【スペイン巡礼の道】サンティアゴまでの全11ルートを解説【カミーノ】


スペイン巡礼の巡礼路、全11ルートについて解説します。

スペイン巡礼の道で有名なのはフランス人の道ですが、スペイン巡礼のルートはそれだけではありません。

スペイン巡礼の道は、昔の人々がサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指し歩いた道。
各地から無数の巡礼路が存在します。

現代では、スペイン巡礼の道の主要なルートとして全部で11の道が存在します。


総距離や地方、景色も全く異なるスペイン巡礼の全11ルートを解説します。

目次

【スペイン巡礼の道】サンティアゴまでの11のルートを解説【カミーノ】



【フランス人の道】最も有名で人気のあるルート|764km / 約33日間

【ポルトガルの道】ポルトガルを縦断するルート|625km / 約25日間

【ポルトガル海岸の道】海岸線を歩く初心者におすすめのルート|266km / 約13日間

【北の道】海岸線を歩く最も景観の美しいルート|824km / 約34日間

【プリミティポの道】難易度の高い上級者向けのルート|313km / 約14日間

【イギリス人の道】最も総距離の短いルート|119km / 約6日間

【冬の道】ガリシア州全4県を歩く世俗を離れたルート|263km / 約10日間

【サナブレスの道】歴史の古いルート|369km / 約13日間

【銀の道】最も総距離の長いルート|970km / 約36日間

【アラゴンの道】巡礼者の少ない冒険的なルート|879km / 約34日間

【バスクの道】中世に最も重要だったルート|753km / 約32日間


【フランス人の道】最も有名で人気のあるルート


( 画像参考元:https://www.pilgrim.es/ja/


スペイン巡礼で最も有名で巡礼者が多いのがフランス人の道です。

スペイン巡礼を一躍有名にしたパウロ・コエーリョの小説「星の巡礼」や、映画「星の旅人たちで主人公たちが歩いたのもこのフランス人の道です。


フランス人の道
スタート地点:サン・ジャン・ピエ・ト・ポー(フランス)
総距離:764km
所要日数:約33日間


フランス人の道の特徴


フランス人の道は最も人気の高く巡礼者が多いルート。
そして最も巡礼路の道順を示すサインが充実していて整備されている道でもあります。


多くの巡礼者に出会える道ですが、人気が高いだけに夏のピークシーズンには混雑することもあります。

巡礼者が多くなる時期の混雑は道だけでなく、巡礼者用の宿泊施設が満室になることも多く、宿を確保するために急いで歩かなければいけないこともあります。

ピーク時には夜明けから歩き始め、宿を確保する競争のようになっているのが現状です。




スタート地点のフランスに位置するサン・ジャン・ピエ・ド・ポーから出発する場合、フランスとスペインの国境沿いにあるピレネー山脈の峠越えから始まります。

フランス人の道の初日に峠越えがあるため、より過酷さを感じやすいです。


峠越えを避けたい人は、起点から24km地点にあるロンセスバジェス(Roncesvalles)からスタートする手段もあります。
ロンセスバジェスから始める場合はピレネー山脈を超えた地点のため峠越えがありません。

