【カミーノ北の道】アストゥリアス地方のルート・見どころ・アルベルゲ情報まとめ
本記事ではスペイン巡礼、カミーノ北の道Camino del Norteを歩いた実体験をもとに、北の道アストゥリアス地方の巡礼記とルート情報を解説します。
スペイン北部の4つの州を歩くカミーノ北の道。アストゥリアス州はカミーノ北の道の3つ目の州です。
カミーノ北の道のひとつ目の州バスク州から、3つ目の州アストゥリアス州に渡ってカンタブリア海に沿って歩く北の道。
中でもアストゥリアス州は最もカンタブリア海の海岸線を歩く区間が多いエリアです。
透き通る青と鳥たちのさえずり、ゴツゴツとした無骨な岩に打ち付ける波音を楽しみながら目の前に広がるカンタブリア海を思う存分楽しめるエリア。
「 カミーノ北の道を歩きたい!」
そんな思いは、北スペインの海に思いを馳せて生まれた気持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
カンタブリア海の美しい弧を描く海岸線や、カミーノしなければなかなか訪れることのないであろう数々の美しいローカルビーチに出会えるのがカミーノ北の道アストゥリアス州です。
本記事では、カミーノ北の道を歩いた実体験をもとに、北の道アストゥリアス地方のルート情報や見どころ、アルベルゲ情報などを巡礼記と一緒にご紹介します。
【カミーノ北の道アストゥリアス州】ステージごとのルート情報と巡礼記
カミーノ北の道のステージごとに、ルート情報や実際に泊まってみて良かったアルベルゲ、味のあるアルベルゲなどを巡礼記と一緒にご紹介します。
ステージは、実際に私が歩いた区切りとは違うこともありますが、わかりやすいようにGronzeのステージを採用しています。
北の道を歩く際の参考になれば嬉しいです!
ステージ15 Comillas – Colombres 28.0km
カミーノは、州境の川を渡りカンタブリア州からアストゥリアス州へ。
カンタブリア州との境の町ウンケラUnqueraから、ステージ15のゴールであるコロンブレスColombresまでは約1.8kmのカミーノです。
私はコロンブレスから3km地点の村、ラ・フランカLa Francaまで歩きます。
ステージ16 Colombres – Llanes 22.9km
ステージ16のスタート地点コロンブレスから3km地点の村、ラ・フランカLa Francaはレストランが2軒あるだけの小さな村。
ラ・フランカではアルベルゲAlbergue Triskelに宿泊しました。
ソファベンチのある穏やかな庭に、ホテルと見紛うようなバスルーム、アパートメントのような広いキッチンにフレンドリーなオスピタレロ。
館内はとても清潔で居心地の良いアルベルゲ。
オスピタレロの奥様手作りの夕食はとても美味しく、フルーツをたくさん持ってきてくれたりと暖かなおもてなしをしてくださいます。北の道の全巡礼路の中でも泊まって良かったと感じるアルベルゲです。
18ユーロ/予約可(Whatappのみ)/夕食有り(有料)朝食有り(無料)/ベッド数12
Gronzeで詳細を確認する
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ステージ16のスタート地点から3km地点のラ・フランカLa Francaを出るとカミーノは二手に分かれます。
・内陸を歩くカミーノ北の道公式ルート (6.1km)
・カンタブリア海沿いを歩くオプションルート(7km)
2つの巡礼路はペンドゥエレスPenduelesにて合流します。
私はカンタブリア海沿いを歩くルートを選択。美しいビーチやカンタブリア海を見渡せる景色が目の前に広がります。
曇り空の下でも、寄せては返す波の音と潮風の心地よさに溶けていきそうな気持ちの良いひと時を楽しめます。
天候のせいか、この地点を通過したのが9月末だったせいかはわかりませんが、人影はなく自然の中の静けさを独り占めできました。
ランチを食べながら休憩するのにぴったりの場所ですよ!
