一生に一度は歩きたい!キリスト教三大聖地巡礼路
本記事では、キリスト教の三大聖地巡礼路をご紹介します。
キリスト教の三大聖地は、バチカン市国、エルサレム、そしてサンティアゴ・デ・コンポステーラ。
サンティアゴ・デ・コンポステーラは日本人にはあまり聞き慣れない場所かも知れませんが、スペインに位置しています。
簡単にキリスト教の三大聖地としてご紹介しますが、キリスト教は大きくカトリック、プロテスタント、正教会の3つに分けられ、今回ご紹介するのはカトリックの三大聖地巡礼路です。
3つの聖地には、その場所へと向かう巡礼路が存在します。
巡礼路とは、聖地への参拝を目的とし各地からその場所を目指して歩いた道のこと。
現代では、交通機関が発達し必ずしも歩く必要はありませんが、昔は電車やバスといった便利な乗り物がなかったため歩いて巡礼していました。
もともとは、宗教的な意味をもって聖地を訪れるのが巡礼でしたが、現代では宗教に関わらず、自分自身の楽しみのために歩くことができるロングトレイルとしても多くの人々に愛されています。
三大聖地巡礼路の代表であるサンティアゴ・デ・コンポステーラへと続く巡礼路をはじめ、バチカン市国へ続く巡礼路、エルサレムへと続く巡礼路をご紹介します。
一生に一度は歩きたい!キリスト教三大聖地巡礼路
- Camino de Santiago
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名称 カミーノ
スペイン巡礼
サンティアゴ巡礼
カミーノ・デ・サンティアゴ出発地 ヨーロッパ各地 目的地 サンティアゴ・デ・コンポステーラ(スペイン) 総距離 764km(フランス人の道) - Via Francigene
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名称 ローマ巡礼
ヴィア・フランチジェナ出発地 カンタベリー(イギリス) 目的地 バチカン市国 総距離 2000km - Jerusalem way
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名称 エルサレム巡礼
エルサレムの道出発地 フィステーラ(スペイン) 目的地 エルサレム 総距離 7500km
こうして巡礼路の名を書いているだけでもワクワクが止まりません!
それでは、キリスト教三大聖地へと続く3つの巡礼路についてご紹介します。
【Camino de Santiagoカミーノ・スペイン巡礼】サンティアゴ・デ・コンポステーラ
キリスト教三大聖地のひとつ、スペインに位置するサンティアゴ・デ・コンポステーラ。
サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の道はカミーノ・デ・サンティアゴCamino de Santiagoと呼ばれます。
「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」のサンティアゴとはスペイン語で聖ヤコブを意味し、コンポステーラとは星の野原を意味します。
カミーノ・デ・サンティアゴを題材とした有名な映画「星の旅人たち」や、パウロ・コエーリョの小説「星の巡礼」など星はスペイン巡礼を表すキーワードになっています。
カミーノ・デ・サンティアゴ、通称スペイン巡礼の巡礼路は、スペインに位置するサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指しヨーロッパ各地から人々が巡礼するため、スペイン国内や隣国のポルトガルやフランス、そしてスカンジナビア半島やドイツ、オーストリアといったヨーロッパ各地から無数の巡礼路が存在します。
その中でも、巡礼する人の数が特に多い主要な8つの巡礼路があります。
主要な8つの巡礼路は、巡礼者用の宿泊施設や道順を示すサインが整備され、情報も多く巡礼しやすい環境が整っている巡礼路です。
特に宿泊施設が充実しており、テント不要で巡礼できることはカミーノ・デ・サンティアゴの大きな魅力のひとつです。
8つの巡礼路の中でも、最も人気で有名な巡礼路がフランス人の道。
スペイン巡礼の代表する巡礼路で、その道自体が世界遺産に登録されています。
フランス人の道は、フランスのサンジャンピエドポーから始まる764kmの巡礼路。
およそ33日間で歩くことができる巡礼路です。
実体験では、カミーノ・デ・サンティアゴの3つの巡礼路を歩きました
私自身は無宗教で、好奇心や自分自身の楽しみのために歩いています。
巡礼路で出会った人々の多くは、宗教的な意味以外の目的で歩いており、「一度歩いたら必ずまた歩きたくなる」という言葉があるほど、魅力的な巡礼路です。
【Via Francigenaヴィア・フランチジェナ・ローマ巡礼】バチカン市国
キリスト教三大聖地のひとつ、バチカン市国。
バチカン市国への巡礼の道はヴィア・フランチジェナVia Francigenaと呼ばれます。
バチカン市国は、イタリアの首都ローマの中にある国家で、ローマ・カトリックの総本山。
