【カミーノ北の道】バスク地方のルート・見どころ・アルベルゲ情報まとめ
本記事ではスペイン巡礼、カミーノ北の道Camino del Norteを歩いた実体験をもとに、北の道バスク地方のルート情報を解説します。
スペイン北部の4つの州を歩くカミーノ北の道。バスク州はカミーノ北の道の出発地点であり、ひとつ目の州です。
カミーノ北の道で歩くバスク州のルートは、美食の街として知られるサンセバスチャンをはじめ、魅力的な美しい街を多く通過します。
バスク州は、カミーノ北の道の中でも最もアップダウンが多く体力のいるエリアですが、そのぶん目に映る景色も壮大で美しくカミーノ北の道の魅力がぎゅっと詰まった地方です。
本記事では、カミーノ北の道を歩いた実体験をもとに、北の道バスク地方のルート情報や見どころ、アルベルゲ情報などを巡礼記と一緒にご紹介します。
【カミーノ北の道】出発地点の街イルンIrun
カミーノ北の道の出発地点の街イルンIrunはスペインとフランスの国境沿いの街。
スペインとフランスとの国境には橋が架かっていて、ちょうど国の境目から北の道はスタートします。
カミーノ北の道スタートポイント
イルンのアルベルゲに宿泊して北の道をスタートする人もいれば、イルンから約27km離れた場所に位置する街サンセバスチャンで前泊して北の道をスタートする人もいます。
イルンにはドネーション制のアルベルゲJakobi Pilgrim Hostelがあります。
イルンのアルベルゲは、北の道のスタート地点まで2.4kmほどの場所に位置し、電車で約10分または徒歩30分ほどで北の道の出発地点へとアクセスできます。
Jakobi Pilgrim Hostel
イルンのアルベルゲ
ドネーション制/予約不可/ベッド数60
Gronzeで詳細を確認する
サンセバスチャンは北の道の巡礼でも通過する街ですが、美食の街としても知られるスペインバスク地方を代表する大きな街なので観光も兼ねてサンセバスチャンで前泊する人も多いようです。
私が北の道を歩いたのは2021年の9月〜10月。コロナでイルンのアルベルゲが閉まっていたことと、ゆっくりと観光したかったのでサンセバスチャンで前泊しました。
サンセバスチャンからイルンの北の道スタートポイントまでは電車で約35分。
電車を降りるイルンの駅から北の道のスタートポイントまでは約徒歩3分なので、サンセバスチャンに前泊しても、簡単に北の道のスタートポイントまでアクセスできましたよ。
サンセバスチャンから北の道のスタートポイントまでの詳しい行き方は、以下の記事にて解説しています。
北の道でのクレデンシャルは、イルンではアルベルゲJakobi Pilgrim Hostel、または北の道のスタート地点から約2km進んだ場所にある礼拝所Padres Pasionistasで購入できます。
サンセバスチャンでは、サンセバスチャン大聖堂にて購入できます。
クレデンシャルの購入場所を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【カミーノ北の道バスク州】ステージごとのルート情報と巡礼記
カミーノ北の道のステージごとに、ルート情報や実際に泊まってみて良かったアルベルゲや味のあるアルベルゲなどを巡礼記と一緒にご紹介します。
ステージは、実際に私が歩いた区切りとは違うこともありますが、わかりやすいようにGronzeのステージを採用しています。
北の道を歩く際の参考になれば嬉しいです!