ステージ16のカンタブリア海沿いの巡礼路の見どころのひとつは、岩の割れ目から海水が噴き出す自然のエンターテイメント。巡礼路上の名所としてだけではなく、この地方の観光名所として知られています。
その高さは40メートルにもなるそうで、波が荒く満潮の時にだけ起こる現象だそう。
私はタイミングが合わず見ることはできませんでしたが、目の前に広がるカンタブリア海は十分に美しいものでした。
岩の割れ目から海水が噴き出すポイント
地方都市リャネスLlanesは、夏場のピークシーズンには賑わいを見せることが想像できるような、ホリデー向きの飲食店やバルが数多くあります。
海に面したリャネスは漁業が盛んで、町中の川沿いにも多くの小船が停泊しているのどかな街です。
ステージ17 Llanes – Ribadesella 30.0km
ステージ17の前半は、カンタブリア海沿いを歩くカミーノ。
2つのビーチやリアス式海岸の川を通過し、そっと腰を下ろして眺めていたくなるような美しい風景に出会えます。
後半はアストゥリアスの農村部など次々に表情を変える風景を楽しめます。
ステージ17は30kmと距離は長いですが、アップダウンもなく歩きやすいカミーノです。
824kmのカミーノは折り返し地点へ。サンティアゴ・デ・コンポステーラまで残り444km。
サンティアゴ・デ・コンポステーラへ着くことももちろん嬉しいですが、一歩一歩の道のりが楽しくて残りの距離は気にしなくなってきます
30kmと比較的長い距離を歩くステージ17。
ステージ17を分割して歩きたい場合、19.8km地点の小さな村Piñeres de Príaにしかアルベルゲはありません。
Piñeres de Príaには2つのアルベルゲがあります。
私は、丘の上に立つ教会のすぐ横にあるアルベルゲAlbergue Casa Rectoralに宿泊。
周りには何もなく、目の前には堂々とした山々と草原が広がり、眼下には村のオレンジ色の屋根がぽつぽつと建つのが見えます。
自然の中に身を置ける最高のロケーション。近隣に飲食店はないので、このアルベルゲに宿泊する場合は夕食をあらかじめ準備しておくことが必須です。
Piñeres de Príaはとても小さな村で、アルベルゲ周辺だけでなく村全体に飲食店はありません。
12ユーロ(7~9月は15ユーロ)/予約不可/夕朝食なし/ベッド数48
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リバデセリャRibadesellaは川に面した小さな町。ゆっくりとしたローカルな雰囲気が漂っています。
とはいえ、飲食店やカフェは充実しているので巡礼者にとっては過ごしやすい町です。
通りには小さなマーケットが開かれ、美しい花々やアストゥリアス産のチーズが売られています。
ステージ18 Ribadesella – Colunga 20.1km
ステージ18は3つのビーチを通過する北の道らしいカミーノ。
内陸部を歩く区間も多いですが、1日の中で何度も美しいカンタブリア海や足を休めるのにぴったりな砂浜を楽しめます。
スタート地点から9.5kmの場所に位置するベルベスBerbesには、一際目を引く場所が。
小さな小屋のようなその場所にカフェかと思い入ってみると、一人の男性が出迎えてくれます。
「 ここに来たなら、ぜひ君がどこから来たのか書いて行ってくれよ!」
と渡されたのは、細長い木の板とペンキ。
カミーノ北の道の巡礼路上にあるこの小屋では世界中から訪れる巡礼者に出会うそうで、彼らの出身地を書いてもらい飾っているそう。
私が書いた「 TOKYO 」の看板も彼のコレクションに加えていただきました。
カミーノ北の道の巡礼路上にあり、目の前を通るとたくさんの地名が飾られています。
目の前を歩くとすぐに気づくと思うので、立ち寄ってみるのも面白いかもしれません。
コルンガColungaはどこか上品な雰囲気が漂う町。
ステージ18のゴールですがコルンガにはアルベルゲがなく個室の宿しかないため、通過してカミーノを続ける巡礼者が多い町でもあります。
小さな町ですが、スーパーマーケットやカフェがあるので通過する巡礼者にとっても休憩にぴったりの町ですよ。
ステージ19 Colunga – Villaviciosa 17.7km
ステージ21はカンタブリア海を離れ内陸を歩くカミーノ。
「 緑のスペイン 」らしい自然豊かな風景を1日を通して楽しむことができます。
天候に恵まれた今日は、濃く青い空と緑の草木の色合いがたまらなく美しいカミーノ。
スペインの空の青は一段と濃い気がします。
のどかな景色に囲まれた道を歩いているとなんともいえない満足感が込み上げてきます
ビリャビシオサVillaviciosaはゆったりとした美しい田舎町。
とはいえ、北の道の巡礼路上の中では比較的大きめの町でレストラン、バル、カフェが中心地に集まりスーパーマッケットもあります。
町中にはベンチが設置されている広い公園があり、ゆったりとした午後を過ごすのに最適な場所。
ビリャビシオサに住む人々や遊びまわる子供たちを眺めながら、日光浴を楽しんだり本を読んだりお酒を楽しんだり、のんびりとした時間を過ごすことのできる町です。
ステージ20 Villacioca – Gijon 29.8km
カミーノはアストゥリアス地方最大都市ヒホンGijonへ。
アストゥリアス州の州都はオビエドですが、ヒホンはアストゥリアス州最大の人口を誇ります。
ステージ20はカミーノの重要な分岐点のあるステージ。
ビリャビシオサVillaviciosaから3.7km地点の小さな村Casquitaでカミーノは2手に分かれます。
・北の道Camino del Norteを続けるルート