ヴィア・フランチジェナ、通称ローマ巡礼と呼ばれる巡礼路はキリストの弟子である聖ペドロのお墓へと続く道です。
サンピエトロ大聖堂という有名な建物がバチカン市国にあり、サンピエトロとは聖ペドロを意味し、サンピエトロ大聖堂は聖ペドロのお墓として建てられました。
ヴィア・フランチジェナはイギリスのカンタベリーから、イタリアの首都ローマの中にあるバチカン市国へと続く巡礼路。
総距離は約2000km。
イギリスから始まり、フランス、スイスを通過しイタリアへと向かう、4つの国を通過する巡礼路です。
ヴィア・フランチジェナの公式サイトでは、カンタベリーからローマまで全行程のGPSルートと宿泊施設情報を得ることができます。
Gronzeというカミーノ・デ・サンティアゴの宿泊施設情報に特化したWebサイトがあり、スイスのローザンヌLausanne以降の宿泊施設はGronzeにも情報が掲載されています。
イタリア国内に入ると、巡礼者のための寄付制の宿泊施設や安価な宿が充実しています。
イギリスからフランス、スイスまでは寄付制の宿泊施設やドミトリーなどの安価な宿泊施設は少ないため、ホテルやゲストハウスなどの一般的な個室の宿泊施設に泊まることも多くなります。
基本的にテント不要で巡礼が可能ですが、旅の予算がある方は寄付制の宿泊施設や安価な宿が少ないフランス国内ではテントを利用するのもひとつの選択肢です。
【Jerusalem wayエルサレムの道】エルサレム
キリスト教三大聖地のひとつ、エルサレム。
エルサレムへの巡礼の道はエルサレムの道Jerusalem wayと呼ばれます。
エルサレムはイエス・キリストが十字架にかけられ復活したと言われている場所。
総距離は7500kmで世界で最も長い巡礼路です。
エルサレムの道の始まりは、スペインに位置するフィステーラ。
スペインに始まり、フランス、スイス、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、クロアチア、セルビア、コソボ、マケドニア、ギリシャ、トルコ、シリア、ヨルダン、そしてイルラエルと15カ国に渡る巡礼の道です。
フィステーラはユーラシア大陸の最西部に位置し、はるか昔には大陸の終わりであることから「世界の終わり」、「世界の果て」と信じられていました。
スペイン巡礼でサンティアゴ・デ・コンポステーラに到着した後に目指す最終目的地としても知られています。
フィステーラの道と呼ばれる巡礼路を歩いて感じたのは、世界の果てと呼ばれる断崖絶壁の岬から望む夕陽の美しさと海の壮大さ、そしてひとつの旅が終わり新たな旅が始まる喜び。
そんなフィステーラを出発点に始まるエルサレムの道は、フランスに位置するル・ピュイまではスペイン巡礼の巡礼路と重なっています。
出発地のフィステーラからハンガリーのブダペストまでのGPSマップはエルサレムの道公式サイトにて無料でダウンロードできます。
ブダペストからエルサレムまでは、シリアを除いて公式サイトにてGPSマップを有料でダウンロードできます。
エルサレムの道の全行程のうちシリアが抜けていますが、情勢事情もあり公式サイトでもシリアのGPSマップは現在掲載されていません。
ル・ピュイ以降のエルサレムの道は、宿泊施設が整備されていないため、テント泊もしくは、宿まで公共交通機関を使うことが必要な区間が多くあります。
公式サイトではシリアを除く全行程のGPSマップを購入でき、専用のアプリで閲覧すると宿泊施設情報も表示され、随時アップデートされています。
とはいえ、宿泊施設情報については、ご自身でのリサーチが必要な巡礼路です。
【Jesus Trailジーザストレイル】カペナウム
最後に三大聖地巡礼路ではありませんが、イエスに所縁のあるトレイルをもうひとつご紹介します。
ジーザストレイルJesus Trailと呼ばれるこの道は、イスラエルにある約65kmの巡礼路。
イエスが幼少期から30歳ごろまで過ごしたナザレをスタート地点に、目的地カペナウムへと向かう巡礼路です。
ガリラヤ湖の北西岸にあるカペナウムはイエスが拠点としていた町と言われ、現代では遺跡が残っています。
ジーザストレイルはイエスが歩いたと言われている道で、2007年に整備されトレイルとして楽しめるようになった巡礼路です。
ロングトレイルとしての三大聖地巡礼路
キリスト教の3つの聖地へ訪れることを目的とした巡礼路ですが、宗教的な意味で巡礼する人のみならず、現代では自分自身の楽しみのために歩くロングトレイルとしての側面も持つ巡礼路。
特に最も巡礼者の多いサンティアゴ・デ・コンポステーラを目的地としたカミーノ・デ・サンティアゴは、宿泊施設が非常に充実していて、世界で最も歩きやすいロングトレイルです。
巡礼路を歩くことは人生そのもののようで、目的地に着くことよりも、その旅自体が喜びであり楽しさで溢れていることを感じることができます。
「いつか歩いてみたい」、「近いうちに歩いてみたい」、そんな巡礼路に出会える喜びを感じていただけたら嬉しいです。
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