【スペイン巡礼】巡礼者用の宿泊施設アルベルゲを解説【カミーノ】
スペイン巡礼をする巡礼者のための宿泊施設アルベルゲについて解説します。
3つのスペイン巡礼路を歩き52ヶ所のアルべルゲに滞在した実体験をもとに、はじめてのスペイン巡礼で知りたいアルベルゲの情報をまとめました。
【スペイン巡礼】巡礼者用の宿泊施設アルベルゲを解説【カミーノ】
アルベルゲAlbergueとは、スペイン巡礼をする巡礼者のための宿泊施設です。
多くのロングトレイルでは宿泊施設がないことが多くテントが必要ですが、スペイン巡礼においてはアルベルゲがあるおかげで、巡礼者はテント要らずの軽装備でサンティアゴを目指し巡礼できます。
アルベルゲには巡礼者であれば誰でも宿泊できます。
スペイン巡礼の道は、「誰でも歩ける普通の人の道」として知られ、サンティアゴ・デ・コンポステーラまで毎晩、屋根の下で安心して眠ることができるのも、多くの人がカミーノを楽しむことができる大きな理由のひとつです。
アルベルゲの種類
アルベルゲは大きく区分すると3種類に分けられます。
- 公営のアルベルゲ(教会や自治体などが運営)
- 民営のアルベルゲ(個人運営)
- ホステルやゲストハウスまたはホテル
巡礼する上でアルベルゲの種類を特に意識する必要はありません。
巡礼者であればどのアルベルゲにも宿泊できます。
とはいえ、各アルベルゲによって特徴や雰囲気が違うのでそれぞれ解説します。
公営のアルベルゲ
公営のアルベルゲは自治体や教会、修道院などが運営していて、巡礼者のみが宿泊できるアルベルゲです。
一般の人は宿泊できません。
部屋やサービスは、シンプルで必要最低限のものが置かれています。
公営アルベルゲの特徴は、教会や修道院など、普通の旅では宿泊できない場所で一夜を過ごす特別な経験ができます。
多くの教会や修道院では巡礼者のためにミサを開きお祈りしてくれます。
修道女たちがギター片手に歌ってくれたりとカミーノでしか味わえない体験ができます。
民営のアルベルゲ
民営のアルベルゲは、団体に所属していない個人の意思で、個人的に運営されているアルベルゲです。
オーナーのこだわりが溢れたアットホームで暖かな雰囲気のアルベルゲが多いのが特徴です。
オーナーの中にはスペイン巡礼にインスパイアされた元巡礼者もいて、自身がスペイン巡礼をしたのをきっかけにアルベルゲをオープンしたオーナーも多くいました。
またその内の多くの人は、スペイン巡礼だけでなく元旅人だったオーナーもいて、旅の話や人生観、スペイン巡礼の実体験を聞けるのも民営アルベルゲの魅力です。
ホステルやゲストハウスまたはホテル
こちらはアルベルゲではありませんが、ホステルやゲストハウスまたはホテルなどの一般の宿泊施設に泊まるのもひとつの方法です。
巡礼路によってはアルベルゲがない区間があることもあり、その場合は一般のホステルなどに泊まるのは宿を確保する上で安心できる選択肢です。
ホステルやゲストハウスは一般の人のお客さんもいるのでアルベルゲよりも多種多様な人がいます。
とはいえ、私も含め、多くの巡礼者は一般のホステルに泊まることも選択肢に入れていて、実際に巡礼路上のホステルは巡礼者で大半だったこともありました。
アルベルゲの料金
アルベルゲの料金システムは2種類あります。
- 無料のアルベルゲ(ドネーション制)
- 有料のアルベルゲ(あらかじめ一泊の値段が決まっている)
無料のアルベルゲ
無料のアルベルゲは厳密にはドネーション制(寄付制)です。
中身の見えない箱が置いてあり、各々任意の金額を入れます。
寄付は義務ではありませんが、基本的にみなさん寄付しています。
無料か有料かは個々の宿ごとに違いますが、教会や修道院など公営のアルベルゲは無料の場合が多いです。
民営のアルベルゲでも寄付制にしている宿も多くあります。
平均的に民営のアルベルゲの方がアットホームであったり満足度が高いため、していただいたサービスなどに見合った金額を寄付する人が多いです。
有料のアルベルゲ
無料でないアルベルゲはあらかじめ金額が決まっています。
料金の相場としては、
- 公営のアルベルゲ:6〜10ユーロ
- 民営のアルベルゲ:10〜18ユーロ
- 一般のホステル:13〜18ユーロ
