スペイン巡礼のアルベルゲQ&A|食事など疑問に全て答えます【カミーノ】
本記事では、スペイン巡礼をする巡礼者のための宿泊施設アルベルゲに関するよくある疑問について詳しく解説します。
3つのスペイン巡礼路を歩き52ヶ所のアルベルゲに宿泊した実体験をもとに、巡礼宿アルベルゲについて、洗濯や食事などかゆいところに手が届くような細かい情報を解説します。
スペイン巡礼のアルベルゲQ&A|食事など疑問に全て答えます【カミーノ】
はじめに、無料のアルベルゲや、アルベルゲの料金、アルベルゲを探す方法など、はじめてのスペイン巡礼で知りたいアルベルゲの基本的な情報は以下の記事で解説しています。
今回は、上記の記事で書ききれなかったより細かい情報を解説します。
アルベルゲでの食事や洗濯事情、Wifiや利用する上で必要なアイテムなど、巡礼者のアルベルゲ暮らしをよりよく快適に過ごすための情報をお届けします。
記事が長くなったので、ピンポイントで探したい方は目次からご覧ください。
アルベルゲに個室はあるの?
アルベルゲには個室はありません。ドミトリー形式でベッドがずらっと並んでいます。
公営アルベルゲの多くは大部屋に10〜20人分ほどの2段ベッドがずらりと並んでいます。
とはいえ、公営アルベルゲでも教会や修道院の場合は二人一部屋の個室であることも多く、宿泊者が少なければひとつの部屋を独り占めできることもありますよ。
民営アルベルゲの場合はもう少し小さい部屋で区切られていることが多く、一部屋の収容人数は4〜8人くらいの宿が多いです。
日本ではドミトリーでもカーテンがついていてプライベートスペースを確保できる場所も多いですが、スペインではアルベルゲはもちろん、多くの場合一般的なホステルでもカーテンはありません。
とはいえ、稀にカーテン付きのホステルもあり、私はプライベート空間が欲しくなった時はカーテンのあるホステルを調べて泊まっていました。
公営アルベルゲと民営アルベルゲの違いは以下の記事をご覧ください。
アルベルゲは男女別に分かれている?
基本的にアルベルゲは男女一緒の部屋で寝泊まりします。
教会や修道院に限っては例外があることも多く男女別になる場合もあります。
アルベルゲに無料Wi-fiはある?
ほとんどのアルベルゲに無料のWifiがありますが、実際に使えるかどうかは別の話です。
Wifiはあるけれど、通信速度が遅かったりベッドルームではつながらず共用スペースのみで使えるといったアルベルゲも少なくありません。
アルベルゲのコンセントは充実している?
もちろんコンセントはあってスマホの充電ができますが、コンセントの数が少ないアルベルゲも多くあります。
全てのベッドにコンセントが設置されていたら感動するレベルで、基本的にはいくつかのベッドごとにコンセントがあります。
中にはベッド脇にはなく、壁や共有スペースのみにしかないアルベルゲもあり、コンセントが空いている隙に充電し、使い終わったら次の人に譲るという感じです。
実体験ではアルベルゲについたら、まずコンセントのあるベッドが空いているかチェックして、なるべく充電しやすいベッドを選んでいました。
ちなみに、スペインのコンセントのタイプは棒が2本出ているCタイプです。日本のコンセントとは形状が違い、意外と見落としがちなのでお忘れなく。
キッチンはある?
民営のアルベルゲの多くはキッチンがあり自由に使うことができます。
キッチンには包丁やフライパンなどの調理用具があり、塩コショウなど最低限の調味量が置いてある宿もあります。
公営アルベルゲの場合は場所によりけりで教会や修道院では基本的にキッチンはありません。
シャワー事情は?
シャワーは基本的にボックス型のシャワールームが並んでいます。シャンプーやリンス、ボディソープはありません。
稀にプールに入る前の体を洗う場所のように仕切りがなく隣の人が丸見えのシャワーが並んだアルベルゲがあり、さすがに誰も使っていませんでした。とはいえ、これはレアケースです。
シャワーの数は充実しているところもあれば2つ、3つしかなかったり圧倒的に数が足りてない場合もあります。
その場合はタイミングをみて使います。
清潔度も場所によって異なりますが、民営アルベルゲの方が清潔度は高いです。
お湯は基本的にはしっかりでますが、時折とてもぬるかったり出が悪かったりということはあります。それもカミーノと割り切ります笑
個人的には清潔なシャワーを使えたらやっぱり嬉しいので、アルベルゲの受付開始時間に到着できた時はマッハで支度して一番のりのシャワーを楽しんでいました。
トイレ事情は?