・オビエドを通過するプリミティボの道Camino Primitivoへと進むルート
の2つのカミーノの分岐点です。
北の道を歩く予定だった巡礼者も、カミーノをしていく中でプリミティボの道を選ぶ人も少なくありません。
実際に、昨夜ビリャビシオサで出会った8人の巡礼者とディナーをしていたところ、私以外の全ての人がプリミティボの道を歩くことにしたそう。そのうちの一人は当日の朝になって決めた方もいましたよ。
ヒホンGijonはアストゥリアス州最大の都市だけあって1日では回り切れないほど大きな街。
新市街はショッピングを楽しむ人々で賑わい、カミーノ北の道では久々の都会的な雰囲気を楽しめます。
都会的な雰囲気を楽しめる新市街だけでなく、ローマ時代から続く旧市街や、飲食店が軒を連ねるマヨール広場、18世紀の宮殿など見どころもたくさん。
ヒホンのシンボルとも言えるのは1.5kmのビーチ、プラヤ・デ・サン・ロレンソPlaya de San Lorenzo。
北の道をカミーノする中で幾度となく目にするビーチですが、美しい砂浜は何度見ても飽きないもの。
アストゥリアス最大都市ヒホンならではのリゾート感を感じるビーチタウンの砂浜も、巡礼路上で出会う静かなビーチとは違った魅力があります。
都会でありながらも、穏やかさを残す空気感と柔らかなビーチが心地よい、ゆったりとした街です。
ステージ21 Gijon – Aviles 25.4km
カミーノは工業地帯を通り、アストゥリアス州第三の都市アビレスAvilésへ。
パステルカラーの建物が美しいアビレスは、カミーノ北の道の巡礼路上で最も上品な印象を感じる街。
アストゥリアス州第三の都市ながら都会的な雰囲気はなく、軽井沢を思わせる品のあるリゾート地のような街です。
巡礼中ながら休暇に来たような気分にさせてくれる、ゆったりとした穏やかな空気が流れています。
アビレスにはスペインらしいバルの並ぶ通りも多く、和やかな雰囲気の中テラスでビールを楽しむのも最高の時間。
街歩きも唸るような美しい街並みが続き、巡礼中の一夜を過ごす場所としてだけでなく、ゆっくりと歩きながら観光するのが楽しい情景が広がります。
アストゥリアス州でぜひ楽しみたいのが、アストゥリアス州を代表するお酒シードラSidra。
シードラを専門的に売り出しているお店はシドレリアSidreríaと呼ばれ、ここアビレスには雰囲気も味も断トツに素晴らしいシドレリアがあります。
シードラが詰められた木箱が壁一面にこれでもかと並び、床にはこぼれたシードラを吸収するためのおがくずが。
すぐに酸化するシードラは、ほんの一口分、グラスに約1cm分ほどをその都度次いで一気に飲み干します。注ぐ時にはグラスから約1mほど高いところから、流れる滝のように注ぐのが特徴。
注ぎ方によって全く味が変わり、お客に注ぐのを任せる店もあれば、シードラを注ぐ専門の機械がある店も。
そんな中、このシドレリアでは熟練のスタッフがその都度注いでくれます。
全くグラスを見ずに、1m以上も高い場所からシードラが注がれるプロの技は圧巻。
味はもちろん最高!自分で継いだりや機械を使うよりまろやかさを感じます
アビレスのシドレリアは中心街にあり、アルベルゲからも徒歩10分と気軽にアクセスできるので、ぜひ最高のシードラを味わってみるのもおすすめですよ。
Sidrería Tierra Astur Avilés
プロの技と最高の味を楽しめるシドレリア
アルベルゲから徒歩10分
ステージ22 Aviles – Muro de Nalon 23.2km
ステージ22は歩きやすいカミーノ。
ステージの長さも程よく、アビレスから6.9km地点のピエドラス・ ブランカス Piedras Blancasはカフェが充実している町。
気軽に休憩しやすい町があるのも嬉しいステージです。
ジム・ジャームッシュの名作「 ダウン・バイ・ロー 」のラストシーンにそっくりな二手に別れる道にワクワクしたり。
映画を見たことのある方ならピンとくる方も少なくないはず!
ステージ22の大きな見どころは美しいナロン川。
川のほとりは豊かな緑に囲まれ、曲がりくねったカーブが美しい風景をより一層、趣のあるものに彩ります。
ステージ22のゴールであるムロス・ デ・ナロンMuros de Nalonまで5.2km地点のEl castillo周辺では緑豊かな自然の中に流れるナロン川とそのほとりにそびえる古城の一部をみることができます。
ムロス・ デ・ナロンMuros de Nalonでは、村の中心部より手前にあるアルベルゲFali’s Albergue – La Naranja Peregrinaに宿泊。
中心部から離れているとはいえ巡礼路上にあるアルベルゲ。周囲に飲食店はありませんが、夕食をオーダーすることができます。
アルベルゲはとても清潔で、外には小さな公園とも呼べるような規模の芝生のガーデンが。
オスピタレロのラファエルお手製ディナーを、ガーデンの隅に準備された木製の長いテーブルでいただきます。
例に漏れずスペインの夕食の時間にならって遅めのディナーですが、ラファエルのプライベートガーデンで寝っ転がったり、本を読んだりとディナーまでの時間も心地よく過ごすことができますよ。
フレンドリーなオスピタレロで太極拳を長年やっていると教えてくれました。クレデンシャルには太極拳マスターの彼ならではの「 氣 」のスタンプが押され、味のある素敵なアルベルゲです。
15ユーロ/夕食ドネーション制・朝食4ユーロ/ベッド数12
+34685245111
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ステージ23 Muros de Nalon – Soto de Luina 15.3km