ステージ1 Irun – San Sebastián 24.7km
2021年9月7日、曇り空から少し太陽の光が差し込む中カミーノ北の道をスタートです。
今日から始まるカミーノに胸を踊らせながら、ゆっくりとイルンの街を歩いているとさっそく陽気なスペイン人が声をかけてくれて少しおしゃべり。
何気ない地元の人との会話に、気軽に人と話せるカミーノマジックを感じます。
イルンの町を出ると、カミーノはハイスキベル山の山頂へ。北の道は1日目が最もハードなステージのひとつと言われていて、ハイスキベル山の山頂540mまでゴツゴツした岩の多い急な上り坂を歩くのは、実際ハードでした。
まだカミーノの感覚が戻ってきていない体なのもあって、個人的には北の道の中で最もハードなステージだったのが今日1日目。
とはいえ、北の道の中でも最も印象的な景色のひとつもこのステージ1です。
とはいえ、巡礼路は2つの選択肢があり、ハイスキベル山の山頂を通るルートと、山頂を避けるルートがあります。
山頂に行くか行かないかの分岐点で、どちらに行こうか迷っていると、
ハードだって聞いたからバックパックはサンセバスチャンの宿に置いてきたんだよ
と言いながら山頂へ行く人もいれば、山頂を避けるルートを選ぶ人も多かった印象です。
そんなにハードなのかな、とちょっと気負いしましたが、せっかくならやっぱり山頂からの景色をみたいと思い山頂のルートを選択。そのハードさ以上の美しく壮大な景色を見られたのでとても満足です。
ハイスキベル山を降りると、小さな漁村パサイアPasaiaへ到着。ここで一泊するのも良いなぁと感じる情緒ある村です。
今日はサンセバスチャンの街の5km手前にあるアルベルゲに泊まりたかったので、パサイアからあと少しと思って歩いていると、なんと再び急な上り坂が続きます。
ハイスキベル山の山越えでかなり体力を使っていたのもあってか、ハイスキベル山よりハードに感じました。
それもあって後から振り返ってみても、個人的には北の道でハードさを一番感じたのは1日目。
なので、1日目を経験するとあとは楽になるだけです。
北の道1日目の詳細や、ハイスキベル山ルートとオプションルートの違いを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
気力だけで歩き、ようやく今日のアルベルゲDoce Tribusへ到着しました。
カミーノらしい体験ができるアルベルゲに泊まりたいなぁ、と事前に調べていて泊まってみたかったアルベルゲ。
原始キリスト教系のコミュニティーが運営しているアルベルゲで、思想も生き方もぶっとんでました。
普段の生活では縁がなかった生き方をしている人ばかりで、北の道の中で出会った人の中でも印象的なコミュニティー。
まさにカミーノしなければなかなか出会えない方たちだと感じたので、北の道で新しい体験をしたい方はぜひ泊まってみてほしいアルベルゲです。
追記
2024年4月現在、アルベルゲDoce tribusは閉館しているようです。
原始キリスト教コミュニティに興味のある方は、ステージ2のサンセバスチャン〜オリオの区間にある彼らが運営するカフェとアルベルゲに訪れることができますよ。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
ステージ2 San Sebastián – Zarautz 22.1km
北の道2日目は天候にも恵まれ、心地よい天気に。サンセバスチャンを出ると、目の前にはカンタブリア海と、緑々とした緑の大地が広がります。
カミーノが序盤から、これぞ北の道を感じる美しい景色。
目の前に広がる景色が心地良すぎて堪能しながら歩いていると、なかなか歩が進みませんでした
カミーノは次第に上り坂になっていき、+/− 300mのトレイルに入ります。
自然の中の一本道を歩く快感。
今日2日目のステージは、1日中どこを切り取っても美しい景色ばかり。
キャンピングカーも多く、見晴らしの良いところでテーブルクロスをひいたテーブルにフルーツと軽食をセッティングして椅子に座ってのんびりしているのをみていると、憧れの気持ちが湧いてきます。
