【スペイン巡礼】必要な日数とルート選びのコツ【カミーノ】
本記事では、スペイン巡礼の所要日数とルート選びのコツをご紹介します。
スペイン巡礼には、8つの主要な巡礼路があります。
どのルートを選ぶかによって、所要日数は大きく違い、それぞれのルートは通過する地域や目に映る景色だけでなく、難易度も異なります。
「はじめてのスペイン巡礼で、自分に合ったルート選びをしたい」
そんな方に向けて、
- 8つの巡礼路の日数や特徴
- ルート選びと日程を計画するときのポイント
- 初心者やはじめてのスペイン巡礼で歩きやすいルート
について解説します。
スペイン巡礼の主要8ルートの距離と所要日数
【フランス人の道】
764km / 約33日間
最も有名で人気のあるルート
【北の道】
824km / 約34日間
海岸線を歩く最も景観の美しいルート
【プリミティポの道】
313km / 約14日間
山間部を歩く巡礼者の少ないルート
【ポルトガルの道】
625km / 約25日間
ポルトガルを縦断するルート
【ポルトガル海岸の道】
266km / 約13日間
海岸線を歩く初心者におすすめのルート
【イギリス人の道】
119km / 約5日間
1週間以内で歩くことができる短いルート
【銀の道】
970km / 約36日間
スペインを縦断する最も距離の長いルート
【サナブレスの道】
369km / 約13日間
銀の道と合わせて歩くことができるルート
スペイン巡礼の巡礼路には8つの主要なルートがあります。
総距離が短くてもアップダウンや山越えが多かったり、総距離が長くても歩きやすい区間が多かったりするので、必ずしも総距離と所要日数は比例しません。
また所要日数は平均的な日数です。
8つの主要な巡礼路の詳細は、以下の記事にて詳しくご紹介しています。
【スペイン巡礼】ルートの選び方とポイント
- 巡礼路の混雑度
- 難易度
- 所要日数
- 巡礼路の特徴
スペイン巡礼の主要な8つの巡礼路は、総距離、平均所要日数はもちろん、難易度も異なります。
初心者やはじめてスペイン巡礼する方が歩きやすい巡礼路もあれば、アップダウンや峠越えの多い中級者以上向きのルートもあります。
道のコンディションの他、巡礼者用の宿アルベルゲの充実度によっても難易度は変わってきます。
混雑度や所要日数、難易度や見たい景色によって、ご自身にあった巡礼路を選ぶことができます。
これから巡礼路を選ぶポイントをご紹介しますが、とはいえご自身の直感が一番だと感じます
①巡礼路の混雑度で選ぶ
スペイン巡礼路のルートの中で「混雑する道」として知られているのが、フランス人の道。
フランス人の道を除いた他のルートは、それぞれ巡礼者の数は異なりますが、いずれも混雑とは無縁のルートです。
巡礼者の多さが直接巡礼に関わってくる大きな点のひとつが、巡礼者用の宿アルベルゲ。
フランス人の道は巡礼者用の宿が充実しているルートではありますが、ピークシーズンには巡礼者の数がとても多く、ベッドを確保するための争奪戦のようになることもあります。
宿を確保するために夜明けや早朝から歩くことが必要になることも珍しくありません。
安い宿は特に需要が多いため、すぐに埋まるのがフランス人の道です。
ゆったりと歩きたい方は、6月後半〜8月のピークシーズンを避ける、安い宿にこだわらない、一般の宿泊施設も視野に入れることで自分のペースで歩くことができます。
また「道が混雑する」という言葉が使われるほど巡礼者の数が多いため、ワイワイ賑やかな雰囲気が強いのもフランス人の道の特徴です。
他の巡礼路がお気に入りのバーで過ごすのんびりとした時間なら、フランス人の道は大衆居酒屋のような雰囲気の違いがあります。
他の巡礼路はより特化した印象があるのに比べ、フランス人の道は多くの人を受け入れるスペイン巡礼の入り口のよう。
賑やかさは他の巡礼路にはない、フランス人の道ならではの特徴です。
②難易度で選ぶ
- 初心者やはじめての方が歩きやすい巡礼路
-
フランス人の道/ポルトガル海岸の道
- 中級者以上に向いている道
-
北の道/プリミティボの道/銀の道/サナブレスの道
スペイン巡礼のルートの難易度は、大きく2つの要素で決められます。
ひとつは、アップダウンや峠越えがある、平坦で歩きやすい道が多いなどの巡礼路のコンディション。
シンプルにその道の歩きやすさによって変わってきます。
ふたつめは、巡礼宿アルベルゲや飲食店の充実度といった道のコンディション以外の要素です。
アルベルゲの数が少ない巡礼路では、宿に合わせて歩くことが必要になり、経験からくる感覚や時には長い距離を歩くことが必要になります。
はじめてスペイン巡礼する方が歩きやすい巡礼路
初心者の方や、はじめてスペイン巡礼路する方が歩きやすいルートはフランス人の道とポルトガル海岸の道です。
どちらのルートも、巡礼者宿アルベルゲや道順を示すサインがとても充実しています。