ステージ23では、カミーノ北の道の巡礼路から少し逸れたところに、「スペインで最も美しい村」に登録されているクディレロ Cudilleroという美しい漁村があります。
小さな半円状の湾を囲むように、オレンジ屋根のカラフルな家々が立ち並ぶ美しい景観の村で、SNSでも度々話題になるほど。カレンダーの一枚に使われていそうな情景を楽しめる小さな村です。
内陸を歩くステージ23ですが、カンタブリア海沿いにあるクディレロまでは巡礼路を少しばかり海岸線の方に歩くだけで行くことができると聞き、せっかくだからと訪れてみることに。
北の道の巡礼路でクディレロCudilleroという町を通過しますが、「スペインで最も美しい村」に登録されている代表的な風景は、クディレロの町から約1.8km離れた海沿いで見ることができます。
美しい景観を楽しめる漁村クディレロ
雨が降り続く今日は、写真を取る余裕がなくクディレロの写真が一枚もないことに後から気づき少し残念に思いますが、気になる方は’’ クディレロ Cudillero ” と検索してみてくださいね。
「 少しばかり巡礼路を逸れて歩いてみるのもいいかな。」
という方であれば、巡礼中でないと中々立ち寄りづらい場所なので、訪れてみるのもおすすめですよ。
ソト・デ・ ルイニャ Soto de Luiñaはのどなか小さな村ですが、スーパーマーケットが1軒とカフェが2軒あります。
ソト・デ・ ルイニャでは、2021年9月にオープンしたばかりの真新しいアルベルゲLa Reguera Pilgrims Hostelに宿泊。
個人的に北の道で最も印象深いアルベルゲのひとつで、オスピタレロのエレーナは「ここを家だと思って過ごしてほしい」と言ってくれるほど温かに出迎えてくれます。
マドリードで長年生活していたオスピタレロの、
「 アストゥリアスの田舎にアルベルゲを作る 」
という夢が叶ったアルベルゲ。
まさに家にいるような居心地の良さだけでなく、部屋もとても清潔。
シャワールームはホテルのような快適さと綺麗さで、
巡礼中にこんな快適なシャワールームに出会えるとは感激だね!
と他の巡礼者と盛り上がったほどです。
夕食はオスピタレロのエレーナも一緒に席について、手作りディナーを定番の赤ワインと一緒に楽しめます。
愛情と優しさに溢れたまるで家にいるような心地よさを味わえる暖かなアルベルゲです。
ドネーション制/土曜休業/1週間前までに予約必須/夕朝食あり(ドネーション制)/ベッド数11
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ステージ24 Soto de Luina – Cadavedo 18.5km
ステージ24の出発点、ソト・デ・ ルイニャ Soto de Luiñaからカミーノは2つの道に分かれ、今日のゴールであるカダベウCadavéuで合流します。
・【カミーノ北の道のオフィシャルルート】内陸を歩く500メートルの上り坂がある巡礼路
・海岸沿いを歩く巡礼路
内陸を歩く巡礼路はオフィシャルルートではありますが、2016年にカミーノの黄色い矢印がマークされ整備されました。それまではずっと放置されていたそう。
内陸の道は、+/−500mのアップダウンがあり、18.1kmの間、店はおろか水を補給できる場所もありません。
実際のところ、内陸の道を歩く人はほとんどおらず、海岸沿いの道を歩く人がほとんどだそう。
内陸の道について、
「 必ず天候を確認し万全の体調で挑むこと。雨の日は歩くのを避けること。事前に霧が出ていないか確認すること。」
という注意事項を何度も目にするので、万全の体調と天候でない限り避けるのが安全な道だと予想できます。
私も海岸線を歩く道を選択しました。
ステージのスタート地点より6.8km地点のカスタニェラスCastañerasから、700mほどカンタブリア海方面に巡礼路を逸れるとプラヤ・デル・シレンシオPlaya del Silencio、別名「 サイレンスビーチ 」と呼ばれるビーチがあります。
近年までヌーディストビーチだった、知る人ぞ知る美しい場所があると聞き、足を運んでみることにしました。
「 サイレンスビーチ 」という名にふさわしく、寄せては返す波の音の心地良さの中で静寂を楽しめるビーチ。
巨大な岩の崖に沿うように設置された階段を降りた先にあるこのビーチは、外界との間に見えない壁でもあるような、静かで神秘的な心落ち着くビーチです。
岩の芸術美も素晴らしく、私は2時間ほどここでのんびりと過ごしたほど。
カミーノ北の道の巡礼路から少し逸れますが、巡礼路から700mほどなので、ぜひ立ち寄ってみるのもおすすめです。
ステージ24の海岸線のルートでは、何度もビーチの近くを歩く海好きにはたまらないカミーノ。
巡礼路上から数百メートル歩いた先にあるビーチをGoogleMapで見つけては寄り道して立ち寄って、同じ沿岸部でも表情を変える海と岩の美しさを心ゆくまで楽しみました。
小さなビーチは訪れる人もおらず、言葉通り海と自然の音をひとりじめできる幸せを味わえます。
たくさん寄り道したおかげでカタベウCadavedoに到着したのはすっかり日も暮れる頃。
ステージ24は、巡礼路全体を通してバル、レストランは片手でおさまるほどの数しかありません。
特に、シエスタの時間に立ち寄るとボカディーリョがあればラッキーという感じなので、あらかじめ食料や水を準備しておくのがおすすめですよ。
ステージ25 Cadavedo – Luarca 15.3km
ステージ25は道の両脇を彩る活き活きとした草原や、豊かな草木に囲まれ歩く穏やかなカミーノ。
肌を撫ぜる風が心地よいリラックスして歩けるステージです。
飲食店は多くなく、ステージ全体を通してぽつぽつとある程度。