キャンプサイトには所狭しとキャンピングカーが並んでいて、そんな暮らしをしている人を見ていると、とてもワクワクしました。
ステージ2の16.4km地点には、比較的大きな町オリオOrioがあります。
カフェやレストランもあるので、休憩するのにぴったりの町。
どこまでも続く砂浜が印象的な海辺の街サラウツZarautz。
郊外のビーチタウンといった感じで、ビーチにはトップレスの女性がいたりスペインならではのゆるーい雰囲気が流れています。
ひたすらビーチでぼーっとするのが心地よく、何もしない極上の時間を過ごしました。
ビーチ沿いにはカフェやレストランが並び、ビーチから10分くらいの旧市街にはバルが並ぶ通りがあります。
サラウツではBlai Blai Hostelに宿泊。サラウツにアルベルゲはなく、一般のホステルですが、受付のお姉さんも親切で館内やベッドも清潔過ごしやすいホステルでした。
何よりカーテンが付いてたのが嬉しいポイント
ホステルの真横にスーパーマーケットがあるのもとても便利でしたよ。
ホステル/予約可能/夕朝食なし/ベッド数24/車椅子対応
Gronzeで詳細を確認する
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ステージ3 Zarautz – Deba 21.0km
ステージ3は、ステージの中でゲタリア、サラウツ、デバの3つの街を通る楽しいステージ。
ずっと自然の中を歩く日も大好きですが、美しい街をたくさん通るのも楽しい。
特にゲタリアGetariaは街並みがとても美しく、知る人ぞ知る美食の街として知られています。
サラウツからたった4kmほどの場所に位置するゲタリア。バスク地方の名物ピンチョスを食べながらバル巡りや、漁村ならではのシーフードを堪能してそのままベッドに行く至福のために、歩くのは4kmだけにしてゲタリアに1泊しました。
目抜き通りには所狭しとバルが並び、その奥に堂々とそびえるサン・サスバトール教会。
その通りを見た瞬間、その美しさと活気に思わず笑顔になってしまいました。
小さな町ながら思いっきりゆったりして食べて飲んでできたので、一泊して良かったなぁと思います。
2つ目の街は、ゲタリアから約5.4km地点のスマイアZumaia。
入江にある港町でカフェやレストランもある比較的大きな街です。
スマイアは一億年前の白亜紀の地層で有名な街。ユネスコのジオパークにも選ばれていて世界中からその分野の専門家が訪れるそう。
私はその事を後から知ったので行きませんでしたが、知ってたら行ってみたかったなぁ。
スマイアを出てデバまでカミーノは内陸へ。澄み切った青空と緑の大地、なんて事ない道もとても美しい。
北スペインは「 緑のスペイン 」と呼ばれていますが、本当に緑豊かで歩いていて気持ち良い道です。
日差しを遮るものがない区間が続くので、木陰を見つけたらこまめに休んでいました。
ステージ3のゴールであり、今日の3つ目の街デバDeba。
地方の街といったローカル感あふれる街で、レストランやカフェも充実しています。
デバのアルベルゲはデバ駅に併設されているそう。駅に泊まれるって面白い体験です。
私はコロナによりアルベルゲが休館している時だったので、デバから4.7km先にある次のアルベルゲまで歩きます。
デバには宿泊施設が少なく、デバ駅のアルベルゲ一軒と、1泊60ユーロほどのペンションが一軒のみです。
とはいえ、デバ駅のアルベルゲは通常は通年営業しているので、デバ駅のアルベルゲに泊まれば問題ないですね。
8ユーロ予約不可/通年営業/ベッド数56/受付20時まで
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ステージ4 Deba – Markina-Xemein 24.0km
今日ステージ4は+520mまで登るハードなステージのひとつ。デバを出発すると早速上り坂が続きます。
デバで少し休憩してカミーノを続けているせいもかってか、上り坂がキツく感じ体力と気力勝負。
途中丸太を見つけて腰を下ろして休んでいると、
まじやばいね、、、!