また頻繁に街があったり、バルや飲食店も充実しているため、ご自身のカミーノのペースや感覚がわからない状態でも安心して楽しむことができる環境がしっかりと整備されています。
ポルトガル海岸の道は、巡礼路全体を通して平坦で歩きやすい道がほどんどで、激しいアップダウンはほとんどありません。
約2週間ほどで歩くことができる比較的短い巡礼路でありながら、ポルトガルとスペインの2カ国を楽しむことができ、海と山、街と自然とひとつの巡礼路で多くを楽しめるカミーノの魅力がぎゅっと詰まったルートです。
中級者以上に向いている巡礼路
北の道、プリミティボの道、銀の道、サナブレスの道は中級者以上に向いている巡礼路と言われています。
プリミティボの道とサナブレスの道は、山間部や山岳地帯を通ることが多く峠越えや激しいアップダウンが多いため中級者以上に向いている道として知られています。
銀の道は、非常に強い日差しが照りつける気候が大きな特徴で、バルや飲食店、そして日差しを遮るものがない道を長い区間歩くことから上級者向けのルートとも言われます。
北の道は、前半に大きなアップダウンが続くことから中級者向けの巡礼路と言われますが、実際に歩いてみた体感では、個人的にははじめてのスペイン巡礼でも楽しめるルートだと感じました。
あくまで巡礼路の難易度は一般的に言われているものなので、個人の経験や感覚によって変わってきます。
スペイン巡礼の巡礼路は、難易度が高いものでも難所や技術が必要な箇所はなく、カミーノの良さである「普通の人の道」であることには変わりありません。
スペイン巡礼の難易度は、アップダウンなどの道そのものよりも、巡礼宿や飲食店の充実度や天候によるものが大きい印象です。
そのため、中級者以上向きと言われる巡礼路は、休憩するタイミングや歩き方などカミーノを体験してみて感じることができる感覚を知ってからだと、さらに楽しむことができるようにも思います。
北の道に関しては、初日にハードなステージがあったり、連日アップダウンが続くものの、その区間は巡礼者宿も多く、街も頻繁に通過します。
カミーノの感覚を掴むまでは、事前にルート情報をチェックし、適度な距離で宿に泊まったり休憩しながら歩くことで初心者でも楽しむことができる巡礼路です。
③所要日数で選ぶ
- イギリス人の道:約5日
- ポルトガル海岸の道:約13日
- サナブレスの道:約13日
- プリミティボの道:約14日
- ポルトガルの道:約25日
- フランス人の道:約33日
- 北の道:約34日
- 銀の道:約36日
上記のリストは、スペイン巡礼の主要な8ルートを所要日数が短い順に並べています。
最も有名なフランス人の道は、総距離764km、およそ33日間で歩くことができます。
社会人でも1週間以内で巡礼できるルート
主要な8つのルートの中で最も総距離の短いルートがイギリス人の道。
イギリス人の道のスタート地点は2箇所あり、5日間または4日間の日程で、長期の休みを取りにくい環境にある方でも、ルートの全てを巡礼することができます。
スタート地点:フェロールの場合
約5日間 / 119km
スタート地点:ア・コルーニャの場合
約4日間 / 72km
巡礼証明書を発行してもらえる条件は、徒歩の場合サンティアゴ・デ・コンポステーラから起算して100km以上巡礼することであるため、ア・コルーニャからの巡礼では巡礼証明書の発行はありません。
④巡礼路の特徴で選ぶ
- 海岸線を歩く巡礼路
-
ポルトガル海岸の道/北の道
- ポルトガルとスペインの2カ国を楽しめる巡礼路
-
ポルトガル海岸の道/ポルトガルの道
- スペインを横断するルート
-
フランス人の道/北の道
- スペインを縦断するルート
-
銀の道
- 山岳地帯を楽しめるルート
-
プリミティボの道/サナブレスの道
スペイン巡礼の主要な8つのルートは、歩く地域も巡礼中に目にする風景も全く異なり、それぞれそのルートならではの魅力があります。
スペインを縦断、横断するルートは南から北へ、東から西へとスペインの広大な土地を進み、まるで沖縄から北海道へと旅するように、グラデーションのように変わっていく土地の風景や文化を楽しむことができます。
山岳地帯を歩くルートでは、人里離れた山間部を歩き、自然の中に身を置きながら冒険的な要素も楽しむことができます。
海岸線を歩くルートでは、巡礼路の多くの区間を海を眺めながら歩き、海沿いのならではの開放的な港町やローカルなビーチを楽しめます。
美しい海と大地が彩る草木の色彩のコンビネーションはあまりに美しく、自然の豊かさをこれでもかと味わうことができます。
スペイン巡礼では平均1時間に4km歩くことができる
スペイン巡礼では、平均して1時間に4km歩くことができます。
当ブログでは、1日に20〜25km歩くことを想定した日程をご紹介していますす。