フランス人の道の見どころ


フランス人の道は北スペインを縦断します。
広大なスペインを横切りながら異なるスペインの風景を堪能できる道。

カタルーニャ州から始まり、アラゴン州、カスティーリャ・イ・レオン州を通過しガリシア州へ。

ゴシックやロマネスク様式の教会や広大な乾燥高原など歴史と自然を感じながら歩きます。

レオンの大聖堂も大きな見どころの一つ。

高低差が激しい区間がありますが広大な草原の中を歩きます。


【ポルトガルの道】ポルトガルを縦断するルート



ポルトガルの道はリスボンを起点にポルトガルを縦断しスペインに入るルートです。

ポルトガルの道
スタート地点:リスボン(ポルトガル)
総距離:625km
所要日数:約25日間


ポルトガルの道の特徴


ポルトガル人の道は、ポルトガルのリスボンから始まり人気都市ポルトを通過してスペインのガリシア州に入ります。


ポルトからサンティアゴ・デ・コンポステーラまでは巡礼者用の宿泊施設が充実していますが、リスボンからポルト間は宿泊施設の数は多くありません。

ポルトガル人の道を歩いた巡礼者の話によると、アルベルゲの数が少なくどこもいっぱいで、野宿したこともあったそうです。

ポルトガル人の道を歩く場合は、アルベルゲの位置や状況を把握しておくのがおすすめです。


ポルトガル人の道の見どころ


ポルトガルとスペイン、二つの国を楽しめることはポルトガル人の道の大きな魅力です。

リスボン、コインブラ、ポルトとポルトガルの主要都市を通過します。

ポルトからはポルトガル海岸の道を歩くこともできます。



【ポルトガル海岸の道】海岸線を歩く初心者におすすめのルート



ポルトガル海岸の道はその名の通り海岸線に沿って歩く道。美しい大西洋を望みながら歩きます。

ポルトガルとスペインの二カ国を楽しむことができ、平坦な区間が多く初心者でも歩きやすいルートです。

ポルトガル海岸の道
スタート地点:ポルト(ポルトガル)
総距離:266km
所要日数:約13日間


ポルトガル海岸の道の特徴


全体的に平坦な道が多く初心者でも歩きやすいのがポルトガル海岸の道です。

多くの道が整備されていて巡礼者用の宿泊施設や道順を示すサインも充実しています。

時折アップダウンはありますが、過酷な高低差はありません。

一日のルートのどこかで町があるので食料や飲料を気にせずに歩くことができます。
初めてのカミーノにもオススメのルートです。

ポルトガル海岸の道の見どころ


ポルトガル海岸の道の最大の魅力は広大な大西洋を眺めながら歩くことです。

多くの区間を海岸に沿って歩くこのルートでは、毎日表情の変わる大西洋を見ながら歩き、一日の終わりには水平線に沈む夕日を眺める極上の時間を過ごすことができます。


また北ポルトガルとスペインのガリシア地方と二つの国を楽しめるのも魅力的。

ポルトガルとスペイン、海と山、いろいろな意味で二度美味しいルートです。





 ポルトガル海岸の道の詳細

2019年にポルトガル海岸の道を歩いた実体験をもとに、より詳しく解説しています。

>> ポルトガル海岸の道の詳細はこちら




【北の道】海岸線を歩く最も景観の美しいルート



北の道は、カンタブリア海に沿って歩く海やビーチを楽しめるルート。また北スペインならではの緑豊かな自然も楽しむことができます。

北の道
スタート地点:イルン(スペイン)
総距離:824km
所要日数:約34日間


北の道の特徴


北の道はスペインとフランスの国境沿いの町イルンを起点に、北スペインを4州にまたがって横断するルートです。



序盤のバスク州では激しいアップダウンが多く、特に一日目はハードな山越えから始まります。バスク州を超えると平坦な道が続きます。

一日のどこかで宿泊施設はありますが、そこまで数は多くないので事前に電話等で空き状況を確認するのがオススメです。

ルートの一部に車道の脇を歩くなど、車に注意しながら歩く区間があります。

北の道の見どころ


スペイン巡礼路の中で最も景観の美しいルートと言われています。

カンタブリア海に沿って歩く北の道は壮大な海を望むことができ、美しいビーチも通過します。



北の道の魅力は海だけでなく、緑豊かな自然も楽しむことができます。

北スペインはスペインの中でも降水量の多い場所で、雨がもたらす恵みによる緑々とした美しい自然の中を歩きます。



巡礼路は美食で有名なバスク州に始まり、カンタブリア州、アストゥリアス州を通過し、サンティアゴのあるガリシア州へと入ります。それぞれの州の異なる食文化やお酒、変わっていく風景が待っています。