とフラフラになっていたので、やはりみんなにとっても体力のいる坂道のよう。
そんなこんなで、デバから4.7kmほど離れたIbiril quarterにあるアルベルゲIzarbide Pilgrims Hostelに到着です。
山の中にポツンと佇む自然の中のアルベルゲ。寝泊まりするエリアの他に、ベンチやテーブルが設置された広い庭があり、ゆっくりとした時間の流れに身を置くことができるアルベルゲです。
13ユーロ(2021年時点)/予約可/夕朝食有り(有料)/車椅子対応
+34655459769
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私はデバのアルベルゲがコロナにより臨時休館していたので、4.7km離れたこのアルベルゲを選びましたが、もしデバのアルベルゲが開いていたとしても、ぜひおすすめしたいアルベルゲです。
なぜなら翌日の朝、このアルベルゲからカミーノをスタートすると自然が織りなす素晴らしい色彩豊かな絶景を見ることができます。
山の中にあるアルベルゲだからこそ見える、朝日と共に刻一刻と表情を変えていく自然の豊かさは言葉に表せない美しさでした。
他にも自然の中にあるアルベルゲはありますが、ここは立地が最高で魔法のような景色に出会えます。
標高約300mほどの場所に位置することもあって、雲海も見ることができました。
今日この日の朝日と自然の彩りは、カミーノ北の道全ルートを通して最も印象に残っている、一生忘れないであろう素晴らしい景色です。
至福を感じる瞬間
先にご紹介したアルベルゲIzarbide Pilgrims Hostelを出ると、約18kmの間マルキナ=シェメインまでバルやカフェなどが一切なく、物資を補給できる場所がないので、あらかじめ準備しておきましょう。
ちなみに、アルベルゲIzarbide Pilgrims Hostelでは軽食を売っていて宿泊者以外も利用できます。
今日は人里離れてひたすら土の道を歩き続けます。
背の高い木々や、赤茶色の大地、ユーカリ林があったりと、同じ自然でも木々や植物がどんとんど変わっていく美しく心地良いカミーノです。
マルキナ=シェメインにはアルベルゲが2軒ありますが、1軒はコロナの影響で臨時休業していました。( 現在はオープンしています。)
どうしようかと扉の開かないアルベルゲの前で立ってると、地元のお兄ちゃんがもう一軒のアルベルゲに友人がいるからとわざわざ電話してくれました。
結局もう1軒も満室だったのですが、美味しいバルに案内してくれたりと良い出会いがあったので良しとして7km先のアルベルゲまで歩くことに。
体はくたくたでしたが、親切なお兄ちゃんのおかげで心は元気になりました。
人の暖かさはやっぱりとても嬉しいですね。
ステージ5 Markina-Xemein – Gernika 25.4km
今日ステージ5もカンタブリア海を離れて内陸の道を歩きます。
マルキナ=シェメインを出発すると+300mのカミーノ。ゲルニカまでの25.4kmの間に大きな街はなく、カフェやバルが巡礼路上に2、3軒あるだけだったので、食料を用意しておくと気楽です。
私はマルキナ=シェメインで泊まれなかったのでマルキナ=シェメインから約7.2km先のZiortzaにある僧院にで夜を迎えます。
僧院で待ってるから、辿り着きなよ!
、、、わかった!あとで会おうね!
マルキナ=シェメインの時点でだいぶ疲れを感じていたので、そこからの上り坂の7.2kmは正直しんどかったですが、19時半になってようやく僧院に到着しました。
僧院であるアルベルゲAlbergue de peregrinos del Monasterio de Zenarruzaでは、カミーノらしく、大テーブルに巡礼者が集い、大きな鍋で大量に作ってくれたトマトペンネとお決まりの赤ワイン。
北の道の中で、最も大人数のディナーでした。
僧院
ドネーション制/夕食あり/通年営業/ベッド数21
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スペインの画家、パブロ・ピカソの絵画「 ゲルニカ 」で有名な街、ゲルニカ。戦史上はじめて無差別の都市爆撃を受けたのがこのゲルニカの街で、その悲惨さを描いた強烈な絵は一度見たら忘れることのできないインパクトがあります。
小学校の頃、体育館に原寸大のゲルニカのレプリカが飾られていて、白黒の描写がとても怖くてゲルニカの街は小さい頃から頭にありました。
大人になって、まさか実際にゲルニカを訪れることになるとは夢にも思わなかったので、人生とは面白いですね。
ゲルニカの街には、カフェやバル、スーパーマーケットがあり巡礼者の欲しいものが揃っている街です。
私は、ゲルニカでビールを一杯飲んでもう少し先のアルベルゲまでカミーノを続けます。
ゲルニカにはアルベルゲはありません。
ユースホステルとホテルが3件ありますが、ユースホステルが閉まっていることがあるため確認することをおすすめします。
ステージ6 Gernika – Lezama 19.8km
久しぶりに雲に覆われた空。カミーノ中は雨が降らないだけでもありがたいですね。
今日ステージ6は+360mまで上ります。特にゲルニカを出るとすぐに、たった3kmの間に+300mまで一気に標高が上がり、上り坂が続くのでハードに感じるステージ。
またゲルニカから15kmは何もない区間が続き、バルやカフェ、物資を補給できる場所がないので、ゲルニカで水と食料を準備しておくと安心です。
とはいえ、私はゲルニカから5.3km地点にあるアルベルゲAlbergue Caserío Pozuetaに宿泊しました。
写真がそのアルベルゲで、周りには何もなく田舎道にポツンと立っているオアシスのような場所。
とてもアットホームなアルベルゲでオーナーの女性もフレンドリーな方でした。アルベルゲには庭がありリラックスした雰囲気。テントを張っている人もいましたよ。
周辺にスーパーや飲食店はありませんが、12ユーロでディナー、5ユーロで朝食をいただくことができます。
庭で手作りの夕食を食べているカップルがいたりと、ゆったりとした空気感の居心地の良いアルベルゲ。トイレやシャワーが清潔なのも嬉しいポイントでした!