トイレの充実度や清潔度も場所によりけりですが、基本的に民営アルベルゲの方が清潔度は高いです。
とはいえ、海外というとトイレが綺麗でないイメージがあるかもしれませんが、スペインの場合は普通にみんな綺麗に使うので清潔度で嫌な気持ちになったことはありません。
洗濯はどうするの?
アルベルゲでの洗濯に関しては2つの方法があります。
- 手洗い(無料だけどたまに面倒)
- 洗濯機(有料だけどめっちゃ楽)
手洗いで洗濯する
アルベルゲでの洗濯方法のひとつは手洗いです。
多くの巡礼者は手洗いしていて、たまに面倒に思うこともありますが原始的な方法でひとつひとつ洗っていると衣類に愛着が湧いて意外と楽しいものでした。
アルベルゲには洗濯物を手洗いする場所と干す場所もあります。
私も含め、女性も下着とか普通に干してます。
身体を洗うシャワールームでの洗濯は基本的に禁止されていますので、洗濯物の手洗い場で洗濯します。
洗剤はないので持参する必要があります。
私は洗剤としても使えるシャンプー兼ボディソープを使っていて、荷物の軽量化にかなり貢献してくれました。
これ一本でシャンプー、ボディーソープ、洗顔、洗濯洗剤として使えます。
オーガニックで安心して使える一本で、気になる洗浄力ですが、しっかり落ちます。服についたシミとかもとれます。
洗濯機を使う
もうひとつのアルベルゲでの洗濯手段は洗濯機です。
ほとんどのアルベルゲには洗濯機と乾燥機があり有料で使用できます。
料金は平均して3〜5ユーロで洗濯機と乾燥機は別料金です。
実体験では、雨だったり単純に面倒だったりで手洗いせずに洗濯物が溜まった時に洗濯機を使っていました。
私を含め多くの巡礼者は、仲良くなった他の巡礼者と一緒にまとめて洗濯機を使うことが多いです。
アルベルゲによっては、アルベルゲのスタッフが洗濯してくれる宿もあります。
その場合は指定されたカゴに洗濯物を入れて渡すと、洗濯してくれて終わったら返してくれます。
こちらも有料で約3〜5ユーロです。
食事はどうするの?
アルベルゲでの食事については3パターンあります。
- 食事なし(自分で作るか外食)
- 有料で食事付き
- 食事付きで料金は寄付制
宿泊するアルベルゲに食事の有無や料金はスペイン巡礼アプリ「Buen Camino」、またはスペイン巡礼サイト「Gronze」にて確認できます。
食事なし
多くのアルベルゲでは食事をオーダーできますが食事なしのアルベルゲもあります。
食事の提供がないアルベルゲは全体の2割くらいの印象です。
その場合は自炊、スーパーなどで買う、または外食です。
食事なしのアルベルゲの中には、バルが併設されていてそこで飲食できる宿もあります。
有料で食事付き
多くのアルベルゲは夕食と朝食を任意でオーダーできます。
平均的な料金は、
- 朝食:4〜6ユーロ
- 夕食:8〜12ユーロ
ほどです。
朝食はトーストとヨーグルト、小分けのマフィン、コーヒーというのが定番です。たまにコーンフレークがある場合もあります。
夕食はスープまたはサラダ、そしてメインの2品の場合が多いです。赤ワインを一緒にいただけることがほとんどで、料金に含まれています。
寄付制の食事
教会や修道院で食事付きの場合は無料(寄付制)の場合が多いです。
大抵は大きな寸胴鍋に大量のトマトペンネやリゾットを作ってくれてみんなでシェアします。
民営アルベルゲでも寄付性のところも多く、特にオーナーが元スペイン巡礼者であったり、こだわりが詰まったアルベルゲでは寄付性が多いです。
食事も公営アルベルゲよりしっかりとした内容でオーナー自ら料理してくれます。
栄養たっぷりで美味しいご飯は時にレストランよりも満足度が高く、個人的に好んで泊まっていました。
食卓はみんなで囲む
有料でも寄付制でも、ディナーはみんなで食卓を囲んで一緒に食べます。
どんな夕食でも必ずと言っていいほど赤ワインがあります。
他の巡礼者と会話するきっかけになったり、民営アルベルゲの場合はオーナーも一緒に食べることが多く、元旅人だったり、面白いバックグラウンドを持っている人々もいて経験談を話してくれることもあります。
夕食の時間はスペイン文化らしい遅めの時間。
19時半〜20時頃が多いです。
正直なところ夕食の時間が遅くてかなり空腹になりますが、それも夕食をより美味しくするスパイスです。
朝食は、大きなテーブルでみんなで食べるのは同じですが、時間は決まっておらず準備ができた人から席について食べ始めます。
門限はあるの?