シエスタの時間でもボカディーリョなどの軽食は販売していますが、バルやカフェの数自体が片手で十分に足りてしまうほどなので、食料を準備しておくと快適です。
カミーノ北の道の巡礼路から1.7km逸れたところには、美しいビーチPlaya de Cuevaがあります。
広い砂浜がどこまでも続き、ほとんど人影もない穏やかでゆっくりとくつろげるビーチ。
気ままに砂浜に腰を下ろし、ピクニック気分で準備しておいた食料を楽しみながら、寄せては返す波の音に耳を傾けるのも豊かな時間。
カミーノの巡礼路上からは1.7km逸れた場所に位置しますが、ビーチでのんびりと過ごすのが好きな方は立ち寄ってみるのもおすすめですよ。
Playa de Cueva
ルアルカLuarcaは白い建物が美しいカンタブリア海沿いの港町。
穏やかさの中にも活気を感じられる明るい雰囲気の町です。
カフェやレストランも多く、海沿いの町らしくシーフードを楽しめるレストランが並びます。
スーパーマーケットをはじめ店が充実しているので、巡礼者にとって便利な町でもありますよ。
ステージ26 Luarca – La caridad 30.5km
ステージ26はカンタブリア海を離れ終始内陸を歩くカミーノ。
まるで絵に描いたような美しい草原や農園が続き、まさに「 緑のスペイン 」が目の前に広がるステージです。
アップダウンもなく歩きやすいステージですが、30.5kmと長めのステージでもあります。
私はこのステージを3日かけて、のんびりと緑豊かなステージを楽しみました
巡礼路上にあるバルでこの時共に歩いていた巡礼者たちとビールを楽しんでいたところ、すっかりお休みモードになり、1泊目はルアルカから約6km地点、OturにあるアルベルゲAlbergue La Casa del Peregrinoに宿泊することに。
明るく笑顔が素敵なオスピタレロのメルセデスが暖かく迎えてくれるアットホームなアルベルゲです。
アルベルゲの外には、木のテーブルと椅子や、ゆらゆら揺れるブランコのような椅子があるガーデンがあり、本を読んだり、ぼーっとしたりと、アストゥリアスの田舎の穏やかさを存分に楽しめます。
周辺には飲食店やスーパーマーケットなどは何もありませんが、ドネーション制でオスピタレロお手製のディナーをいただけます。
「 行きたいとこがあるなら車出してあげるよ!」と言ってくれたりと、とても気さくなオスピタレロですよ。
ステージ26のスタート地点ルアルカから約6km地点なので、通りすぎる方も多いかと思いますが、のんびりとしたカミーノを好む方にはおすすめのアルベルゲ。
アルベルゲには可愛らしい犬と猫がいるので、アレルギーのある方は避けた方が良いかもしれません。
ドネーション制/予約必須/夕朝食あり(ドネーション制)/ベッド数10/車椅子対応
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ステージ26のスタート地点から20.1km地点の町ナビアNaviaは川沿いにある美しい町。
規模は大きくないものの、バルやレストランが充実している風情ある田舎町で、ステージ26を分割して歩きたい方は夜を過ごすのにおすすめの町です。
ナビアのアルベルゲAlbergue San Roqueはとても清潔で綺麗なアルベルゲ。
カミーノ北の道のアルベルゲの中でも上位クラスの清潔さでしたよ。
アプリBuenCaminoでも口コミのトップレートがついている満足度の高いアルベルゲです。
15ユーロ/予約可/夕食・朝食なし/ベッド数24/車椅子対応
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ステージ26のゴールであるラ・カリダーLa caridadは小さな村。
飲食店の数は多くありませんが、スーパーマーケットやカフェ、バルがあるので食べ物に困ることはありません。
ラ・カリダーには、「アストゥリアス地方で最も美味しいカチョポ」を楽しめるレストランがあります。
カチョポCachopoとは、アストゥリアスを代表する名物料理。スペインの生ハムとチーズを子牛肉で挟んで揚げたカツレツです。
たまたまレストランに入り、Menúを楽しんだ後店を出ようとすると「アストゥリアス地方でNo.1のカチョポ」の称号を獲得した表彰状が。
お腹いっぱい食べた後だったので、カチョポを食べることはできませんでしたが、美味しいカチョポを楽しみたい方は訪れてみるのもおすすめですよ。
カチョポはもともと巨大なカツレツですが、隣の席でカチョポを食べている人のお皿を見ると、30cmほどにも見える大きさ。
Menúも動けなくなるくらいボリュームたっぷりだったので、このレストランを訪れる方はラ・カリダーで夜を過ごすのが良いかもしれません。
Restaurante El Pozo de Güelita
アストゥリアス地方でNo,1のカチョポの店
11:00~16:00/19:00~0:00
+34984514005
ステージ27 La caridad – Ribadeo 21.3km
アストゥリアス地方最後のステージである今日は、これまでのカミーノで一緒に歩き続けて来たカンタブリア海を見ることのできる最後のステージ。
ガリシア州に入ると、カミーノはサンティアゴ・デ・コンポステーラへと続く内陸の巡礼路になります。
カミーノは今日のスタート地点ラ・カリダーLa caridadから3.1kmのバルデパレスValdeparesにて、2つの巡礼路に分かれます。
・内陸を歩くカミーノ北の道オフィシャルルート
・海岸沿いを歩くオプションルート
私は、北の道最後のカンタブリア海を思いっきり堪能しようと、海岸沿いを歩くオプションルートを選択しました。