アプリBuen Caminoでは、口コミの最高レート5.0を獲得している満足度の高いアルベルゲです。
トップレートのアルベルゲ
15ユーロ/予約可/通年営業/夕食12ユーロ・朝食5ユーロ/ベッド数16/車椅子対応
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レサマLezamaは、巡礼者以外は地元の人しか訪れることのなさそうな小さな町。
アルベルゲが一軒あり、小さな町ながらカフェやスーパーマーケットがあります。
レサマからビルバオまでは11kmのカミーノ。レサマを通過してビルバオまで歩く人も多く、私もビルバオまで歩くことにしました。
ステージ7 Lezama – Bilbao 11.0km
ビルバオは、北の道で一番大きな街。何もない自然の中を歩くのも大好きですが、大きな街に行くのもワクワクします。
レサマからビルバオまでは11kmと距離は短いですが、+300m / −368mのアップダウンのあるアヴリル山を登ります。アップダウンが多く、体力のいる道が多かった北の道バスク州でしたが、このアヴリル山越えがいったん最後のハードなカミーノ。
ビルバオに近づくにつれて、どんどんと街が大きくなってきます。バスク州最大都市ビルバオはやはり規模が大きく、久しぶりに都会感を感じる風景。
カミーノ中に街が見えてくると、なんとも言えない嬉しさと高揚感が押し寄せて、たまらない瞬間です!
カミーノ北の道の最大都市、そしてバスク州の最も大きな街でもあるビルバオBilbao。
せっかくなので、ビルバオでは巡礼者から観光客になり2泊して、ゆっくりとビルバオ観光を楽しみます。
これまでのカミーノ北の道で通過した大都市サンセバスチャンは、どこか上品な雰囲気漂うリゾート感のある街でしたが、個人的な印象ではビルバオはサンセバスチャンとは対照的。
良い意味でごちゃごちゃした雑多な雰囲気があり、人種も様々で国際色豊かな街。私にとっては、北の道の中で最も肌に合う街でした。
ビルバオの代名詞にもなっているグッゲンハイム美術館こそ行きませんでしたが、旧市街をゆっくりと散策し、バスク地方の名物ピンチョスを食べ、川沿いで何をするでもなくぼーっとしたりと、心ゆくまでビルバオの街を楽しみました。
旧市街にあるビルバオ大聖堂。一般の人は内部見学は有料ですが、巡礼者は無料で内部見学させてもらえます。
北の道のスタート地点イルンでも、サンセバスチャン大聖堂でもホタテ貝を見つけられず、どこかで買えたらいいなぁと思っていたら、ついにビルバオ大聖堂でホタテ貝を購入できました。
私が歩いた時はコロナの影響でビルバオのアルベルゲが臨時休業していたので、ホステルTROUPE LA GRANJAに宿泊。
4人1部屋のドミトリーで、各部屋にシャワー、トイレがついています。とても綺麗で清潔な都会らしいホステルでカフェバー併設のラウンジもあります。
何よりベッドにカーテンがあるのが最っ高!!