民営アルベルゲの場合は基本的に門限はありませんが、公営の場合は門限があるアルベルゲが多いです。
「この時間までに帰って来てね」というマナー的な問題ではなく、門限を過ぎると玄関の鍵が閉められて中に入れないので門限厳守です。
平均的な門限は22時〜0時の宿が多いです。
同じアルベルゲに連泊は可能?
基本的にアルベルゲは同じ場所に連泊できません。
とはいえ、体調が優れない、歩くのが難しいなどオーナーが納得のいく理由があれば連泊できる場合もあります。
連泊したい場合は一般のホステルやゲストハウスに泊まるのがおすすめです。
また同じ町に数日滞在したい場合は、大きな町であれば複数のアルベルゲがあるので、同じ町の違うアルベルゲに宿泊することも可能です。
アルベルゲに泊まる時に必要なもの
アルベルゲに泊まる時に必要なものは次の3つです。どれも必須アイテムです。
- 寝袋
- タオル
- シャンプー
寝袋
アルベルゲで用意してくれるのは基本的にベッドと枕のみです。
掛け布団やシーツがないのでベッドの上で持参の寝袋の中で寝ます。
民営アルベルゲの中にはシーツやブランケットを用意してくれる場所もあります。
タオル
民営アルベルゲの中には有料でタオルの貸し出しを行っているアルベルゲもありますが、基本的にタオルはありません。
公営アルベルゲの場合は100%タオルなしです。
軽くて速乾性があるスポーツタオルなどがおすすめです。
シャンプー
シャンプーやボディーソープもないので用意が必要です。
記事の序盤でも解説しましたが、オールインワンのシャンプーが荷物の軽量化にとても便利です。
シャンプー、ボディソープ、洗顔はもちろん、洗濯洗剤としても使えるので液体類はこれ一本で済みます。
リンス機能はありませんが、個人的には問題なしでした。
アルベルゲに泊まる時あると便利なもの
アルベルゲに宿泊する時にあると便利なものは以下の3つです。
必須アイテムではありません。
- 大判のタオル
- 耳栓
- ヘッドライト
大判のタオル
大判のタオルは、タオルの役割としてはもちろん簡易的なプライベート空間を作るのに役立ちます。
アルベルゲのベッドにはカーテンがないので、どうしてもプライベートの確保は難しいところ。
そんな時、巡礼者たちは大判のタオルをベッド脇にかけて即席のカーテンを作ります。
個人的には、そんなに気にならないことと最大限軽量化したかったので小さいタオルのみでしたが、プライベートスペースを作りたい方は試す価値ありです。
スペイン巡礼以外のバックパック旅でたまにやっていますが、意外と目隠しの布一枚あるだけでプライベート感が高まり落ち着きます。
耳栓
アルベルゲの夜は、大きないびきや、遅くまで起きている人の会話が聞こえることがあります。
周りの音に敏感な人には耳栓は必須アイテムです。
ヘッドライト
スペイン巡礼ではまだ外が暗いうちから行動する場合もあります。
暗黙の了解で、みんなが起き始めるまでは早く起きても部屋の電気はつけません。
部屋が真っ暗で手元が見えないのでライトが必要になります。
また夜中トイレに行く時にも使えます。
共同部屋なのでトイレに行く時に部屋の電気をつけるのは厳禁です。
個人的にはスマホのライトで十分ですが、両手を自由に使いたい方には便利なアイテムです。
アルベルゲでは自分次第で快適に過ごせる
以上、アルベルゲに関するよくある疑問について解説しました。
昼間のスペイン巡礼が歩くことだとしたら、夜のスペイン巡礼はアルベルゲの中です。
通常の宿とは違うので多少不便さを感じることもあるかもしれませんが、自分次第でいくらでも快適に過ごすことができますよ。
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