まるで北の道のハイライトを最後に見せてくれるような、美しく壮大なカンタブリア海がガリシア州へ続くカミーノへと送り出してくれます。
海岸沿いのルートへの分岐点から約1.3kmほど歩くと見えてくる美しい岬。
三日月状の弧を描くように迫り出した岬は、映画のロケ地にでもなりそうな雄大でダイナミックな光景が。
いつまでも見ていられそうな景色です。
さらに1.9km先には美しいビーチが待っています。
北の道最後のカンタブリア海を思う存分堪能できるビーチや海は、この後も続きます。
海好きにとっては、まさに天国のようなステージ。
13km地点にはカンタブリア海に面した美しい港町タピア・デ・カサリエゴTapia de Casariegoがあります。
飲食店やカフェ、スーパーマーケットがあり、ステージ26のゴールであるリバデオまでの区間で唯一アルベルゲのある町です。
タピア・デ・カサリエゴを出発するとすぐに見えてくるのが穏やかで美しいリアス式海岸の入江。
透き通る深い青に浮かぶ岩には海鳥たちが集まり、彼らの鳴き声が空高く響き渡ります。
入江に続く階段を降りると対岸に広がる細い木々が連なる美しい光景が。
ちなみにリアス式海岸はカミーノのゴールであるサンティアゴ・デ・コンポステーラの位置するガリシア地方でよく見られる地形。「 リアス式 」という名称は、学者がガリシア地方の入江 「 Ría 」から命名したそう。
ガリシア地方にとても近いこのエリア周辺はリアス式海岸の本家とも言えます。
サンティアゴ・デ・コンポステーラまであと299km。
その日その日を味わっているといつの間にかここまで来ていたような気持ち。
カミーノとは人生のようだなぁ、などと感じます
今日のゴール、リバデオRibadeoまで残り7km地点には、カミーノ北の道での最後のビーチが待っています。
アーチ状の優美な弧を描く岩が、ビーチとその向こう側に続くカンタブリア海の美しさを一層引き立たせています。
アストゥリアス州とガリシア州の州境は、リバデオRibadeoの町の手前に流れている大きな川。
美しいリアス式海岸の向こう岸にはリバデオの町が待っています。
北の道で何度も見てきたカンタブリア海は今日も美しく、存分に海とビーチを堪能したステージでした。
カミーノ北の道はアストゥリアス州から北の道最後の州ガリシア州へと続きます!
カミーノ北の道のガリシア州の詳細情報は以下の記事でご覧いただけます。
【番外編】リバデオから約10km|干潮時だけ現れる幻のカテドラルビーチ
アストゥリアス州との州境の川を超えたところに位置する、ガリシア州最初の町リバデオRibadeo。
リバデオから約10km、カンタブリア海の海岸線に沿って西へ行くとカテドラルビーチPlaya de Las Catedrales呼ばれる、ナショナルジオグラフィックの「世界で最も美しいビーチ」のひとつに選ばれたこともあるビーチがあります。
まるで大聖堂のゴシック様式を思わせる芸術的な自然美が見られることから、「カテドラルビーチ」( 大聖堂ビーチ ) と呼ばれるようになったビーチは、普段は海の底になっており干潮時だけ現れる幻のビーチ。
カミーノ北の道とは直接関係ありませんが、リバデオから約10kmということで訪れて見ることにしました。
カテドラルビーチはガリシア州でサンティアゴ・デ・コンポステーラに次いで観光客が最も多く訪れる名所としても知られています。
大型バスでの団体客も居たりと、カミーノ北の道の静けさを楽しめるローカルビーチとは違った賑やかさがあり、普段は海の底になっている砂浜を歩くと、まるでビーチ全体が美術館のようなダイナミックな自然美を楽しめます。
上手く写真を撮れませんでしたが、美しい弧を描くアーチ状の岩が連なる光景はまさに自然が作り出した芸術
リバデオからは西に約10km。もちろん歩いて行くのもよし、私はカミーノ中の休暇気分で電車に乗って行ってみました。
電車で行く場合は、リバデオRibadeo駅から3駅です。
巡礼中に時間に余裕のある方は、合わせて訪れてみるのもおすすめですよ。
カテドラルビーチの詳細や電車での行き方を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【カミーノ北の道】アストゥリアス地方のルート概要・特徴
カミーノ北の道のアストゥリアス州は、全体を通して平坦で歩きやすい巡礼路。
アップダウンもなくフィジカルなパワーが必要ない分、ゆったりと周りの景色を楽しみながら歩きやすいエリアです。
カンタブリア海の海岸沿いに沿って歩くステージでは、バルや飲食店の数は多くありません。
特にビーチ周辺では食料を見つけるのが難しい場合も多々あります。
海沿いを歩くステージは、マップやGronze、アプリBuen Caminoにバルがあると記載されていても、実際に歩いてみると閉まっていたりすることも多いので、あらかじめ水と食料を準備して歩くのがおすすめですよ。
巡礼路のコンディションは、コンクリートの道も多く歩くのがアストゥリアス州。一部、車道の横を歩いたり歩行者用の歩道がなかったりと車に注意が必要な区間があります。
周りに飲食店がないステージが多い分、ビーチでは人影もまばらな静かな空間を思いっきり満喫できます。
ローカルビーチに次々と出会えるアストゥリアス州のカミーノは、あらかじめ食料を準備しておくとピクニック気分でビーチでゆったりとした休憩を満喫できたりと海好きにはたまらないエリアです。
【カミーノ北の道】泊まってよかったアストゥリアス地方のおすすめアルベルゲ
カミーノ北の道のアストゥリアス地方で、実際に泊まってみて居心地のよかったアルベルゲをご紹介します。
巡礼中は、どのアルベルゲに泊まるかも縁やタイミングだと思うので、参考までに!