ロケーションも抜群で旧市街にもアクセスしやすく、徒歩3分でバルが並ぶ通りや川沿いに行ける立地もとても便利でした。
ホステルでは巡礼者にもばったりあったりと人気のホステルのようです。Booking.comでも9.0のトップレートでしたよ。
Booking.comでレート9
ホステル/予約可/カーテン付き/綺麗で清潔
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ステージ8 Bilbao – Portugalete 19.2km
ビルバオからポルトゥガレテPortugaleteへはカミーノ北の道のオフィシャルルートの他に、2つのオプションルートがあります。
ビルバオからポルトゥガレテまで続いている川があり、北の道のオフィシャルルートは内陸を歩きますが、2つのオプションルートはずっと川沿いを歩きます。
2つのオプションルートの違いは川の右側を歩くか、左側を歩くかの違いです。
右側のルートはオフィシャルルートより5km短く、左側のルートはオフィシャルルートより6.3km短いのが特徴。
右側のルートは国道を歩く区間があり、一部歩道がないため危険を感じる区間があるそうです。
ポルトゥガレテの一番の見どころは世界遺産のビスカヤ橋Puente de Vizcaya。
橋から軽量鉄ケーブルを使って吊り下げられたゴンドラで川を隔てた2つの町を結ぶ運送橋です。
ビスカヤ橋は世界最古の運送橋で開通したのは1893年のこと。
驚くべきことに今現在でも運送橋として活躍しています。
やたらとでかい橋があるなぁ
というのがカミーノ中にポルトゥガレテを訪れた時の印象で、ビスカヤ橋が世界遺産だと知ったのは後になってからのこと。
それほどに世界遺産でよく見られる混雑や観光客が集まる光景は全くなく、世界遺産である前に、市民の足として活躍しているビスカヤ橋の本来の姿を見ることができました。
ビルバオからポルトゥガレテまで、オプションルートの川の右側を歩く巡礼路を選ぶと、必然的にビスカヤ橋のゴンドラを使って川を渡りポルトゥガレテの町に入ることになります。
オフィシャルルートではありませんが、世界最古の運送橋を使って川を渡るというのも、面白いカミーノですよね。
ステージ9 Portugalete – Castro Urdiales 25.4km
ステージ9は、バスク地方を歩く最終日。バスク地方からカンタブリア地方へとカミーノは続きます。
そして今日は久しぶりに海岸線を歩くステージ。カンタブリア海をみるのはステージ4のデバ以来。最後に海を見てから数日しか経っていませんが、久しぶりな気持ち。
海を見るとなぜこんなに胸が高鳴るのでしょうか!
さらに久しぶりのビーチ!砂浜を見るのはステージ3のサラウツ以来です。
このビーチ、プラヤ・デ・ ラ・アレーナ Playa de la Arenaは知る人ぞ知るビーチと言った感じで、これまでのビーチタウンとは違い、車がないとアクセスが難しそうな人里離れたビーチ。
それだけに混雑もなく、ゆったりとした自然そのものの海を感じられます。サーファーも多くいたので、サーフィンの名所のよう。
ビーチの入り口にカフェがありますが、これからしばらく飲食店がない区間が続くので一休みしておくと気楽です。
ビーチを通過してからのカミーノはまさに絶景!
これぞ北の道を感じる堂々としたカンタブリア海が。青々とした海と海岸線に沿って続く道、思わずにやけてしまう気持ちの良い道です。
ステージ9はカミーノ北の道のハイライトと言っても良いくらい最高の景観が待っています。
サンティアゴ・デ・コンポステーラまであと689km。
漠然としたこの数字を見てもあまりしっくりきませんが、いつか着くんだなぁと思いながら今歩いているこの道を楽しみます。
緑と青のコントラストがなんとも美しく、何度も立ち止まっては歩くの繰り返し。
ステージ9は歩がなかなか進まないステージのひとつ。
心地よさを感じる時ほど、歩き進めるよりも目の前の景色を堪能したくなりますね。
カミーノはバスク州とカンタブリア州の州境へ。
木に括られたCANTABRIAの看板がなんとも可愛らしい。いよいよカミーノ北の道2つ目の州、カンタブリア州へと突入です!
