする美しいカンタブリア海、そして北の道スタート地点の町イルンが視界いっぱいに広がり、まるで北の道を象徴するかのような緑の大地と見渡す限りの海が待っています。
ハイスキベル山ルートの詳細

ハイスキベル山ルートのハードさを感じる道は、分岐点からすぐにやってきます。
山の麓の分岐点から見上げると、わかりやすく急な坂が目の前にあり、写真の技術が至らず平坦に見えますが、心臓破りのとても急な上り道が続きます。
バックパックがなかったとしても、息切れする感じの上り坂です。
約30分で標高300メートルまで一気に登るため、傾斜が強い道が続きます。
とはいえ、ハイスキベル山ルートのハードさを感じる区間はここだけ。
300メートル地点まで登ってしまえば、あとは景色を堪能する余裕を十分に持てるほどの緩やかな道に変わります。

中には岩を登るような場面もあります。
とはいえ、特に技術が必要な道ではありません。

急な上り坂や岩場の区間を越えると、あとはもう楽しむだけと言いたくなるような緑溢れる緩やかな道に変わります。



ただただ美しく、ここを歩くことに喜びを感じるようなそんな道。
のんびりとくつろぐ可愛らしい馬たちにも出会えます。


最初の300メートルまでは確かにハードなのですが、それ以上に緑のハイスキベル山や、眼下に望む景色が美しく、北の道の初日にしてハイライトのような風景の中を歩きます。
この日は曇り空でしたが、晴れた日にはさらなる絶景が楽しめるだろうルートです。

登ってきた高さの分だけ、オレンジ屋根の美しい街や遠くの山、カンタブリア海がパノラマで一つの景色の中で見ることができます。
どの巡礼路も二つとして同じ景色はありませんが、北の道全体の中でもこのようなパノラマビューはハイスキベル山ルートでしか見ることのできない景色です。

北の道ではより標高が高い場所を歩く区間がありますが、視界が開けて見晴らしがよく、山と海と街を一度に楽しめる景色はハイスキベル山ルートならでは。
体力に自信がある方は、存分に楽しめるルートです。
ハイスキベル山以降から小さな町レソ


ハイスキベル山を降りると、歩きやすいハイキングコースのような道へと変わります。
GRやE-pathsのルートとも重なっている道です。

いつかGRやE-pathsも歩いてみたい私としては、サインを見るだけでワクワクしてしまいます

山道を抜けると、小さな町レソLezoを通過します。
レソはハイスキベル山ルートでのみ通る町です。
2つのルートの合流地点の美しい漁村パサイア

ハイスキベル山ルートとオプションプルートの2つの巡礼路は、入江にある小さな漁村パサイアPasaiaにて同流します。
入江の川沿いに並ぶ家々は童話に出てきそうな可愛らしい外観で、バロック調で造られています。
古いものは1700年代からありバスク地方の歴史ある街並みを楽しむことができるのどかな漁村です。


このままサンセバスチャンまで歩くのもよし、パサイアにて夜を過ごしたい方はアルベルゲが一つあります。
実体験ではサンセバスチャンまでこのまま歩いたので、パサイアのアルベルゲには宿泊しませんでしたが、”One of the most emblematic hostels in the Basque Country(バスク地方で最も象徴的なホステルの一つ)”と紹介されているアルベルゲです。
Santa Ana Pilgrims Hostel
パサイアのアルベルゲ
ドネーション制/予約不可/ベッド数14
Gronzeで詳細を確認する
パサイア〜サンセバスチャン区間


パサイアを出発すると、再びハードな区間があります。
急な階段で標高100mまで登り、傾斜のある道を登りながらサンセバスチャンへと向かいます。
実体験では1日の前半にあるハイスキベル山ルートは体力がありハードな道だと聞いていたので気持ちの準備もできていましたが、1日のラストに訪れるパサイア〜サンセバスチャン区間はよりハードさを感じました。
ハイスキベル山ルートだけでなく、パサイアを出発してすぐに訪れる急な上り坂のセクションが合間って「北の道の1日目はハード」だと言われていることを実感しました。
とはいえ、もちろん技術のいるような道ではないので、気持ちが整っていれば登れる区間です。
パサイア以降にも急な坂道があることを考慮して、ご自身にルートを選ぶのがおすすめです。

とはいえ、周りを見渡せば美しい海と北の道らしい絶景が待っていて、この景色を見ただけで幸せに包まれるので不思議なものです。
ハードだけど心に刻まれる北の道1日目

北の道の1日目は初日というのもあってか、全てのステージの中でもハードさを感じるステージでした。
そして同じくらい忘れられない美しい景色と心に残るステージでもあります。
みなさんの北の道1日目が素敵なものになりますように!
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