ちなみにですが、Booking.comで宿泊施設を予約するとき、ハピタスを経由してBooking.comを利用すると宿泊料金の5%のキャッシュバックがもらえます。
ハピタスとは大手ポイントサイトです。同じ宿に泊まるのにハピタスを経由する10秒ほどの手間を加えるだけてキャッシュバックしてもらえるので、Booking.comを使うことの多いカミーノでは結構お金が貯まるのでおすすめです。
気になる方はチェックしてみてくださいね。
ハピタスを見てみる >>
【ラ・フランカ】Albergue Triskel
ステージ16:ラ・フランカLa Franca
とても清潔でフレンドリーなオスピタレロが迎えてくれるアルベルゲ。バスルームはまるでホテルのように広く綺麗でアルベルゲであることを忘れてしまいそうなほど。温かみのあるリビングにはゆったりとくつろげるソファがあり、穏やかなガーデンと清潔で大きなキッチン。オスピタレロの奥様手作りの夕食はとても美味しく、温かな気遣いを感じられるアルベルゲです。
【民営アルベルゲ】
18ユーロ/予約可(Whatappのみ)/夕食有り(有料)朝食有り(無料)/ベッド数12
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【ムロス・ デ・ナロン】La Naranja Peregrina
ステージ22:ムロス・ デ・ナロンMuros de Nalon
カミーノ経験者の太極拳マスターラファエルが運営するアットホームなアルベルゲ。清潔なドミトリールームと小さな公園と呼べる規模のプライベートガーデンがあります。近隣に飲食店やスーパーマーケットはありませんが、ラファエルお手製のディナーを、ガーデンの片隅に置かれた木製の長テーブルでいただきます。アットホームながら落ち着いた雰囲気でディナーまでの時間もガーデンでのんびりと過ごせるアルベルゲ。
【民営アルベルゲ】
15ユーロ/夕食ドネーション制・朝食4ユーロ/ベッド数12
+34685245111
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【ソト・デ・ ルイニャ】La Reguera Pilgrims Hostel
ステージ23:ソト・デ・ ルイニャ Soto de Luiña
カミーノ経験者のオスピタレロが2021年秋にオープンしたばかりの新しいアルベルゲ。長年の夢だったというアルベルゲは「ここを家だと思ってくつろいで欲しい。」と言ってくれる言葉通りアットホームで優しい空気の流れるアルベルゲ。シャワールームはとても綺麗で清潔で、他の巡礼者と「まるでホテルのシャワールームだね!」と盛り上がったほど。オスピタレロのエレーナのお手製ディナーも愛情たっぷりです。
ドネーション制/土曜休業/1週間前までに予約必須/夕朝食あり(ドネーション制)/ベッド数11
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【Outur】Albergue La Casa del Peregrino
ステージ26:Outur
フレンドリーなオピタレロが迎えてくれるアットホームなアルベルゲ。巡礼路の途中にポツンと建っているアルベルゲのガーデンには木製の長テーブルや椅子、ゆらゆらと揺れる白いゆりかごのようなベンチがあり、ディナーまでの時間ものんびりと過ごすことができます。可愛らしい犬と猫もいて動物好きにはたまらないアルベルゲ。
【民営アルベルゲ】
ドネーション制/予約必須/夕朝食あり(ドネーション制)/ベッド数10/車椅子対応
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【ナビア】Albergue San Roque
ステージ26: ナビアNavia
大部屋にドミトリーが並んでいる規模の大きなアルベルゲ。ドミトリールームには窓があり開放的な雰囲気でトップクラスの清潔さ。朝食・夕食はありませんが、近隣にバルやカフェ、飲食店があるので外で食事を楽しめます。とにかく綺麗でアプリBuen Caminoの口コミではトップレートが付いている満足度の高いアルベルゲです。
【民営アルベルゲ】
15ユーロ/予約可/夕食・朝食なし/ベッド数24/車椅子対応
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【カミーノ北の道】巡礼路で味わえるアストゥリアス地方のグルメと名物
アストゥリアス地方は食文化の豊かなエリア。伝統料理や名物が多く、北の道の巡礼路でも何度もアストゥリアス地方ならではの名物グルメに出会うことができます。
美食といえば、サン・セバスチャンも位置するカミーノ北の道のひとつ目の州であるバスク地方が有名ですが、アストゥリアス州も負けず劣らず食べることが好きな人にはたまらない名物料理の宝庫。
定番の名物グルメも店によって味や食感が違い、その店ならではの味を楽しめます。
【郷土料理】ファバダ
アストゥリアス州で日常的に愛されている郷土料理ファバダFabadaは、大きなインゲン豆とチョリソー、そしてモルシージャという豚の血液を加えたソーセージを煮込んだ料理。
1品料理としてはもちろん、アストゥリアス地方のMenúの前菜に必ずと言って良いほど載っている定番中の定番料理です。
前菜扱いにも関わらず、メイン料理級のボリュームで、食べた後巡礼を続けるのが困難に感じるくらい満腹感を味わえる一品です。
【カツレツ】カチョポ
生ハムとチーズを子牛肉で挟んだカツレツカチョポCachopoは、さくっさくの衣と、とろっとしたチーズ、塩っけのある生ハムのコンビネーションが癖になる、一度食べたら病みつきになるアストゥリアスの名物料理。
写真のカチョポは小ぶりですが、通常は大きなお皿からはみ出すほどの大きさで、約30cmにもなるサイズのカチョポも珍しくありません。
食感の良い衣が意外と軽い口当たりで、チーズと生ハムの塩っけがビールとの相性も抜群です!