 北の道の詳細

2021年に北の道を歩いた実体験をもとに、より詳しく解説しています。

>> 北の道の詳細はこちら


【プリミティボの道】難易度の高い上級者向けのルート



プリミティポの道は主要なスペイン巡礼路全11ルートの中で最も難易度の高いルートです。

プリミディボの道
スタート地点:オビエド(スペイン)
総距離:313km
所要日数:約14日間



260km地点のメリデ(Melide)からフランス人の道に合流し、残りの55kmはフランス人の道を歩きます。


プリミディボの道の特徴


アップダウンが多く、パロ峠の困難な上り坂を歩くため上級者向けの巡礼路です。
また巡礼者の用の宿泊施設も少ないのが特徴です。

雨の多い地域でもあり、ぬかるみができやすい道も多いルートです。


プリミディボの道を歩いた人の話によると、巡礼者が少なく孤独な道だそうです。一日のうち誰にも会わず、宿では自分だけということもあったと言います。

また食料を買える場所がない区間もあり、事前に水と食料の準備をしっかりすると良いとのことです。


プリミディボの道の見どころ


北スペインのアストゥリアス州とガリシア州を楽しめるルートです。
アストゥリアスとガリシアの州境の山間部を通り、人里離れた緑豊かな自然の中を歩きます。

オビエドやルーゴなど北スペインを代表する都市も通過します。

【イギリス人の道】最も総距離の短いルート



イギリス人の道は全11のスペイン巡礼路の中で最も短いルートです。

イギリス人の道の出発地点はフェロールとア・コルーニャの2つの起点があります。

イギリス人の道
スタート地点:フェロール(スペイン) 
総距離:119km
所要日数:約6日間

スタート地点:コルーニャ(スペイン) 
総距離:74km
所要日数:約3日間


サンティアゴ・デ・コンポステーラまで残り41kmのブルマ(Bruma)で二つの出発点の道が合流します。


イギリス人の道の特徴


巡礼路の中で最も総距離の短いイギリス人の道は、短い日程でルートの全行程を歩きたいという方におすすめです。


11世紀、十字軍やテンプル騎士団がエルサレムへ向かう途中にサンティアゴへ巡礼し、聖地エルサレムまでの安全を祈願したと言われていますが、その際に彼らはア・コルーニャからサンティアゴを目指したと伝えられています。


行程は短いですが公共の巡礼者用の宿泊施設が5つしかないため、
事前に宿泊施設についてリサーチしておく必要があります。
ピーク時には宿を確保するのが難しいこともあります。

