【カミーノポルトガル海岸の道】ルート情報と主要な街【スペイン巡礼】

本記事では、スペイン巡礼、カミーノポルトガル海岸の道のルート情報をご紹介します。


2019年9月19日〜10月1日にかけて、スペイン巡礼のポルトガル海岸の道をスタート地点のポルトからサンティアゴ・デ・コンポステーラまで歩きました。

266kmのポルトガル海岸の道のルート情報やハイライト、巡礼路上にある主要な街をご紹介します。





目次

【スペイン巡礼】ポルトガル海岸の道概要



ポルトガル海岸の道

Portugués de la Costa/Portuguese coastal way
総距離:266km
所要日数:13日間
出発地:ポルト(ポルトガル)
目的地:サンティアゴ・デ・コンポステーラ(スペイン)



ポルトガル海岸の道は、ポルトガルのポルトを出発地点に、ポルトガルの海岸線に沿って北上し、スペインのガリシア州に位置するサンティアゴ・デ・コンポステーラに向かう巡礼路。

ステージ9に到着するスペインの町レドンデラRedondelaからは、ポルトガルの道に合流します。


ポルトガル、そしてスペインと2カ国を歩くことができます。



ポルトガル海岸の道は、数あるスペイン巡礼路の中でもとても歩きやすいルートです。

アップダウンが少なく、アルベルゲ巡礼路を示すサインの数が充実しており、快適に巡礼を楽しめる要素が整っておりカミーノ経験者はもちろん、はじめてスペイン巡礼する方でも安心して歩くことができます。

実際に、私のはじめてのカミーノはポルトガル海岸の道でした。

それまで、ロングトレイルやバックパックを背負って歩くという経験はなく、全く新しい試みでした。

実際に歩いてみると、ポルトガル海岸の道はアルベルゲやサインの充実度はもちろん、町や村も多く通過するため気軽に食事をしたりカフェやバルで休憩することができ、安心して楽しんで歩くことができました。


総距離266kmと距離は短いですが、ポルトガルのノルテ地方、スペインのガリシア地方の主要な街を多く通過するため、海や山の自然はもちろん、個性豊かな街々も楽しむことができます。



ポルトガル海岸の道の特徴の一つは、名の通りポルトガルの海岸線を歩くこと。

広大な大西洋を眺めながら歩き、夕暮れ時には水平線に沈む幻想的な夕日を堪能できます。

美しい街を通りながら、豊かな自然の中を歩き、ポルトガルとスペインの2ヶ国を楽しめる。

海と山、自然と街、ポルトガルとスペイン、巡礼の良いとこどりのような美しいものを欲張りに楽しむことができる巡礼路です。



ポルトガル海岸の道の概要と特徴を詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。






【カミーノポルトガル海岸の道】ルート情報

ポルトガル海岸の道のルート情報や、エリアごとの特徴を実際に歩いた体験をもとにご紹介します。

ステージは、実際に私が歩いた区切りとは違うこともありますが、わかりやすいようにGronzeのステージを採用しています。

ポルトガル海岸の道を歩く際の参考になれば嬉しいです!


【カミーノポルトガル海岸の道】ポルトガル

ポルトガル海岸の道の序盤は、ほとんどの区間を海岸線に沿って歩きます。

序盤からポルトガル海岸の道のハイライトのような美しいカミーノ。


特にステージ1とステージ2は雄大な大西洋の真横を巡礼路が通っています。

海に沿って歩行者用の歩道がどこまでも続き、とても歩きやすい区間です。



私が歩いた時は、曇りがちでしたが、十分に巡礼路の美しさを楽しむことができました。

晴れたら息を呑むような景観であることは間違いありません。



海岸線沿いには数は多くありませんが、所々で食べ物や飲料を買える店やレストランがあります。

スペイン巡礼路の中には、ステージの中で食料を調達できる場所がない巡礼路もありますが、ポルトガル海岸の道では、一日を通して必ずどこかに飲食店があるので食料の面でも安心して歩くことができる巡礼路です。



海沿いでは小さな漁村に度々出会うことができ、ポルトガルらしい景観の中で新鮮な海鮮を楽しむことができるのも海岸線を歩くカミーノならでは。



ポルトガル海岸の道は巡礼路全体を通して激しいアップダウンはありません。

基本的に標高が上がる場合は緩やかな上り坂が続きますが、それでもステージ4のViana do Casteloへ向かうの区間は1日に3度のアップダウンがあるため、体力のいるステージです。