という印象です。
公営と民営のアルベルゲでは、民営の方が価格が高いです。
公営アルベルゲは必要最低限でシンプルな宿が多く、民営アルベルゲはより清潔度が高く暖かな雰囲気のある宿が多いのが特徴です。
アルベルゲでの料金支払い方法
アルベルゲの宿泊には現金が必須です。
基本的にアルベルゲではカード決算はできませんので、スペイン巡礼では常に現金を持っておくことが大切です。
- 支払い方法は基本的に現金のみ
- 無料のアルベルゲでのドネーションに必要
支払い方法は基本的に現金のみ
公営アルベルゲの場合、ほぼ100%と言ってよいほど現金のみでしか支払いができません。
民営アルベルゲの場合は、たまにカード払いができるアルベルゲもありますが、52ヶ所のアルベルゲに宿泊した経験では、約8割は現金のみの印象です。
ホステルやゲストハウスなど巡礼者以外も宿泊できる一般的な宿泊施設はカード払いができます。
ドネーション制のアルベルゲ
寄付制のアルベルゲでドネーションするときは、当たり前ですが現金のみです。
お釣りもありませんので5ユーロ、10ユーロなどの紙幣を準備しておくと便利です。
アルベルゲを探す方法
アルベルゲを探すには3つの方法があります。
- スペイン巡礼アプリBuen Camino
- スペイン巡礼サイトGronze
- Booking.com
①スペイン巡礼アプリBuen Camino
アルベルゲの情報収集に最も便利なのがスペイン巡礼に特化した無料アプリ「 Buen Camino(ブエンカミーノ) 」。
このアプリで主要な巡礼路のアルベルゲ情報の9割を得ることができます。
- アルベルゲの位置
- アルベルゲが公営か民営か
- アルベルゲの料金
- 各アルベルゲの詳細情報(ベッドの数、食事の有無など)
アルベルゲの位置や料金など、アルベルゲに関しての情報を知ることができます。
これから通過する町や村にいくつアルベルゲがあるのか、今日歩くステージでいくつのアルベルゲがあるのかも知ることができるとても便利なアプリです。
アルベルゲの受付開始時間や、ベッドの数、食事の有無など、各アルベルゲの詳細情報も知ることができます。
さらにアルベルゲだけでなく、一般のホステルやゲストハウス、ホテルなど宿泊施設全般も情報も見ることができます。
>> Buen Camino(Apple版)はこちら
>> Buen Camino ( Android版 ) はこちら
②スペイン巡礼サイトGronze
Gronzeグロンゼはスペイン巡礼に特化したWebサイトです。
アプリBuen Caminoでアルベルゲ情報の9割を得ることができますが、GronzeはBuen Caminoを補完する意味で役立ちます。
- 予約の可否
- Buen Caminoの情報の照らし合わせ
Gronzeに乗っているアルベルゲ情報はBuen Caminoの情報とほとんど変わりませんが、Gronzeにしかない情報は、そのアルベルゲが予約ができるかを知ることができます。
たまに、Buen Caminoには載っていないアルベルゲがGronzeに載っていたり、その逆もあります。
とはいえ、フランス人の道など有名な巡礼路に関してはもともとアルベルゲの数が多いのでBuen Caminoだけで十分事足りますので、Gronzeは必要ありません。
Gronzeは、フランス人の道、ポルトガル海岸の道以外の巡礼路を歩く方におすすめです。
③Booking.com
Booking.comは旅や旅行好きな方ならおなじみの宿泊予約サイトです。
みなさんご存知の通り、スペイン巡礼のサイトではありませんが、ホステルやゲストハウスが乗っているのでスペイン巡礼中もとても重宝します。
また、民営アルベルゲの中には、Booking.comに掲載されている宿もあります。
「アルベルゲ以外には泊まらない」と決めている巡礼者以外は、一般のホステルを利用する巡礼者も多くいます。
Booking.comでは民営アルベルゲとホステルを一緒に探すことができるので、私の含めたくさんの巡礼者がBooking.comを利用しています。
アルベルゲは基本的に現金払いのみですが、Booking.comではカード決算ができることも使いやすいポイントです。(中には現地での現金払いのみの宿もあります。)