フェロールやア・コルーニャ付近では巡礼路を示すサインは多くありません。

イギリス人の道の見どころ


歴史的な建造物の他、多くの区間で自然を楽しめます。

緑の中をのんびりと歩くことのできるルートです。


【冬の道】ガリシア州全4県を歩く世俗を離れたルート



冬の道は世俗を離れ、ひと気のない道を歩くルートです。

冬の道
スタート地点:ポンフェラーダ(スペイン) 
総距離:263km
所要日数:約10日間



サンティアゴ・デ・コンポステーラまで残り51km地点のア・ラシェ(A Laxe)からサナブレスの道に合流します。


冬の道の特徴


冬の道はその昔、冬に巡礼をしていた人々が雪や冬の寒さを避けてより安全に簡単にサンティアゴ・デ・コンポステーラへと行く道はないかと選んだルートです。

ガリシア州の南側を通り、冬でもより安全に歩くことのできるルートなため冬の道と名付けられました。


冬の道の巡礼者のための案内所に立ち寄った際に伺った情報では、宿泊施設の数が少なく、時には30キロにわたり宿がない区間があるとのことです。

冬の道の見どころ


スペイン巡礼路の全11ルートのうち、唯一ガリシア州内の4県を全て通るルートです。
ガリシア州を様々な面を堪能できます。

サン・ビセンテ・ド・ピノ修道院といった歴史遺産やラス・メドゥラスやコウレル山脈などの自然の風景を同時に楽しむことができます。

冬にも歩くことができますが、春には緑豊かな自然の風景が広がります。

歴史的な遺産が多いルートでもあります。


【サナブレスの道】歴史の古いルート



サナブレスの道はスペイン巡礼路の中で歴史の古い巡礼路の一つです。

サナブレスの道
スタート地点:グランハ・デ・モレルエラ(スペイン) 
総距離:369km
日数:13日間



サナブレスの道の特徴


サナブレスの道はその昔、スペイン巡礼者だけでなく多くの旅人や商人が通った道でもあります。


起点であるグランハ・デ・ラ・モレルエラにはイベリア半島で最初に建てられた修道院があり、昔はサンティアゴ・デ・モレルエラと呼ばれていました。

サナブレスの道の見どころ


山間地を通るため多くの自然の中を歩くことができるルートです。

また歴史的な遺産も多く残っているルートでモンテレイ城やベナベンテ伯城を見ることができます。


【銀の道】最も総距離の長いルート



銀の道は全スペイン巡礼路のうち最も距離の長いルートです。アンダルシア州から北上しスペインを縦断します。

銀の道
スタート地点:セビリア(スペイン) 
総距離:970km
所要日数:約36日間



出発点のセビリアから614km地点のグランハ・デ・ラ・モレルエラ(Granja de la Moreruela)でサナブレスの道に合流するか、その先のアルトルガ(Astorga)でフランス人の道に合流します。

銀の道の特徴


巡礼路を示すサインが整備されていますが、日陰のない区間が多いので暑い日には過酷さを感じるルートです。

その強烈な暑さのため夏の巡礼は危険で、銀の道の巡礼は4月から歩き始めるのがベストです。

銀の道の見どころ


スペインの南に位置するアンダルシア地方から北上しながらスペインを縦断します。

南から北に向かうにつれ全く違う景色や文化の変化を楽しむことができます。


【アラゴンの道】巡礼者の少ない冒険的なルート



アラゴンの道は最もひと気の少ないルートの一つです。

アラゴンの道
スタート地点:ソンポール(スペイン) 
総距離:879km
所要日数:約34日間



ソンポールから205km地点のプエンテ・ラ・レイナでフランス人の道に合流します。

アラゴンの道の特徴


ソンポールでフランス人の道に合流するまでは、最も巡礼者が少なくひと気のないルートの一つです。

標識や整備も整っておらず、標高が高く11月〜5月という長い期間に雪が降る道を通ります。


巡礼者用の宿泊施設も少なく、冒険的要素の強い上級者向けのルートです。


アラゴンの道の見どころ


森林や自然の中を通り、大きな森や広大な牧草地を歩きます。
フランス人の道に合流するまでの多くの区間をアラゴン川に沿って歩き、周辺にある美しい村を通ります。



【バスクの道】中世に最も重要だったルート



バスクの道は全く異なる2つの景色を楽しむことのできるルートです。

バスクの道
スタート地点:イルン(スペイン) 

ブルゴス経由
総距離:734km
所要日数:約33日間

サンド・ドミンゴ経由
総距離:753km
所要日数:約32日間



148km地点のラ・プエブラ・デ・アルガンソン(La Puebla de Arganzón)に分岐点があります。
どちらの道もフランス人の道に合流し、ブルゴス経由、またはサンド・ドミンゴ経由があります。

起点から252km地点のブルゴスでフランス人の道に合流するルート、
起点から199km地点のサンド・ドミンゴでフランス人の道に合流するルートです。

ブルゴス経由の方が距離が短いのにも関わらず日数が長くなっていますが、区間により一日に歩く距離が違うためです。


バスクの道の特徴


ギプスコア県とアラバ県の県境にある巨大な岩壁を横断するルートです。
10〜12世紀にはスペイン巡礼で最も重要な道でした。


バスクの道の見どころ


アイスコリ山脈を境に、植物や気候、山の起伏といった自然的要素、
建築様式の面でも全く異なる2つの景色を楽しむことができます。

バスク地方の象徴的な風景であるアイスコリ山塊や、水の浸食によってできた天然の岩のサン・アドリアン・トンネルを通ります。


【スペイン巡礼の道】サンティアゴまでの全11ルートを解説【カミーノ】まとめ



それぞれのルートで歩く地方も、見る景色も文化も全く異なる11の巡礼路。

日程で選ぶもよし、景色で選ぶもよし、
あなたの最もわくわくするルートを探してみてください!


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