カミーノ北の道のカンタブリア地方の詳細情報は以下の記事でご覧いただけます。
【カミーノ北の道】バスク地方のルート概要・特徴
カミーノ北の道のバスク地方は、北の道で通過する北スペインの4つの地方の中で最もアップダウンが多いエリア。
ゴロゴロとした石の道や、土の道、急な坂道のアップダウンも多く、4つの地方の中でもハードなエリアと言えます。
とはいえ、挫けそうになるほどの道や、経験値が必要になるような道はないので、体力は要りますが誰でも歩ける「 普通の人のための道 」です。
またバスク地方が終わると、カンタブリア地方、アストゥリアス地方は平坦な道が続くので、歩いてる感を味わえるアップダウンが好きな方がバスク地方はとても楽しいエリアだと思います。
北スペインは「 緑のスペイン 」と呼ばれますが、バスク地方はまさにその言葉がぴったりの緑豊かなカミーノ。
カンタブリア海と豊かな自然を存分に堪能できる、エリアです。
自然の中のカミーノが一番多いのもバスク地方です。
【カミーノ北の道】泊まってよかったバスク地方のおすすめアルベルゲ
カミーノ北の道のバスク地方で、実際に泊まってみて居心地のよかったアルベルゲをご紹介します。
巡礼中は、どのアルベルゲに泊まるかも縁やタイミングだと思うので、参考までに!
ちなみにですが、Booking.comで宿泊施設を予約するとき、ハピタスを経由してBooking.comを利用すると宿泊料金の5%のキャッシュバックがもらえます。
ハピタスとは大手ポイントサイトです。同じ宿に泊まるのにハピタスを経由する10秒ほどの手間を加えるだけてキャッシュバックしてもらえるので、Booking.comを使うことの多いカミーノでは結構お金が貯まるのでおすすめです。
気になる方はチェックしてみてくださいね。
ハピタスを見てみる >>
【サラウツ】Blai Blai Hostel
ステージ2:サラウツ
サラウツにはアルベルゲはありません。なのでアルベルゲではなく一般のホステルですが、清潔でベッドにカーテンが付いています。ビーチにアクセスしやすくゆったりとくつろげるホステル。隣に大きなスーパーマーケットがあります。
【ホステル】
予約可能/夕朝食なし/ベッドにカーテン付き/ベッド数24/車椅子対応
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【Ibiril quarter】Izarbide Pilgrims Hostel
ステージ4:Ibiril quarter (デバから4.7km地点)
山の中にポツンと立っているカミーノらしいアルベルゲ。立地が最高で、このアルベルゲからスタートすると木々が朝日に照らされて色彩豊かな最高の景色を見ることができます。標高が高いので雲海も見えましたよ!
【民営アルベルゲ】
13ユーロ(2021年時点)/予約可/夕朝食有り(有料)/車椅子対応
+34655459769
GoogleMapで位置を確認する
【Pozueta】Albergue Caserío Pozueta
ステージ6:Pozueta (ゲルニカから5.3km)
田舎道にポツンと立っているアルベルゲ。フレンドリーなオーナーが出迎えてくれる温かみのある場所。庭があってゆったりとした時間の流れを感じられます。周囲には何もありませんが、有料でディナーと朝食をいただけます。アプリBuen Caminoでは口コミの最高レート5.0が付けられている満足度の高いアルベルゲです。
【民営アルベルゲ】
15ユーロ/予約可/通年営業/夕食12ユーロ・朝食5ユーロ/ベッド数16/車椅子対応
+34 696 565 318
+34 618 712 436
Gronzeで詳細を確認する
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【ビルバオ】 LATROUPE LA GRANJA
ステージ8:ビルバオ
アルベルゲではなく一般のホステルですが、とにかく清潔、綺麗でBooking.comでも9.0のレートを獲得しているホステル。ベッドにカーテンがあるのも嬉しいところ。ロケーションも抜群でビルバオ観光に便利な立地。700年の歴史を持つビルバオの旧市街にも徒歩5分でアクセスできます。
【ホステル】
予約可/カーテン付き/綺麗で清潔/旧市街まで徒歩5分
Gronzeで詳細を確認する
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【カミーノ北の道】巡礼路で味わえるバスク地方のグルメと名物
バスク地方は食文化がとても豊かな土地で、巡礼路上でも美味しいグルメや名物が目白押しです。
【バスク地方を代表する料理】ピンチョス
ステージ1のサンセバスチャンは世界的に「 美食の街 」として知られる美味しいものの宝庫。
バスク料理を代表するピンチョスPinchosは、串に刺した小ぶりのアペタイザーです。
ピンチョスを食べ歩くバル巡りはサンセバスチャンでの人気の楽しみ方です。
ピンチョスはバスク地方全土のバルで食べることができ、店によって具や味が異なりバラエティ豊かなピンチョスを楽しむことができますよ。
ピンチョスはひとつ1.5〜2ユーロほどで見た目より食べ応えがあるので、カミーノ中に小腹が空いた時にぴったりでした!