巡礼路全体を通してキリスト教にまつわる文化を見ることができるポルトガル海岸の道。

特にポルトガル国内の序盤ではキリスト教に関連する場面が多く見られます。



等身大と思われる大きさのど迫力の3本の十字架や、静寂に満ちた小さな村中に設置されたスピーカーで放送されるミサの中継。

しんとした村にミサだけが大音量で響き渡る空間ははじめての経験で、信仰の深さを感じる地域が多くあります。





【カミーノポルトガル海岸の道】スペイン前半(〜ポンテペドラ)

スペインに入ると、海沿いから離れ山道や村々の間を歩く区間が多くなります。



ポルトガル海岸の道で歩くスペインの地域は、ガリシア地方。

ガリシア地方独特のオレオを呼ばれる高床式の倉庫に度々出会います。

何もない田舎道にぽつんと建てられているオレオもあれば、のどかな町の風景に馴染むように建っているものも。

何気ない風景の中に人々の生活を感じることができます。



スペインに入ると、ポルトガルに比べアップダウンや山を越える場所も多くなります。

決して過酷すぎるようなステージではありませんが、ポルトガル海岸の道で最もハードさを感じるのはスペイン前半です。

ステージ7のバイオナBaionaへ向かう区間は、傾斜はそこまできつくないものの緩やかな上り坂が続く山越えがあります。

足元はゴツゴツした石の上を歩くことも多く、体力が必要なステージです。



スペイン前半で最も大変なステージ7ですが、山越え後にはとても素敵なカフェが。

庭で採れた自家栽培の野菜たちで作ったスープとパン、そしてコーヒー。

ドネーション制のこちらのカフェは、美味しい食事はもちろん平和で穏やかな空気が流れ、心が暖かくなるような空間です。

山越え後の巡礼路上にあり、とてもわかりやすいので見かけたら立ち寄ってみるのもおすすめですよ。



ステージ7のゴールのバイオナはパラドールもある美しい港町。

スペイン前半の中で大変さを感じるステージではあるものの、海を背に山を登り、美しい港町が待っているポルトガル海岸の道のハイライトのようなステージです。


スペイン前半の見どころは、ガリシア地方の緑豊かな自然。

山の中を歩く区間が多くなりますが、海の広大な美しさとはまた違った、山の美しさを楽しみながら歩くことができます。

すーっと息が通るような空気の中で、太陽に照らされた草木の美しさは豊かさそのもの。

ガリシア地方の植物や林道は、「ガリシアらしい」と形容したくなるような独特の風景を見せてくれます。





【カミーノポルトガル海岸の道】スペイン後半(ポンテペドラ以降)

巡礼も終盤となるスペイン後半は、ポルトガル海岸の道全体の中で最もフラットな道が多く歩きやすいエリアです。

アップダウンは少なく、平野を歩くカミーノ。

巡礼路がとても歩きやすいため、より景色を楽しみながら歩くことのできる区間です。

ガリシア地方では朝になると靄が風景を覆う美しい光景を頻繁に見ることができますよ。


スペイン後半の中でも大変さを感じるのが最終日。

サンティアゴ・デ・コンポステーラへの最後のステージに最後のアップダウンがあります。



スペイン後半の見どころは、豊かに実る農作物。

トウモロコシ畑や、かぼちゃ畑、頭上に実る葡萄畑のアーチを通ったり人々の生活を感じられるガリシア地方の農村部の風景の中を歩くカミーノです。




【カミーノポルトガル海岸の道】巡礼路にある主要な街

ポルトガルとスペインの2カ国を通るポルトガル海岸の道。

総距離266kmとスペイン巡礼路の中では短めの巡礼路ですが、ポルトガル北部のノルテ地方と、スペイン北西部のガリシア地方の主要な街を通過します。

ポルトガル北部のリゾート地や、ガリシア地方で最も大きな都市など、個性豊かで美しい街々を楽しめるポルトガル海岸の道。

一晩過ごす場所の参考になれば幸いです!