カミーノ北の道のステージ26に位置する小さな村、ラ・カリダーLa caridadには、2021年のカチョポのコンテストで優勝したレストランがあります。
まさに、カミーノしなければ訪れる機会もないだろう小さな村なので、ぜひ味わってみるのもおすすめですよ。
【定番中の定番のお酒】シードラ
アストゥリアスの名物を語る上で欠かせないのが、りんご酒シードラSidra。
英語圏ではサイダーやアップルサイダーと呼ばれていますが、アストゥリアス地方のシードラはとても新鮮で一度開封したらすぐに酸化してしまうため、ボトルでしか注文することができません。
味も口当たりもアップルサイダーとは全くの別物。市販の牛乳と牧場で飲む新鮮な牛乳以上の差があります。
アストゥリアスといえばシードラと言えるほど、観光客のみならず、地元の人にも愛されているお酒です。
口当たりは軽く自然な甘みと味わいがありアルコール度数は3〜6%と低め。
シードラの味わいの美味しさはもちろん、特質すべきはその注ぎ方。
シードラ専門店シドレリアSidreríaで体験できる、グラスより約1メートルの高さから流れる滝のようにシードラを注ぐプロの技は圧巻。注ぎ方によって全く味が変わるので、ぜひ専門店で味わってみるのもおすすめですよ。
【カミーノ北の道】アストゥリアス地方の巡礼路にある主要な街
アストゥリアス州を代表する2つの都市が巡礼路上にあるカミーノ北の道。アストゥリアス州第1の都市ヒホン、そして第3の都市アビレスを通過します。
ヒホンとアビレスもアストゥリアス州を代表する都市ながら、都会というよりは穏やかな空気が流れるゆったりとした街です。
一晩過ごす場所の参考になれば嬉しいです!
ちなみにアストゥリアス州第2の都市は州都であるオビエドOviedo。オビエドを通過するカミーノにはプリミティボの道Camino Primitivoがあります。
【ステージ20】ヒホン
ステージ20:ヒホンGijon
州都であるオビエドを抜いてアストゥリアス州で最も多い人口を誇る街。ヒホン最大の見どころは1.5kmにもなる美しいビーチ。都会というよりは郊外のリゾート地といった雰囲気で、ローマ時代から続く歴史ある地区シマデビージャCimadevillaはヒホンの旧市街。ショッピング通りや飲食店が並ぶ都会的な一面と、旧市街の歴史を感じるローカルな一面を一度に楽しめる街です。
【ステージ21】アビレス
ステージ21:アビレスAviles
アストゥリアス第3の都市アビレスはパステルカラーの家々が美しい上品な街。真夏でも最高気温25度前後のアビレスは北スペインの避暑地としても人気です。バルや飲食店が多く、テラス席で優雅な午後を過ごす人々と一緒に休暇気分を味わえる街。
【ステージ25】ルアルカ
ステージ25:ルアルカLuarca
アストゥリアス地方のカミーノ北の道の巡礼路上ではアビレスに次いで大きな街ルアルカ。太陽を反射する真っ白な家々はルアルカの街並みの特徴。港町であるルアルカでは美味しいシーフードを楽しめるレストランが軒を連ねます。地方の街ならではの穏やかでゆったりとした空気の流れる街です。
【カミーノ北の道】アストゥリアス地方巡礼記まとめ
北の道ならではの美しいカンタブリア海を存分に感じ、内陸では「緑のスペイン」らしい豊かな自然や、緑の絨毯のような草原と、北スペインの自然の豊かさを思いっきり味わえるアストゥリアス地方。
のどかな空気感とゆったりとした時間の流れがあり、北の道の中でアストゥリアス州が一番気に入ったという巡礼者も多くいます。
どこかノスタルジックな空気が漂い、心の深いところを柔らかく刺激するような、訪れる人を魅了する不思議な魅力があるのがアストゥリアス地方です。
カミーノ北の道で通過する他のエリアの詳細情報もご覧いただけます。
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