【チェンマイで一番古い寺ワットチェンマン】ボランティアをしていた私が解説
本記事では、チェンマイ最古の寺院ワット・チェンマンをご紹介します。
ワット・チェンマンで、タイ北部の寺院に欠かせない神獣の鱗を彫るボランティアをしていました
ワット・チェンマンは、タイ北部をはじめ周辺諸国を治めていたランナー王朝が、都であるチェンマイに最初に建設したチェンマイ最古の寺院。
おおよそ700年前の伝統的なランナー様式のお寺や、黄金に輝く塔を15頭の像が囲む仏塔を見ることができます。
お寺自体の価値はもちろん、ワット・チェンマンの魅力は訪れた人にしかわからない平和で穏やかな心地よい空間。
チェンマイ旧市街に位置しているので、チェンマイ観光の合間に気軽に立ち寄ることができますよ。
本記事では、ボランティアで毎日ワット・チェンマンに通っていた私が、ワット・チェンマンの見どころを詳しく解説します。
チェンマイ最古の寺院ワット・チェンマン
チェンマイについて語る上で欠かせないのが無数のお寺。その数は300にのぼるとも言われ、チェンマイをぶらついているだけで様々なお寺に出会うことができます。
そんな数ある寺院の中でも最も古いお寺がワット・チェンマン。
現在はタイという国の一部であるチェンマイですが、1296年から1775年までランナー王朝という独立した国家の首都でした。
ランナー王朝は現在のラオス・中国・ミャンマーにあたる地域まで勢力を持つ巨大な王国でした。
ランナー王朝の創始者である初代王マンラーイによって、1297年、最初にチェンマイに作られた寺院がワット・チェンマンです。
かつては王宮としても使われていた由緒ある寺院ですよ。
ワット・チェンマンはチェンマイ旧市街に位置しているので、とても観光しやすい立地にあります。
ワット・チェンマンの見どころは、チェンマイ最古の寺の名にふさわしいランナー様式で造られた伝統ある建造物の数々。
そして敷地内に漂う、平和で穏やかな雰囲気。
チェンマイで有名な寺院といえば、チェンマイで最も格式高い寺院ワット・プラシンやチェンマイ最大の荘厳な仏塔ワット・チェディルアンがあります。
どちらも観光客で賑わい活気溢れ観光スポットらしさが感じられる場所です。
対してワット・チェンマンはと言えば、昼下がりの午後をゆったりと過ごしたくなるような穏やかな雰囲気。
観光客も少なく混雑することはありません。
犬の散歩に訪れる人や、木陰のベンチに座って本を読む人、テーブルに置いたスケッチブックに絵を描いている人など、公園で見られるようなゆったりとした雰囲気が漂っています。
チェンマイ最古の寺院でありながら、観光地感を感じない、生活の中にあるお寺ワット・チェンマン。
観光客で賑わうワット・プラシンやワット・チェディルアンとは違った、チェンマイの人々の暮らしの中に溶け込んでいるようなお寺です。
象の仏塔
ワット・チェンマンの中でも一際目を引くのが、巨大な象が並ぶ黄金の仏塔。
仏塔とは、釈迦の遺骨やそれに見立てたものを安置する場所です。
金の仏塔の周りには、塔の上部を支えるように15頭の象が並んでいます。
15頭の象は実物大で造られており、荘厳な迫力のある仏塔です。
中央礼拝堂
ワット・チェンマンを訪れて最初に目にするのが敷地の真ん中にある中央礼拝堂。
急傾斜で外に跳ねている3段の屋根は典型的ランナー様式建築の特徴です。
中央礼拝堂はタイ語でウィハーンと呼ばれ、御本尊以外の仏像が置かれている場所です。
繊細で細かさが目を奪う金色の細工が施された正面には、花や植物、インド神話に出てくる聖獣キールティムカのモチーフが施されています。
本堂
小さいながら、繊細さの中に大胆さを感じる本堂。
本堂はタイ語でウボーソットと呼ばれ、御本尊が安置されている場所です。
正面には1581年の石碑があり、「 チェンマイの創立日は西暦1296年4月12日午前4時である 」という最も古い記述があるなど、歴史を知る手がかりとして重要な資料となっています。
現在見られる本堂は19世紀に建てられたものです。
経蔵
仏教の経典や関連する書物を所蔵する蔵である経蔵。
保管している書物を水害から守るために、土台を高くして造られています。
2匹の龍のような生き物が守る橋があるのがお分かりかと思いますが、以前は橋がかかっておらず、池の真ん中にぽつんと経蔵が建っていました。
龍のような生き物はナーガと呼ばれる神獣。日本の神社の狛犬のような頻度でタイの寺院ではよく見られる神獣です。
首を長くした2匹のナーガの胴体に見えるような部分は、マカラという別の神獣です。
マカラはタイ北部のランナー文化圏でのみ見ることのできる神獣ですよ。
2022年に神獣の建設が始められ、2023年現在も建設中ですが、神獣を造っているこの光景は、タイ全土を見てもとても珍しいもの。
ナーガの修復は時々見ることができるそうですが、ゼロの状態からナーガとマカラを造るのはタイ人でも今まで見たことがないというほど、貴重だそう。
タイでもナーガやマカラを造ることができるの職人は10人もいないそうです。
私はワット・チェンマンのマカラの鱗を彫るボランティアをさせていただいていました
完成時には、片方は金、もう片方は銀に塗られるそうですよ。
建設中、もしくは生まれたての珍しいナーガとマカラを見ることができるのはワット・チェンマンだけ。
タイ人でも滅多に見ることのできない、神獣の誕生に出会える場所です。
平和で穏やかなチェンマイ最古の寺院
チェンマイの中でも平和で穏やかさを感じられる寺院ワット・チェンマン。
茜色の空とチリンチリンと耳をくすぐる鈴の音、ゆったりと流れる静かな時間。
チェンマイ最古という歴史がありながら、観光地というよりは公園でゆったりとした時を過ごすような、ふらっと立ち寄りたくなる暖かさのある寺院です。
チェンマイの旧市街に位置し、ランドマークであるターペー門からは徒歩13分ほど。
穏やかな時間をワット・チェンマンで過ごしてみるのもおすすめですよ。
ワット・チェンマン
6:00~17:00
バリアフリー
綺麗目なトイレ有り
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