【ポルトガル海岸の道】巡礼記3 Povoa de Varzim – Esposende【スペイン巡礼】

雨宿りさせてもらいに教会に入ると、こんなに巡礼者がいたのかと思うほどの人が同じように雨宿りしていた。

この教会はこのあたりで唯一の休むことができる場所だったので、今まで大勢の巡礼者がこの教会に救われたことだろう。

びしょ濡れのレインジャケットをどうにかしないと、と思っていたところ、
バックパックにレインコートが入っているのを思い出した。

いつかのフェスで無料で配られていたぺらっぺらのビニールのレインコートで、お世辞にも丈夫そうとは思えなかったがこれしかないのでそのレインコートを着た。

冷えた体と疲れでしばらく放心状態だったが、いかねばならない。

気合を入れ直して教会に感謝してまた歩き始める。

幸いペラッペラのレインコートはとても良い仕事をしてくれて、アマゾンで買ったレインジャケットより優秀だった。

雨はしみてくることはなく、なんとなくバックパックに入れていた自分にも感謝笑



それでもやはり濡れた体は寒くて、疲れていて、下を向きながらトボトボ歩いていた。

しばらく無心で歩いているとアメリカ人の年配の夫婦と出会った。

以前、夫婦でスランス人の道を歩き、今回が2回目のカミーノだそうだ。
すでに次回のカミーノの計画も立てていて、奥さんは次は春に歩きたいけれど夫は秋がよくて揉めてるのよって笑いながら話してくれた。

彼女が、

「あなたはどうしてカミーノしてるの?」と聞いた。

なんとなくの目的はあったものの特にこれといった目的は持っていなかったけど、

とっさに

「歩くことでしか見えない景色や一瞬一瞬を楽しみたいから」って答えた。

質問されることで、自分の心がはっきりした瞬間だった。

人と話したいとか、自分を知りたいとか目的らしい目的を頭に描きながら始めたカミーノだったけど、実際はもっとシンプルだった。

一歩一歩歩くことで見える景色、交通機関を使ったら気づく間も無くあっという間に通り過ぎてしまう小さなこと、道端に生えている小さな花、変な看板、太陽の暖かさ、
そういった全てのものを感じるのがたまらなく楽しかった。


ただこの世界を遊ぶためここにいるんだなぁと、感じた。
シンプルに楽しむだけでいんだよな。

そうやって彼女と話しているうちに、いつの間にか心が晴れやかになっていた。

気づいたら背筋が伸びて顔を上げて笑っていた。



彼女と歩いているうちに気づけば雨が上がっていた。

ぬかるんだ道の周りには高く力強い木々が立っていた。




しばらく歩くとFaoという町に着いた。

彼女たちはここで泊まるといって、また会えるといいねと言って別れた。




Faoの町は小さいけれどどこか古き良き雰囲気が漂っていてすぐに気に入った。

数件のレストランと教会があるだけの小さな町。





公園で一休みすると放し飼いの犬が楽しそうに遊んでいた。

小さな町といえど村というほどの田舎ではないし、店もあれば車も通るような場所で犬が一人遊びしている光景には驚いたけれど、微笑ましい気持ちになってしばらく眺めていた。




再び気力が戻ってきたので、ここから遠くない今日泊まる宿に向かう。

今日はあらかじめ予約して置いたB&Bに泊まる。

歩いていると、ポツンと1件建っている建物を発見した。

今日泊まる宿だと確信し向かっていくと、ちょうど反対側から一人の女の子がずぶ濡れでやってきた。

その女の子、ポルトガル人のアネータとは一緒の部屋で、バックパックの中の防水対策をしていなかった彼女はバックパックの中身がぐちゃぐちゃだと嘆いていた。

その日の部屋は6名1室の部屋で、アネータの他にスイス人のおじさんもいた。

軽く挨拶をしてから、雨も上がってきたので近くの町エシュポセンデまで観光に出かけた。




エシュポセンデの町はすたれた田舎町と言った感じで、一瞬Faoに泊まればよかったなぁ、事前に宿を予約するのやめようかなぁ、なんて考えがよぎりながらも、町歩きをしたり、晴天へと変った空を眺めながら川沿いでのんびりして過ごした。

そろそろ帰ろうと、宿の方に歩いている途中で、同室だったスイス人のおじさんと出会った。

彼は同室のみんなでこの近くの店で一緒にディナーを食べるんだけど一緒にどう?と誘ってくれて快く参加させてもらうことにした。

店の前に着くとアネータと、まだ会ったことのなかったドイツ人の女の子がいた。



店はまだ開店していなかったので待っている間に、どこかアフリカを感じるような壮大で美しい夕日に出会えた。

レストランは宿の周りにある唯一のレストランで、家族経営しているポルトガル料理店だった。




お店の人もフレンドリーでアットホームな雰囲気、そしてリーズナブルな値段で食べれるのでおすすめだ。

みんなでテーブルにつき、おしゃべりが始まった。
はっきり言って全然話せなくて、早くその場から去りたかった。

英語力の問題ではなく、この頃のわたしは人と話すことが苦手だと自分を決めつけていた。
話すことが苦手という意識から、上手く話さなきゃ、みたいな意識が自分を緊張させて肩に力を入れていた。

そうなると、ただ楽しむことより自分のネガティブなところにばかりフォーカスしていまい、頭の中は気まずい、早く一人になりたい、そればかり考えていた。

何より、そんな自分がすごく悔しかった。

もう二度とこんな思いはしたくないと思った夜だった。



とはいえ、この日泊まったB&B、Sleep&Goはフレンドリーで良い宿だった。





主人の親父さんはポルトガル語しか話せないけれど、アプリの翻訳機を使って一生懸命いろいろと伝えようとしてくれた。

部屋も綺麗で、清潔。リビングには大きなテーブル、ソファ、テレビがあって、居心地の良い宿だった。

追加料金で朝食も出してくれる。



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