スペイン巡礼で1日どれくらい歩くのかは、体力や経験など人によって違うので一概には言えませんが、ガイドブックや各ウェブサイトでも同じような想定距離のものが一般的です。
バックパックを背負って長い距離を歩くことに慣れていない方は、一般的に20kmを超えると疲れを感じやすくなります。
無理なく巡礼を楽しみたい方は1日20km、ゆったりとした巡礼を楽しみたい方は、1日15〜18km、体力に自信のある方は、1日25km〜で計算してみるのもおすすめです。
とはいえ、当ブログやスペイン巡礼に関する情報の平均所要日数は、ステージの歩きやすさや、宿のある場所など、単純な距離だけでなく巡礼路のコンディションも加味して計算されているため、そのまま参考にしていただいてももちろん大丈夫ですよ。
個人的には平均して1日約23kmくらいのペースで歩いていました
もっと歩こうと思えば歩けますが、このペースで歩くと、朝8時頃出発して、途中で休憩を挟み、15〜16時頃宿に到着し、急いで歩かずともその町を観光する余裕を持てる歩き方です。
夕方、もしくはもう少し早くその日の目的地に着くことができるので、町を観光する時間と体力を持つことができます。
同じルートを歩いていた人に何度も会うこともあり、このくらいのペースで歩く人が多いようです。
町の観光をせず、サンティアゴ・デ・コンポステーラに着くことを最優先に巡礼している方は1日40km以上歩く人もいましたよ。
【日程を組むときの注意点】巡礼者ミサに参加する場合はプラス1日必要
スペイン巡礼の日程を組むときに、巡礼に必要な日数プラス1日で日程を組むのがおすすめです。
スペイン巡礼の目的地であるサンティアゴ・デ・コンポステーラのサンティアゴ大聖堂では、毎日正午に巡礼者のためのミサが行われます。
正午までにサンティアゴ・デ・コンポステーラに到着しない場合も多いので、ミサに参加したい方は巡礼に必要な日数プラス1日を見ておくと安心です。
ミサでは、その日に到着した巡礼者全員の国名が読み上げられます。
巡礼証明書を発行してもらいたい方は、ミサに参加する日の午前中に巡礼証明書を発行してもらうと、その日のミサでご自身の国名を読んでもらうことができますよ。
また、巡礼証明書の発行は、整理券をもらって番号順に呼ばれる仕組みです。
多くの場合は到着した当日に証明書をもらうことができますが、混雑時には待ち時間が長くなることもありますので、巡礼証明書を発行してもらう面でもプラス1日見ておくと安心です。
スペイン巡礼は分割して歩くことも途中からスタートすることも可能
スペイン巡礼は、必ずしも各ルートのスタート地点からサンティアゴ・デ・コンポステーラまで一度に歩く必要はありません。
日程や体力に合わせて分割して歩くことも可能です。
特にフランス人の道のように総距離の長いルートは3分割して休暇のたびに巡礼を進める方法も一般的です。
また、各ルートの途中からスタートすることも可能で、歩き始める場所も、一度の巡礼で歩く区間も、すべて個人の自由です。
分割して巡礼をする方も、巡礼手帳に前回の続きからスタンプを押してもらうことで、ひとつの巡礼路全てを歩いたことになります。
もちろん、巡礼証明書も発行してもらうことができますよ。
サンティアゴ・デ・コンポステーラまで100km地点からの巡礼
巡礼証明書の発行条件は、サンティアゴ・デ・コンポステーラから起算して100km以上の地点から歩くことが条件です。
そのため、各巡礼路のサンティアゴ・デ・コンポステーラから100km地点の町から巡礼をスタートする方法も一般的です。
自転車の場合はサンティアゴ・デ・コンポステーラから200km以上の巡礼をすると、巡礼証明書を発行してもらうことができます。
【フランス人の道】Sarriaサリア
【ポルトガルの道】Tuiトゥイ
【ポルトガル海岸の道】Caminhaカミニャ
【北の道】Baamondeバーモンデ
【プリミティボの道】Lugoルーゴ
【サナブレスの道】Ourenseオーレンセ
【スペイン巡礼】所要日数とルートの選び方【カミーノ】まとめ
スペイン巡礼の主要な8つのルートは、総距離や所要日数だけでなく、巡礼で通過する地方が全く異なります。
景色や食、文化や雰囲気などどの巡礼路でも、ルートならではの魅力をたっぷりと楽しむことができます。
ぜひあなたにぴったりのルートを選んでみてくださいね!
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは、イギリス人の道は2度歩きました。距離は勘違いしてるかも知れないので、再考した方が良いと思いますよ。
おくさま
コメント、ご指摘ありがとうございます!!
距離勘違いしておりました、、、修正いたしました。
フェロールとコルーニャからスタートされたのでしょうか?
カミーノ好きの方にコメントいただけて嬉しいです。