>> Booking.comのサイトはこちら
ちなみに、Booking.comで宿泊施設を予約するとき、ハピタスを経由してBooking.comを利用すると宿泊料金の5%のキャッシュバックがもらえます。
Booking.comを使うことの多いスペイン巡礼では結構お金が貯まるのでおすすめです。
気になる方はチェックしてみてくださいね。
巡礼路上のアルベルゲの充実度
はじめてスペイン巡礼をする時、
「どれくらい宿があるのか?」
気になりますよね。
1日20kmほど歩きたい方もいれば、1日30〜40kmほどの方、1日10kmほどでのんびり歩きたい方もいると思います。
また日によっても距離は変わってきます。
例えば1日10kmほど歩きたい時、10kmの区間内に宿があるかどうかがポイントになります。
巡礼路や区間によって異なりますが、アプリBuen CaminoやサイトGronzeを使って自分か歩きたい距離内にいくつ宿があるのか簡単に確認できます。
どれくらいの距離を歩きたいという目安のある方は調べてみるのもおすすめですよ。
アルベルゲの泊まり方
アルベルゲに予約は必要ありません。
直接アルベルゲに行き先着順で泊まることができます。
アルベルゲにベッドの空きがあれば泊まることができ、満室であれば次のアルベルゲに行く。
至ってシンプルです。
アルベルゲの受付開始は14〜15時からの場所が多く、場所によっては受付前にオープン待ちの列ができているケースもあります。
何時頃までにアルベルゲに行けばベッドに空きがあるのかは、巡礼路や区間ごとのアルベルゲの数、キャパシティ、また混雑具合にもよるので一概にはいえません。
平均的には16〜17時半くらいまでに行けば空いている印象です。
とはいえ、中にはすぐに満室になる場合もあれば、20時頃に着いても空いている場合もあるので、その時の混雑具合と場所に左右されます。
アルベルゲの予約
繰り返しになりますが、アルベルゲに予約は不要です。
とはいえ、アルベルゲを予約することも可能です。
公営アルベルゲは基本的に予約できませんが、民営アルベルゲの8〜9割は予約することができます。
予約は必須ではなく、フランス人の道やポルトガル海岸の道といったアルベルゲが多いルートでは、予約をしないで巡礼する人がほとんどです。
逆に予約をすると良い場合は、基本的にはアルベルゲの数が少ない巡礼路や区間を歩くとき。
実体験では北の道を歩いた時は区間によって予約しました。
いずれの場合も、予約は必要ではなく任意で予約もできるとお考えください。
アルベルゲの予約方法や、予約をするとスムーズな場面を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
アルベルゲに泊まるために必要なもの
アルベルゲに宿泊するために必要なものは以下のとおりです。
- クレデンシャル(巡礼手帳)
- パスポート
クレデンシャル
クレデンシャルとはスペイン巡礼者であることを証明をする巡礼手帳です。
アルベルゲに宿泊するときに受付でクレデンシャルの提示を求められます。
アルベルゲは一般の人は宿泊できず巡礼者のみ受け入れているため、クレデンシャルがないと宿泊できません。
スペイン巡礼者は巡礼を始める時にクレデンシャルを購入し、巡礼の間はずっと持ち歩きます。
クレデンシャルはスペイン巡礼者にとってパスポートと同じくらい大事なものです。
パスポート
身分証明書としてパスポートの提示も求められます。
クレデンシャルとパスポートはアルベルゲに泊まる度に必要なので、出し入れしやすい場所にしまっておくとスムーズです。
アルベルゲに宿泊して快適な巡礼を!
以上、はじめてのスペイン巡礼で知りたいアルベルゲの情報をまとめてみました。
アルベルゲに泊まることができるのはスペイン巡礼者の特権。
単に寝るためだけでなく他の巡礼者とのコニュニケーションの場でもあります。
アルベルゲで過ごす夜は素晴らしいスペイン巡礼の経験に繋がるはずです。
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