【バスク地方のローカルワイン】チャコリ
ピンチョスと一緒によく飲まれるのが、バスク地方のローカルワイン、チャコリChacolí。
微発砲で爽やかな口当たりが飲みやすく、無限に飲めてしまう危険なワインです。
ステージ3で通過する街ゲタリアGetariaはチャコリの産地としても知られ、バルではゲタリア産のチャコリを楽しめます。
【漁村の名物】白身魚の炭火焼き
ゲタリアも知る人ぞ知る美食の街として知られています。
小さな街ですが、グルメを楽しみに訪れる観光客で賑わっています。
カンタブリア海に面した漁村ゲタリアでの観光客のお目当ては新鮮な海鮮料理。
中でも名物は白身魚の炭火焼き。
目抜き通りで職人が大きな魚を焼く姿はなんとも食欲をそそるもので、ゲタリアならではの名物料理です。
【カミーノ北の道】バスク地方の巡礼路にある主要な街
ひたすら自然の中を歩くのも楽しいですが、街があるとやはりワクワクするもの。
カミーノしなければ訪れることのなかったかもしれない街々だと思うと、よりその街を訪れることができる喜びを感じます。
私はゆっくりカミーノするタイプで、気に入った街があると、2泊ときには3泊ほどしてのんびりと街を楽しみながらカミーノしていました。
カミーノ北の道の巡礼路上には魅力的な街が多く、バスク州は特に巡礼路上に美しい街が多い地方です。
街も楽しむのが好きな方は、足を止める場所の参考になればと思います。
【ステージ1】サンセバスチャン
ステージ1:サンセバスチャンSan Sebastián
「美食の街」として知られる上品な雰囲気漂う街。3つのビーチやバル巡りと訪れる人を楽しませてくれる要素がたくさん。「ビスケー湾の真珠」の異名を持つバスク地方を代表する街。
【ステージ2】サラウツ
ステージ2:サラウツZarautz
ゆったりとした空気が漂う中にも開放的な雰囲気を感じられるローカルなビーチタウン。ビーチ沿いには飲食店が並び海を心ゆくまで堪能できます。
【ステージ3】ゲタリア
ステージ3:ゲタリアGetaria
知る人ぞ知るグルメの町として知られる小さな漁村。目抜き通りが美しくカラフルな建物が出迎えてくれる。名物の「白身魚の炭火焼き」や漁村ならではの海鮮料理を楽しめるレストラン、バスク料理を楽しめるバルが立ち並び、ゲタリアに泊まるとお腹いっぱい食べてベッドにダイブする至福を味わえます。
【ステージ7】ビルバオ
ステージ7:ビルバオBilbao
バスク州の最大都市、そして北の道全ルートの中でも最も大きな都市であるビルバオ。700年の歴史を持つ旧市街では趣のある街並みや雑多でユニークな雰囲気を楽しむことができ、新市街では有名な近現代美術館「グッゲンハイム美術館」で芸術を堪能できます。
【カミーノ北の道】バスク地方巡礼記まとめ
カミーノ北の道のバスク地方は、緑々とした豊かな自然が溢れ、どのステージをとっても印象的なカミーノ。
北の道で通過する4つの州の中でも美しい街が多いのも特徴です。
中でもカンタブリア海に面した穏やかなビーチタウンが多く、北の道らしさが詰まっています。
とにかく目に映る景色が美しく、そこに立っているのが心地よくてなかなか歩が進みません。
食と自然と街と海。北の道のハイライトと言っても過言ではない、魅力がぎゅっと詰まっているのがバスク地方です。
カミーノ北の道で通過する他のエリアの詳細情報もご覧いただけます。
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