【ポルトガル】ポボア・デ・バルジン

ポルトガル:ポボア・デ・バルジンPóvoa de Varzim

大西洋に面した海沿いの街。

リゾート地としても人気のポボア・デ・バルジンにはカジノもありおしゃれなレストランも並んでいます。

ゆったりとした空気感が心地よいのんびりとした街で、美しいビーチはポボア・デ・バルジンの代名詞。

ビーチからは水平線に沈む夕日を見ることができ、最高に美しいひと時を味わえます。




【ポルトガル】ヴィアナ・ド・カステロ

ポルトガル:ヴィアナ・ド・カステロViana do Castelo

優美な雰囲気漂うヴィアナ・ド・カステロは、ポルトガル海岸の道の巡礼路上にある街の中で、ポルトガルでの最も大きな街。

大航海時代の文化遺産が多く残り、サンタ・ルジア山の頂上に建つサンタ・ルジア教会はヴィアナ・ド・カステロの名所のひとつ。

山の頂上からは街を一望することができ、巡礼者にも人気の街です。

その美しさに魅せられヴィアナ・ド・カステロで数日過ごすことを決めた巡礼者もいましたよ。規模は小さいですが、街の路地ではアンブレラアートも楽しむことができます。




【スペイン】バイオナ

スペイン:バイオナBaiona

対岸を望む景観が美しい港町。

スペインらしさを感じるバル通りや、路上マーケットが開かれていたりとローカルのゆるりとした雰囲気の中にも活気を感じる街です。

石造りの小さな路地が特徴的で美しい街並みに飽きることがありません。

バイオナにはパラドールがあり、1ユーロの入場料でパラドールを囲む広大な敷地を持つ美しい公園や古城の跡地を楽しむことができます。

パラドールのカフェでは美しい海を眺めながらリゾート気分でドリンクや食事を楽しむ豊かなひと時を味わえます。




【スペイン】ビーゴ

スペイン:ビーゴVigo

ガリシア地方最大都市のビーゴはポルトガル海岸の道の中でも最も大きな街。

巡礼路上にある他の街とは比べ物にならないほど大きな街で、大都会と呼ぶにふさわしい規模。

ショッピングモールや百貨店をはじめ大通りにはさまざまな店が軒を連ね、巡礼中に欲しいものがあればこの街で何でも揃います。


ビーゴ屈指の観光名所は近郊にあるシエス諸島。

ガーディアン紙による「世界で最も美しいビーチ」に選ばれたロダスビーチがあるシエス諸島はカミーノとはまた違った美しい大自然を存分に楽しめる島。

ビーゴからは船で45分でアクセスできます。





【カミーノポルトガル海岸の道】ルート情報と主要な街【スペイン巡礼】まとめ

ポルトガル海岸の道は、一つの巡礼路に海と山、ポルトガルとスペイン、農村部と町など一度で二度美味しい、楽しさがぎゅっと詰まったルート。


ルートの難易度もやさしく、アルベルゲやサインも充実しており、町や村が頻繁にあるため食料の確保も簡単です。

巡礼路の混雑もなく、それでいて人との出会いも楽しめる、とてもバランスの良い巡礼路です。

2週間ほどで気楽に歩くことができる巡礼路ですが、スペイン巡礼の魅力を存分に味わえるのがポルトガル海岸の道です。






スペイン巡礼に関するご質問があれば、Twitter @coco_caminos のメッセージ、またはお問い合わせからお気軽にご連絡ください。

コメント

コメント一覧 (4件)

  • ポルトガル巡礼の隠れた目玉は何?
    行った人しかわからない、休憩ごとのバールでのお菓子、種類が多く美味しい。巡礼中同じものは食べずに1ヶ月頑張ったが、食べ尽くせなかった!スペイン国境の橋を渡る時のあの気持ち、ピンチョスも悪くは無いが、疲れた時のカフェコンレチェと甘いお菓子‼️忘れられない。

    • 大西光子さま
      同じものを食べないとはすごいです?疲れた時の甘いものは本当に美味しいですね!
      ポルトガルではナタをとても気に入り、そればかり食べていました笑

      どの食べ物も美味しいけれど状況によってさらに美味しく感じますよね?

  • こんにちは。ポルトガルの道、最高ですね。
    私はルートを替えながら3度歩きましたが、コロナが終息したら必ず歩きに行こうと思っています。
    ビラチャは2019年に逆歩きでファティマを目指してる時に泊まることができました。
    人のいいおじいちゃんが受付だったので、もしかしたら同じ人かな?

    • おくさま

      ファティマへの巡礼とはさすがです!おくさまのカミーノのサイトも拝見させて頂きカミーノ愛が伝わってきました。
      おじいちゃん、もしかしたら同じ人かもしれないですね^ ^
      次歩くのが楽しみですね!
      個人的に実際に歩くときはもちろん、それまでの準備やルート調べなど歩く前からペレグリノな気分です笑

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